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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 ムオル~番外編

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ジャミルはミルクを一気飲みすると呼吸を整える。
 
「よし、まずは情報収集だな……」
 
4人は気を取り直し、再び旅を続ける事にした。
 
「……どうかお願いします、イカが出ませんように……!」
 
「タコが出るかも知んねーぞ、ダウド」
 
「……ぎゃあ~!うわあああーん!!イカもタコも嫌だよおおーー!!」
 
「もうっ!怖がらせちゃ駄目じゃないっ!」
 
アイシャがジャミルに注意するがジャミルは後ろを向いて舌を出し
アカンベーをするのであった。

暫くの航海のち、ダーマから更に北東へ進むと小さな大陸が見えてくる。
村がありそうだったので早速上陸し、休憩と買い物も兼ねて足を運んで
見る事にした。入った途端、外で遊んでいた小さな男の子がジャミル達を
見つけるなり側に寄ってきた。
 
「あっ……」
 
「なんだあ?」
 
男の子は何故かジャミルの顔をじーっと見つめている。
 
「ポカパマズさんだぁーっ!」
 
「はあ~?」
 
男の子は何故か興奮して走って行ってしまった。
 
「みんな~!ポカパマズさんがきたよーっ!!」
 
男の子がそう叫んだ途端、村人が一斉に家から顔を出す。
 
「ポカパマズさんだって!?」
 
「ポカパマズさんが来たのかい!!」
 
「そいつは大変じゃねえか!!」
 
「な、なんか、騒ぎになってるみたいだよお……」
 
「ジャミル、君、此処に来た事あるのかい?」
 
「んにゃ?初めての筈なんだけどなあ……」
 
アルベルトが聞くが本当に記憶が無いのでジャミルが困った顔をする。
 
「ところでバカザマスって……、なに?」
 
「私、パカパカポダマンデスって聞こえたよ」
 
言いたい放題言うアイシャとダウド。特にアイシャの方は一体何語なのか。
 
「そう見えたんだよ、ジャミルが」
 
「黙って聞いてりゃ……、好き勝手な事ばっかり言ってくれるわね!
おまえりゃ!!てか、アイシャお前耳鼻科行けよ!!耳鼻科!」
 
「ぶ~!!そう聞こえたんだもん!」
 
「おーい!ポカパマズさあ~ん!!」
 
「あ……」
 
村人がジャミル目掛けて一斉にドタとタと足並み揃え走って来た。
 
「も~、来るなら来るって言ってくれよ!会いたかったよ!」
 
「ハア……」
 
「ポカパマズさん、どうだい!?久しぶりのムオルの村は!」
 
「採れたての新鮮な野菜があるよ!!」
 
「家に泊まっていってくれよ!」
 
村人達はワイワイガヤガヤ、ジャミル達を取り囲む。……と、
さっきの男の子が自分の爺さんらしき人物を引っ張って連れて来た。
 
「おじいちゃん、はやくはやく!ポカパマズさんだよ!」
 
「こ、これ……、ポポタ、老人をそんなに走らせる物ではないよ……」
 
「だって、ポカパマズさんがきてくれたんだよー!」
 
「……やれやれ、老い耄れには堪えるわい……!?」
 
そう言って老人がジャミルの顔を見た。
 
「……ど、どうも……」
 
「おお……、ポカパマズ殿……、これは本当に……、お久しぶりで
ございます……」
 
「は……、はあ……?」
 
「♪わ~い、ポカパマズさーん♪」
 
ポポタと呼ばれた少年は喜んでジャミルの周りをぐるぐる回っている。
 
「弱ったなあ、人違いだと思うんだけどなあ……」
 
「どうするの、ジャミル……」
 
「どうするの言われても、まいったなあ~……」
 
