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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 ムオル~番外編

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「そう言う事ね、……よし!」
 
3人でジャミルに水を掛け攻撃しまくる。
 
「うわ!何すんだ、お前らやめろよ!卑怯だぞ!」
 
アルベルト達は面白がってジャミルに水を掛けるのを止めない。
 
「……チクショー!もう俺は怒ったぞーっ!てめーら皆覚悟しろーっ!!」
 
ジャミルは滅茶苦茶に足と手で水を飛ばしまくる。
 
「おっ、報復攻撃開始だ!みんな気を付けて!」
 
「……うるせーぞアルっ!!」
 
それから穏やかで緩やかな時間が過ぎ、泳ぐのに飽きてきた
アイシャ達はすでに浜辺で休んでいた。ただ一人を除いては……。
 
「そろそろ日も暮れて来たね……」
 
アルベルトが立ち上がり、辺りの景色を確認する。
 
「ジャミルー、もうそろそろいい加減で休んだ方がいいよー!」
 
アイシャが呼んでみるものの、ジャミルには全く聞こえていない様だった。
 
「……もーっ!」
 
「まあ、その内、嫌でも疲れれば戻ってくるから大丈夫だと思うよ」
 
「……オイラ眠くなっちゃったよ……、何もしてないのに……」
 
……他のメンバーが心配する中、元気バカのジャミルも数時間泳いだり
潜ったりしてはいたが流石に疲れが出てきた様だった。
 
「さて……、そろそろ戻るかな、泳ぎすぎたな……」
 
と、言って戻ろうとした時……。ジャミルの足にピリッと激痛が走る……。
 
 
「いっ……!?こ、これは……、お、お約束だあーーっ!
……あわわわわ!あっ、足つったあーーっ!がぼっ!?」
 
 
「ジャミル……、本当に何してんのかな……、ばかに遅いよね……、
いや、バカなんだけどさあ~……」
 
ダウドもそわそわと心配し始める。
 
「あ、アル……!大変っ!」
 
「アイシャ、どうかした?」
 
「ジャミルが……溺れてる……!!」
 
 
「……ええーーっ!?」
 
 
(あー、もう駄目だ……、体が沈んでく……、息も苦しくなってきたし……、
畜生、死ぬ前にステーキ100枚食いたかった……)
 
 
ジャミル……
 
 
(……誰か俺を呼んでる……、あの世からかなあ……?)
 
