二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 短編番外編

INDEX|2ページ/3ページ|

次のページ前のページ
 

「全くもー……、何やってんだよお……、人の気も知らないで……」
 
疲れたのかダウドも座り込んでしまう。
 
「ねえ、アル……、どうしよう……、もし……、このままジャミルが
元に戻らなかったら……」
 
「大丈夫だよ、アイシャ……、ジャミルはきっと元に戻るって
信じよう、ねっ……?」
 
今にも泣きそうなアイシャの頭をアルベルトがそっと優しく撫でた。
 
「……アル……、うん……」
 
「でもこれが……、最後の一冊だよ……」
 
神妙そうな顔つきでダウドが本を差し出す。
 
「私が行く……」
 
覚悟した様に静かにアイシャが立ち上がった。
 
「……アイシャ……」
 
「……大丈夫、大丈夫……、きっと大丈夫……」
 
アイシャは深呼吸しながら胡坐をかいて蹲っているジャミルの傍まで
近寄って行った。
 
「ジャミル……」
 
「んだあ!?うぜーなあ!俺は独りがいいんだっ!はよ向こう行けや!
シッシッ!!邪魔!」
 
「……こんなに皆心配してるのに……、もうっ!何でもいいから
読みなさいっ!!」
 
「な、なんだよ!……んっ!?」
 
 
(……神様……!!)
 
 
「……あ、あれ……?」
 
「……ジャミル……」
 
きょとんとした顔つきでジャミルがアイシャを見た……。
 
「……何してんだよアイシャ……、泣きそうなツラして……、
なんかあった……?」
 
「もうーっ!ジャミルのバカーっ!!」
 
「イテテテテ!!だから何なんだよ!いちちちちち!こらよせってば!!
アタタタタ!!」
 
「バカっ!バカっ!ジャミルのバカっ!!……もう知らないっ!!
バカバカバカっ!!」
 
「やっと戻ったみたいだね……、はあ……」
 
「全く人騒がせなんだから……、まあ、いつもの事だけどね……」
 
苦笑しながらもジャミルとアイシャのやり取りを見ながら
安心するアルベルトだった。
 
「よかった、よかった……、うん……」
 
受付のおっさんもハンカチで顔を拭く。
 
「……なあ、俺、何かやった?全然覚えねんだけど……」
 
アイシャはブリブリ頬を膨らませたままである。
 
「のんきだねえ……」
 
「あのねえ……」
 
アルベルトは仕方なく今までの騒動をジャミルに話した。
 
「ふ、ふーん……、性格が……、ねえ……」
 
ジャミルは困って誤魔化す様に隣でまだ膨れているアイシャを
横目で見た。
 
「アイシャ……、その……、えーと、ごめん……、な……」
 
「……許してあげるから……、本当にもう……、あんまり心配
させないでよ……、バカ……」
 
小声でアイシャが小さく呟いた。心配掛けないのは絶対に無理であろう。
 
「……本当悪かったよ……、アルとダウドもごめん……」
 
悪いと思ったのか、珍しく素直に謝るジャミルにメンバーはこれ以上
何も言わず、今回はこれで許してあげる事にした。……が。
 
「さて、遅くなっちゃったけどそろそろ行こうか……」
 
「……よし、その前にすごろくもう一回!」
 
 
「はい、みんな、それじゃいくよー?スリッパ持ってー」
 
 
「……せーのっ!」
 
 
……パンッ!!!!
 
 
 
END


その2

「なあ、アル」
 
「何?」
 
「……この船ってさ、誰が操縦してんの?」
 
「今頃気が付いたの……、馬鹿だねえ、ジャミルは……」
 
「うるせーよ!」
 
「勝手に動いてるんだよ……」
 
「何だ、そーなのか!変だな!あははははは!」
 
「……」
 
「ねえ、ダウド」
 
「ん?スラリン、なに?」
 
「ボク、にんげんのせかいのことおべんきょうちゅうなの」
 
「へー、えらいねえ」
 
「おしえてー、ばかってなあに?」
 
「……」
 
どう教えていいのか分らず、動きが止まるダウド。
 
「カバの反対だよ……」
 
「そーなんだあ、おしえてくれてどうもありがとうー!」
 
スラリンはぴょんぴょん跳ね飛んで行った。
 
「……無邪気なのはいいんだけど……」
 
その日の夜 休憩室で第一ラウンド。
 
「……もうーっ!ジャミルのバカーっ!知らないったら!
もう知らないっ!」
 
「んだよ、おめーが悪いんだろーが!」
 
「……たく、また始まった……」
 
「アル、なんとかしてよお……、今日は多分ガーラルスピアが
飛んでくるよ……」
 
「ねえ、アルベルトー、ダウドー」
 
「ああ、スラリン……、危ないから来ちゃ……」
 
「ジャミルとおねえちゃんなにしてるのー?ぷろれす?ボク、
ぷろれすならしってるよー」
 
「うん、いつもの事だから……、すぐ収まるから……、
向こう行ってなよ」
 
「はーい」
 
ダウドが注意するとスラリンはぴょんぴょん飛び跳ねて
何処かへ行った。
 
「……」
 
更にその日 休憩室で第二ラウンド。
 
「……ジャーミールー!」
 
「んだよ、アル!」
 
「又、僕の本に落書きしたなーっ!」
 
「暇だったんだよ!」
 
「自分の顔にでも落書きしてろ!アホッ!」
 
「うるせー!シスコン!」
 
「ねえねえ、ダウドー」
 
「ス、スラリン……、なんだい……」
 
「シソコンてなーに?」
 
「……しそと昆布のおにぎりだよ……」
 
「そうなんだあ!ありがとう!」
 
「……」
 
スラリンは飛び跳ねて又何処かへ行った。
 
 
次の日
 
 
「ねえねえ、アルベルトー」
 
「何だい、スラリン」
 
「アルベルトってシソコンなのー?おむすび?おむすび?」
 
「誰かな……?又碌でもない事教えたのは……」
 
「ちょ、待てよ!何で俺の方見てんだよ!」
 
ジャミル、問答無用で犯人にされる。
 
「君しかいないでしょ……」
 
「……スラリン、ちょっとこっちおいで!」
 
スラリンを引っ張る犯人のダウド。
 
「はーい!」
 
「あら、ダウド、お早う……、て、何してるの?」
 
「あうう~……、アイシャあ……、又始まっちゃって、
困ってるんだよお~……」
 
「またジャミルとアルね!もう!しょうがないんだから!」
 
「……」
 
「な、なに?人の顔見て……」
 
「いや、何でもないよお……」
 
「こらーっ!やめなさーい!二人ともー!!」
 
「全くもお……、毎日毎日、皆で入れ替わり立ち代わりケンカばっかり……、
よくやるよね……」
 
「ピキー?」
 
「でも喧嘩する程仲が良い……、みんな仲良しなんだよ、本当に」
 
「ピキー!なかよし!なかよし!」
 
「あはは……」
 
笑うダウド。……本当に全く持って忙しい連中なんである。
 
 
そして、第三ラウンド……。甲板にて。
 
「ぎゃーっ!アルー!ジャミルが殴ったーっ!うわーーん!」
 
今度はジャミルvsダウドである。
 
「はいはい、どうしたの……」
 
「おならがうっかり出ちゃったら偶々後ろにジャミルが
いたんだよおーっ!なんだよお!自分なんかしょっちゅう
じゃないかーっ!びええーーっ!」
 
「……判ったから、もう泣くのよそうね……」
 
「うえ……」
 
「ハア……、でも玉にはダウドだってジャミルに怒るときは
怒っていいんだよ?」
 
「……そうかな……」