「……ジャミル?あなたはポカパマズ殿ではないのですか?」
 
アイシャに問われ、ジャミルが困って頭を掻いていると
老人が漸く助け舟の質問を入れてくれた。
 
「えー、うそー!!」
 
「残念ながら……」
 
 
……
 
 
ジャミル達はポポタの家に案内される。
 
「いやー、孫が勘違いしてしまいましてお騒がしてすみませんでしたのう、
お茶でもどうぞ、寛いで行って下され……」
 
「おにいちゃん、ほんとうにポカパマズさんじゃないの?」
 
ポポタがジャミルの顔を再び覗き込む。
 
「……そういえば、ポカパマズさん、もっとおひげのぼーぼーはえた
おじちゃんだった、でもおかしいなあ?どこかにてるんだけどなあ???」
 
「その人、ガサツで野蛮じゃなかった?」
 
「……この野郎!馬鹿ダウド、何を言うか!」
 
「い、いたたたたたた!」
 
「よしなさいよ、人の家まで来て!」
 
「……このお兄ちゃんたち、いつもこうだから気にしないでね?ごめんね、
うるさくて」
 
「おめーだってそうだぞ!アル!!!」
 
「静かにしろよ、僕はジャミルとは違うから!」
 
「うるさいのはお前だ、インキンタムシ」
 
「……うるさいって言った方がうるさいの!騒音フンコロガシ」
 
「むかつくーっ!頭ヅラのくせに!」
 
「なにおーっ!」
 
「シスコン」
 
「悪玉菌コレステロール!」
 
「……うっわ~っ!モロむかつく~っ!!」
 
「ありゃ、久々に始まっちゃったねえ……」
 
「もう!ダウドが悪いんだからね!」
 
「……すいません……」
 
アイシャに注意され小さくなるダウド。
 
「あははは!おにいちゃんたちっておもしろ~い!」
 
しかし、騒動を見ていたポポタがきゃっきゃと手を叩いて喜んでいる。
 
「そうですじゃ!思い出しましたわい!」
 
急に爺さんが手をポンと打って椅子から立ち上がる。
 
「な、なんだい!?」
 
「ジャミルさんのご出身地はどちらで?」
 
「一応、アリアハン……(この話では) 、だけど……」
 
「ポカパマズ殿が故郷のアリアハンに残してきたまだ幼い息子さんが
心配だと言っておられましたわい……」
 
「なんか嫌な予感……」
 
「確か、名前を……、ジャミルと……」
 
 
「……ブウーーッ!!」
 
 
ジャミルは飲んでいたお茶を勢いよく口から吹出す。
 
「俺って親父いたのか……」
 
「まあ、この話だとそういう設定になってるんだよ、うん、あくまでも
コラボパロディだからね、この物語は……」
 
アルベルトがジャミルの肩に手を置いた。
 
「わけわかんねえ……」
 
「ポカパマズさんの息子さんだって!?」
 
「どれどれ!?」
 
「うわっ!?」
 
何処で話を聞いていたのか突然村人がポポタの家に傾れ込んで来た。
 
「あらっ、言われてみればまだ若いし、でもポカパマズさんにホント
よくにてるわあ~!!本当に可愛いわねー!ねえ、おせんべたべない?」
 
やたら厚化粧の太ったおばさんがジャミルにすりすり頬ずりをする。
 
「……う、うええ!?」
 
「まんじゅうくえ!ほれほれ!」
 
「何言ってんだ!若い子はそんなもん食わねーだろ!」
 
「団子もあるよー!」
 
「とうもろこしうめえどー!」
 
「……一躍有名人だね、ジャミル……」
 
「ほっといてくれ……」
 
アルベルトがジャミルを見る。力なくジャミルも半目でアルベルトを
見返す……。……夕方になっても集まった村人達は全く帰る気配を見せず。
 
「ジャミルちゃーん、おせんべもう一枚どお?」
 
「もういい……」
 
「あらー?おせんべ飽きちゃった?じゃあ、ケーキはどお?」
 
「ケーキぃ!?食うー!!」
 
「やれやれ……」