二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 地球のへそ編

INDEX|3ページ/5ページ|

次のページ前のページ
 

ジャミルが子供に声を掛けた。
 
「ピキーッ!ボク、わるいスライムじゃないよー!」
 
「オウ、喋った……」
 
「そうだよ、こいつ喋るんだよ!スライムのくせに!」
 
「だからいじめてんのか?」
 
「そうだよ!むかつくんだよ!生意気だろ!?」
 
「何かこいつが悪い事でもしたのか?」
 
「べ、別にしてないけど……、とにかくむかつくんだよ!」
 
「……だったらやめろよ、こいつも悪いスライムじゃないって
自分で言ってんだろ?」
 
ジャミルが子供からさっと棒を取り上げた。
 
「あっ、なにするのさ!」
 
「もし自分が同じ事されたらどんな気分だよ」
 
「それは……」
 
「よく考えてみろ」
 
「う……、も、もういいよ!そんなモンいらねーやい!
バーカバーカ!」
 
子供は怒って何処かへ走って行ってしまった。……4人に
悪態をしっかり付いて。
 
「やーん!ジャミルってば!かっこいーい!」
 
「ほんとほんと!」
 
アイシャとダウドが纏わりついてくる。
 
「……へえ、今日は見直したよ、ジャミル……」
 
アルベルトも感心する。
 
「フ、フン……、モンスターっつってもわりィ事しなきゃ
別に争う必要もねえんだし」
 
「どうもありがとう!たすけてくれて!」
 
スライムが嬉しそうにぴょんぴょん跳ねる。
 
「お前、こんな処で何してんだ?仲間とはぐれたのか?」
 
「ボクのおとうさんとおかあさん……、いまはバラモスに
あやつられてにんげんをおそったりわるいことしてるんだ……、
ねえ、そんなのかなしいよ……」
 
どうやら、このチビ介スライムはバラモスに洗脳されていない、
心が純粋なスライムらしい。
 
「そうなのか……」
 
ジャミルはしゃがんでチビ介スライムを見る。
 
「ううん、ボクのおとうさんとおかあさんだけじゃない、
モンスターみんながにんげんをおそうようにあやつられて
いるんだよ……」
 
「……」
 
「ボクはねー、ずうっとゆうしゃさまをさがして
いたんだよー!」
 
「へ?」
 
「だってゆうしゃさまならきっとバラモスたおして
くれるでしょ?そうしたらきっとみんなもとにもどるよー!!」
 
「そうか……」
 
「でも、どうすんの?ジャミル、こいつこのまま此処に
置いておくわけにいかないでしょ」
 
ダウドがスライムを突っついた。……スライムはぷにぷにと
柔らかい。
 
「連れて行けないかな……?」
 
「なっ……、アル!?」
 
「此処にいるよりも僕達と一緒の方が安全だろ?」
 
「う……、うーん……」
 
「いいじゃない、ジャミル!」
 
「ねー!ジャミルう!」
 
……特に可愛い動物やらが大好きなアイシャ。
チビスライムを一緒に連れて行きたくて目を
輝かせている……。
 
「……ったく……、しょうがねえな……、来るか?
お前も、一緒に……」
 
「ピキー!いくうー!ボク、スラリンていうのー!
よろしくう!!」
 
こうしてジャミル達のメンバーに新たな(仲間?)が、
加わったのである。

「なあ、スラリン、この町の事何か知ってるか?」
 
「ボクはさいきん、バラモスにあやつられていなくなった
おとうさんとおかあさんをさがしてここにきたんだよ、
だからよくわかんない、でも、ボクはおとうさんと
おかあさんをさがしだして、わるいことはしないでって、
ぜったいとめたいんだ!」
 
「そうか……、お前も大変なんだな……」
 
「スラリンはお父さんとお母さんを探して旅をしていたのね、
大丈夫よ、私達も一緒に探してあげるからね!」
 
「ピキー!」
 
スラリンをアイシャが抱っこするとスラリンも嬉しそうに
アイシャに甘える。
 
「はあ、この前の時はあんまり町の中も良く見て
回らなかったからね」
 
と、言いながらアルベルトは以前に此処に消え去り草を
求めて来た時の状況、エジンベアの兵士にボロ糞に田舎者
扱いで叩かれた事を思い出した。
 
「あ、でもまちのきたに、すごくおおきなしんでんがあったよー、
かぎがかかってはいれないみたい」
 
「行ってみる?ジャミル」
 
「ああ……」
 
アルベルトの言葉に静かにジャミルが返事を返した。
4人と1匹は神殿へ。神殿前には最後の鍵を使って
開く扉が。早速、ゲットしたばかりの鍵で扉を開き、
中へと入る。
 
「ねー、この鍵使わないと出入り出来ないんだよね……、
だったら、この中にいる人達っていつもどうしてるのかな?」
 
「……」
 
「RPGって細かい事気にしてるとキリがないよ、
ダウド……」
 
つまらん事に突っ込んでくるダウドに逆にアルベルト
が突っ込む。……とりあえず奥に進むと神官がいて
ジャミル達を待っていた様に出迎える。
 
「……希望の光を放つ者よ……」
 
「へ?俺?」
 
神官がジャミルにゆっくりと近づいて来る……。
 
「此処は己の勇気を試す所……、あなたにはその覚悟が
おありですか?」
 
「あ、ああ……」
 
「ならばこの先の外にある洞窟に向かいなさい、但し、
仲間の力を借りずにあなた一人でですよ……」
 
「!」
 
「な、な……!」
 
「……あなた命を落とすかもしれませんよ、それでも
いいのですね……」
 
神官はじっとジャミルから視線を反らさず、ジャミルを
じっと見つめている。
 
「……」
 
「危ないよ!ジャミル、やめて!」
 
絶対にジャミルは行ってしまう、無茶をする、
そう考え、アイシャが泣きそうになり、必死で
止めようとするのだが……。
 
「そうだよお!……だ、駄目だよお!めっ!」
 
ダウドも必死でジャミルを止めようとする。……心配で
どうしても行って欲しくなかった。
 
「……ジャミル……」
 
……アルベルトも神妙そうな顔つきでジャミルを見つめた。
 
「……俺、行ってくる」
 
「やっぱりっ!駄目よっ、ジャミル!!」
 
「なあ、アイシャ、俺ってさあ、危険だって言われると
余計やりたくなるんだよねー!」
 
「ジャミル……、それは分かってるのよ、ジャミルの
性格だもん……」
 
仲間達は皆、不安そうな表情で声を絞り出した……。
やはりこの男はどうしても止められない勢いであった……。
 
「おい、お前ら、そんな顔すんなって、俺は大丈夫だから!」
 
「そう……、君がそんなに言うのなら僕は止めないよ」
 
「アル、ありがとな!」
 
「但し絶対無理しちゃだめだよ!危ないと思ったら
すぐに戻ってくるんだよ!」
 
「ジャミル……、気を付けてよ……」
 
涙目になってダウドが再びジャミルを見つめた。
 
「すぐ戻ってくるから……、心配すんな」
 
「うん……」
 
アイシャはスラリンを抱いたまま俯いている。
 
「……アイシャ……」
 
「……」
 
「大丈夫だから……、絶対すぐ帰ってくるから……」
 
「ジャミルはすーぐ無茶するんだもん!信用出来ない!!」
 
アイシャが膨れっ面になり、ぷいと横を向いてしまう。
……やはり心配の種の常習犯だけの事はあった。
 
「あら~……、俺ってやっぱ信用ねえのなあ~……」
 
「ねえ、ジャミル……」
 
「ん?……」