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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 悪徳商人の町編

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ジャミルが部屋のドアを開けた途端、スラリンが
勢いよく飛び出してきた……。
 
「何だ……?どうしたんだ?そう言えばアイシャは
どうした……?」
 
「たいへんっ!おねえちゃんがこわいへいたいさんの
ところへいっちゃったよーっ!」
 
「何……!?」
 
「え……、ど、どうして……」
 
「ちいさいおとこのことおかあさんがへいたいさんに
いじめられてたの、それをみたおねえちゃんが……、
おこっちゃって……」
 
「……あんの馬鹿!!」
 
「急ごう!ジャミル!」
 
「もうー!本当に休む暇ないよおー!」
 
「ああ!」
 
スラリンから事情を聴き、男衆3人もアイシャを追って
ホテルの外へと飛び出すのであった。
 
 
……
 
 
「申し訳ございません!私が代りにどんな罰でも受ける覚悟で
ございます!せめて息子だけでもお許しを……」
 
「おかあさーん……、こわいよー……」
 
「……気に食わんな……」
 
そう言って兵の一人が親子に向かって鞭を振り上げた
その時……。
 
「ひいいいっ!」
 
「やめなさい!!」
 
「ん、何だ……?」
 
現場に駆け付けたアイシャが両手を広げ親子の前に
立ち塞がる……。
 
「これ以上……、この人達をいじめたら許さないんだから……!!」
 
「なんだい、お嬢ちゃん、正義のヒロインごっこのつもりかい?」
 
「ここは遊ぶ所じゃないぞ、帰れ!」
 
「……私は本気で怒ってるのーっ!!」
 
「おい、俺達を怒らせるとなあ、只じゃすまねえぞ、
嬢ちゃん……」
 
しかしアイシャは一歩も引かず、警備兵に立ち向かって行く。
 
「どうして許してあげないの!?謝ってるじゃないの!」
 
「嬢ちゃんは命知らずなんだなあ」
 
「何なら嬢ちゃんが鞭で叩かれるか?ファーッファッ
ファッファッ!」
 
警備兵達は揃ってアイシャを馬鹿にする。
 
「……叩けばいいでしょ!」
 
「うん?」
 
「代わりに私が叩かれればいいんでしょ!だったら……、
好きなだけ叩きなさいよ!何でも受けるわよ!怖くなんか
ないんだから!」
 
「……このガキ……!」
 
「待て……」
 
二人の警備兵のうち、片方がアイシャの顔をじろじろ見る。
 
「嬢ちゃん、よく見りゃ可愛い顔してんじゃねえか……」
 
「そうだな、こんな可愛い子傷つけるんじゃ勿体ねえな、へへ……」
 
「あ……」
 
アイシャは男達が何を考えているのかすぐ判った。
 
「おい、お前達もう向こう行っていいぞ」
 
「坊や、いらっしゃい!」
 
「でも……、お姉ちゃんが……」
 
「いいから!」
 
親子は警備兵がアイシャに目を付けた隙に自分達を
救ってくれたアイシャを見捨てさっさと逃げてしまう……。
 
「さて、邪魔者もいなくなった事だし……、お嬢ちゃん、
おじさん達と遊ぼうね、怖くないんだろ?お嬢ちゃん」
 
 
……その頃、ジャミル達はアイシャを探して
街中を走り回っていた……。
 
「ったく、どこ行ったんだよ、くそっ!」
 
「……大変な事になってなければいいんだけど……」
 
「疲れたよお~!!」
 
と、前方から息を切らした親子連れが走って来るのが見えた。
 
「あのさ、ちょっと聞いていいかい……?」
 
ジャミルが親子に声を掛けた。
 
「何でしょうか、今はとても忙しいのですが……」
 
