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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 エジンベア編

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「へえ……、買占めって本当に何処でもやるんだな……」
 
それから船で何日か航海し、漸くエジンベアへ。
此処でも4人をとんでもない事態が待ち構えていた……。

エジンベア城
 
 
「久々のお城だね、少し一息つけるかな……」
 
「だねえー、大きいお城だよお……」
 
「……」
 
「ジャミルどしたの?」
 
複雑そうな表情をしているジャミルにアイシャが聞いた。
 
「この先……、もっと疲れる事が待ってる様な気がする……」
 
……呟いた通り、ジャミルの予感は的中してしまうのである。
 
「ここは由緒正しきエジンベアのお城だ!貴様らの様な
田舎者が来る場所ではないぞ!帰れ!帰れ!」
 
「帰れ!」
 
と、門の前で仁王立ちした二人の門番が通せんぼ。大声を張り上げる。
 
「え~っ!ひどーい!」
 
「通してよお~!!」
 
アイシャとダウドが揃ってブーブー文句を言う。
 
「あのさ、俺達、アリアハンから来たんだよ、魔王バラモスを倒しに……、
何か話聞いてねえ?」
 
「ではお前が勇者だとでも言うのか?」
 
「そうだよ……」
 
「フハハハッ!笑わせるな!お前らみたいな田舎者が
勇者様ご一行である筈がなかろうが!」
 
「嘘をつくな!この田舎者めが!」
 
元々気が短いジャミルは今にも門番に食って掛かりそうだった。
 
「……俺だってなあ!好きでこんな事……むぐぐぐっ!!」
 
「大変失礼致しました!それでは!」
 
今まで黙っていたアルベルトはとっさの判断でジャミルの口を押え、
アイシャとダウドに目配せして合図し4人は一旦城から退き。船へと戻る。
 
「……田舎者めが!帰れ!!」
 
 
「アル、お前むかつかねえのかよ!」
 
「そうだよ、許せないよ!」
 
「ひどいよお!」
 
流石に今回はアイシャ達も御立腹。頭にきている様子だった。
 
「僕……、考えてたんだけど……」
 
アルベルトがジャミルの顔をちらっと見る。
 
「なんだよ」
 
「ランシールに姿を消せる消え去り草って言う物を
売っているってスーの村の人が言ってたよね」
 
「あ、ああ、そんな様な事言ってたっけな……」
 
「正面から入れないのなら、姿を消して入ればいいんじゃない……?」
 
「?あ、ああ!そういう事か!その消え去り草っつー草を使って
勝手に中に入っちまえばいいのか!なーる!」
 
「それに……」
 
「?」
 
「流石の僕でも頭にきたしね……、少しあの門番達にお灸をすえて
やらなきゃ……」
 
「お、おい、アル……?」
 
「うふふ……」
 
「……」
 
「うふふ、うふふ、うふ、うふふ……♡」
 
「こ、こわ……」
 
暫くはアルベルトを刺激しない様、アイシャとダウドに注意する
ジャミルだった……。4人はランシールへと訪れ、折角なので、近場で
LVも上げも兼ね、ランシール付近に船を止め、暫く滞在する事にした。
……疲れる毎日だったがモンスターとの戦闘で金も溜まってきたので、
ランシールの宿屋に今日は泊まる事になった。
 
「まっふぁくもふぉ!ほーだんふぁねーっふの!」
 
相変わらずガツガツ意地汚く食事するジャミル。
 
「……だから……、口に物入れたまま話すなよ……」
 
「なーにが田舎モンだよ!てめーらの面が田舎モンなんじゃねーか!」
 
「さすがに今回は私も怒ってるわ!」
 
「オイラも~っ!」
 
「……まあ……、長い人生色々あるよ……」
 
そう呟いてアルベルトがポテトを口に入れる。
 
「今日は食って食って食いまくってやる!おかわりーっ!」
 
(いつもと変わんないよ……)
 
「私もサラダ食べるーっ!」
 
「オイラもマッシュポテトおかわりーっ!じゃんじゃん食べるよおーーっ!」
 
「……ハア……」
 
 
次の日、一行はランシールを離れ、再びエジンベアへとアルベルトの
ルーラで一気に移動する。
 
「いくぞ……」
 
「ラジャー(了解……)」
 
憎らしき城を再び目の前にし、ジャミルの言葉に他の3人が静かに頷く。
 
「これを食えばいいんだな……」
 
本当は身体に振り掛けて使うのだが……、使い方を良く知らない為、
この4人は何と、直接消え去り草を口に入れて食ってしまった。
 
「キャ、キャー!苦いわあーーっ!」
 
「……アイシャ、我慢して……」
 
「お、おええ~……」
 
取りあえず、4人の姿は消え、その場からは何も見えなくなる。
しかし、こういう処は本当に田舎者……、かも知れなかった。
そして、姿の消えた4人は再度城門前までやってくる。
 
「全く、最近はどうしようもない田舎者が増えて困るな!」
 
「ああ、この間、城に来た糞ガキの集団、いかにもな鼻を垂らした
知能の無さそうな馬鹿面をして勇者一行などとふざけた事を抜かしおって!」
 
(……こんにゃろ!)
 
ジャミルが門番の一人の踵を思い切り蹴った。
 
「いっ!」
 
「どうした……?」
 
「何か踵に痛みが……」
 
「気の所為だろうよ」
 
(ところがこれが気の所為じゃないんだなーっ!)
 
(オイラもやるーっ!)
 
ダウドがもう一人の門番の頭を思い切り殴った。
 
「いたっ!」
 
「お、おい……、お前もか、大丈夫か……?」
 
「どうなってるんだ……?」
 
(ふふ、ダウドやるじゃない!)
 
(えへへ~、ジャミルを殴ったつもりで殴ったんだよ!)
 
(この野郎!)
 
(……シ~ッ!)
 
(よーし!今度は私よ!)
 
どこに隠していたのかアイシャは可愛い花を次々と生け花の如く
門番の兜の隙間に刺して植え始めた。
 
(うん、かわいいっ!芸術ね!)
 
「お前……、あ、頭にいきなり花が咲いたぞ……!」
 
「お前の頭もだよ……」
 
(……う、うは……、くるしい~っ!ば、馬鹿光景……)
 
(駄目だよ、笑っ……、く、くくく……)
 
(ぎゃはははは!!もう死にそ~!)
 
(よーし、最後は僕だ!)
 
アルベルトがポケットからマジックを取り出す。
そして門番の顔に落書きを始めバカと書いた。
宙に浮いて動く謎のマジック……、しかし門番達は気づかない。
 
(……お前ってさあ……、結構やる事が古典的なのな……)
 
(いいんだよ、ほら、皆もやってやって!)
 
アルベルトが地面にマジックをばら撒いて落とした。
 
(わーい、オイラも絵描こうっと!)
 
(私もー!)
 
(……折角だから俺も記念に何か書いておくか……)
 
「お前……、今度は顔にバカって書いてあるぞ……」
 
「お前こそ顔にアホって……、なんなんだ……」
 
やりたい放題散々芸術アートにされた門番……。
それでも門番は全く気づかなかった……。
 
(おい皆、そろそろいじめんのも飽きたし中に入ろうや)
 
最後にもう一度門番を一発殴ってジャミル達は城内へと入って行く。
 
(ヘン、ざまーみろ、あーすっきりしたっ!)

ようやく城内へ入れた処でタイミング良く消え去り草の
効果が消えた。
 
「……こうやって一旦中に入っちまえばわかんねーよ、後は
どうにでもならあ、早く壺見つけてとっととこんな所早く出ようや」