 
「……ジャミルっ!しっかりしてったらっ!!」
 
 
「う……」
 
「あっ、よかったあ……、やっと目ぇあけたよお!」
 
うっすらと目を開けると、目の前には自分を心配そうに見つめる
仲間達の姿が……。
 
「……ごほっ、げほげほっ!!」
 
「うん、水は吐いたみたいだからもう大丈夫だよ……」
 
「まったくもう……、何であんなとこで溺れてたのさ、まるでカッパの
川流れだよお」
 
「……急に足がつったんだよ……、お~痛う~……」
 
「バカ……?」
 
「だ~か~ら~!ダウドに言われたくねーって言ってんだろうが!」
 
「クラゲに刺されたり足がつったり、たく……、毎度毎度本当に
忙しい人だねえ……、君は……、玉には少し落ち着いたらどう!?」
 
「アルもうるさ……!?」
 
「……うっく……、ぐす……」
 
「ん?アイシャ、どうした?って、何、お前泣いてんの!?」
 
「……も~っ!何よバカっ!……人の気も知らないで……、すっごく
心配したんだからね!ぐす……」
 
「あーあ、ジャミルってば……、女の子泣かしちゃ駄目じゃん……」
 
ダウドがジャミルの耳元でこそっと囁く。
 
「全くだよ……、ふう」
 
どうしようもないなあと言う様に、アルベルトも頷く。
……アイシャは泣き止まず、まだしくしく泣いている。
 
「ダウド、僕達は先に船に戻ろう、もう見てるだけで疲れるよ、
ジャミルは……」
 
「うん、じゃねー、ジャミル頑張れー!ちゃんと責任とれよおー!アホ!」
 
「!?なっ、何をだよ……!って、……何がアホだっ!」
 
呆れたアルベルトとダウドはさっさと退場し、船へと戻る。
……浜場に残された二人、ジャミルとアイシャは……。
 
「ぐすっ……」
 
「弱ったなあ……」
 
「おい、アイシャ……」
 
「……」
 
「アイシャちゃーん、おーい、その……、怒ってる……?」
 
「ひ……、ひっく……、も、もう……、ジャミルなんか……、
知らないんだから……」
 
(うわ……、こりゃ相当やべえわ……、どうすんべ……)
 
「今度アイス奢ってやるから、な?機嫌直せって」
 
「……要らない」
 
「な、泣くなよアイシャ……、頼むから、俺さ、この通りピンピン
してんだからさ」
 
「だって……、心臓の音も聞こえなかったし、必死で呼んでも
返事してくれなかったしもしも……、アルが助けてくれたのが
遅かったらって思ったら……」
 
嗚咽を堪えて漸くアイシャが少し口を開いた。
 
「そうか、アルが……」
 
「ふぇっ……」
 
「うわ……!ったあ~っ!泣くのやめーいっ!!」
 
再びぐずり出すアイシャに慌てるジャミル。
 
「……」
 
「オホン……!その、ありがとな……、心配……、してくれて……」
 
「ジャミル……」
 
「おわっ!?」
 
アイシャがジャミルにそっと寄り掛って来た。
 
「怖かったの、もし、ジャミルが死んじゃったらどうしようって……」
 
(アイシャの奴……、こんなに俺の事心配してくれてたのか……、
いやー、まいったなあ……)
 
照れくさくて頭をボリボリ掻いて誤魔化す。
 
「ア、ア、ア……、アイシャ……、その……、ん?」
 
「くー、くー……」
 
心配し過ぎで疲れたのか、アイシャはジャミルに寄り掛ったまま
眠ってしまっていた。
 
「な、なんだ……、眠っちまったのか、は、ははは……」
 
「……」
 
「まあ、たまには悪くないな……、こういうのも……」

そして、深夜。
 
 
「……うーん、うーん……」
 
船室でジャミルは困った様にベッドの上をごろごろ転がる。
あれから何だか異様に気持ちが高ぶり寝られなくなって
しまったんである。……アイシャのあの潤んだ瞳の泣き顔を見てから……。
 
「ジャミルうるさいよ、早く寝てよ……、何時だと思ってんのさあ~……」
 
「ダウド、あのさ……、俺……、変なんだよ……」
 
「……いつもの事じゃん」
 
「……ダーウードーおおお……!」
 
「いたた!だってそうじゃないかあ!!」
 
「……」
 
ジャミルはアルベルトが眠ったのを確認するとこっそりダウドと話をする。
 
「なんか変なんだよな……、アイシャの顔見るとどうも意識しちまうんだよ……」
 
「……え~っ!?い、いつから……」
 
「バ、バカ!声が大きいよ……!」
 
「ご、ごめん……」
 
「えーっと、今日の夕方さ、アイシャが俺の事、心配して
泣いてくれてたのが判って……、それ見てからさあ、
何かアイシャって可愛いじゃん……、とか思うようになって……、
あれ?アイシャってこんなに可愛かったっけ?とか、思って、
いや、可愛いのは分かってるし、前からなんだけど……、
な、何言ってんだろうな、俺……、あれ?あれ?あれれ~?
マジで俺、どうかしてる?おかしいなあ~!」
 
「……えーと、ストレートに言うと、エロい気持ちになった……、
とかです?」
 
「わーっ!」
 
ダウドに言われ、ジャミルは慌てて速攻でパッと股間を抑える。