「お忙しい処、お引止めしてしまいまして
大変申し訳ありません……」
 
アルベルトが挨拶するが母親の方はどうでもいいと
言った様な感じである。
 
「ちょっとだけ聞きたいんだよ、この辺でおかっぱで
団子頭の赤毛の女の子見なかったかい?」
 
ジャミルがそう聞いた途端、母親の方が露骨に嫌な顔をした……。
 
「……知りません……」
 
そう言って立ち去ろうとした時……。
 
「お母さんどうして?さっき助けてくれたお姉ちゃんの事
聞いてるんじゃないの?」
 
「あーっ!何か知ってるんだあーっ!隠すなんてひどーいっ!」
 
ダウドがギャーギャー喚き散らす。
 
「何か知ってんのか!?頼むよ、どんな小さな事でも
いいんだ、知っていたら教えてくれ!」
 
「あのね……」
 
「坊や、やめなさい、兵隊さんに逆らえば又どんな酷い目に
遭うか分らないのよ」
 
「そうか……、要するにアイシャはあんた達を助けた、
けどこの街では権力者に逆らえない、だからあんた達を
助けたアイシャは反逆者になる訳だ……」
 
「そうよ、あなた達の味方をした事が知れたら
また酷い目に遇うのよ…」
 
ジャミルから目を反らす様にして母親が喋る。
 
「お母さん……」
 
「こんな街……、来るんじゃなかったわ……、夢も
希望も無い街よ……、私の夫も珍様に口答えした罪で
牢屋に入れられたわ……」
 
母親はアイシャが付けた街の名称をまるで
否定するかの様に呟いた。
 
「……」
 
「助けてくれて有難うなんて思ってないわ……」
 
「お兄ちゃん、あのね……」
 
「坊や!!」
 
「お姉ちゃん、兵隊さんに捕まっちゃったんだよ……、
僕たちの代わりに……」
 
「ジャミル!」
 
「アル、判ってる!ありがとな、それだけ
教えてもらえりゃ十分さ!」
 
「早く助けに行ってあげて……、それから、お姉ちゃんに
伝えて……、助けてくれてありがとうって……」
 
「……坊や!何してるの!早く来なさい!」
 
母親が子供を無理矢理引っ張って行った。
 
「ジャミル!いそご!」
 
「早くしないとアイシャがどんな酷い目に遭わされるか!
……行こう!」
 
「ああ!」
 
ダウドとアルベルトの言葉にジャミルが頷く。
……しかし、今回も暴走娘はエライ事になりそうであった……。

「そんなに逃げるなよーっ!」
 
「きゃーっ!?」
 
二人の警備兵が逃げ回るアイシャを追掛け回し、
捕まえると無理矢理身体を押し倒し、強く地面に
叩き付けた。
 
「痛っ!やめてよっ!何するの!!」
 
アイシャは仰向けに転がされたまま、後ろに回った兵に
両腕を掴まれてしまう。そして、もう一人の兵がアイシャに
馬乗りになると身体を強く抑え付けた。
 
「仕事の合間にさあ……、娯楽が欲しいんだよ……、
俺達だってストレスはあるんだぜえー?」
 
「胸はちっこいけどいい身体してんなあー!おい、
ある程度やったら俺にも遊ばせろよ?独り占めすんなよ?」
 
「分かってるよ、へへ」
 
……そして、馬乗りの兵がアイシャの服を脱がしに掛かる。
 
「……いやあああーーっ!!やめてえーーっ!!」
 
「……何処から頂こうかね、……へっへっへっ……」
 
 
助けて……ジャミル……怖いよ……ジャミル……
 
 
「てめえら何しとるんならあーーっ!!」
 
「……うおっ!?」
 
ごつんと鈍い音がしてアイシャに襲い掛かろうとしていた
警備兵の頭にコブが出来た……。
 
「何だてめえはっ!」
 
「ジャミル……、アル……、ダウド!!」
 
「見てわかんねえのか、その子の彼氏とその他2名!」
 
「……その他2名とはなんですか?……ジャミル君……」
 
「そうですよ、酷いですよお……、ジャミル君……」