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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 海賊集団現る!&ルザミ編

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           バキッ
 
           
甲板の床が抜けてアルベルトが下の階に墜落した。
 
「……そこ最近腐ってきたから気を付けてって
言おうとしたのに……」
 
……普段から、殿下の船だから、船だから!丁寧に扱えと、
他のメンバーにうるさく注意していたアルベルト。
自分が一番最初に船を破損した第1号人になる……。
 
……それから約二日ほどで船はルザミに到着。
甲板の意味不明のドラムセットは放置されたままである。
 
 
ルザミ
 
 
「ここはルザミ、忘れられた島です……」
 
のっそりと、町の入り口にいたお姉さんが静かに
4人に挨拶し、出迎えてくれた。戸惑いつつも、
4人もお姉さんに挨拶を返すと町の中へ。
 
「島も小さいけど村も小さいね……、家なんか
殆ど見当たらないし……」
 
「こんなとこなんの用があんの……?
つまんないよ……」
 
「なんだ?暴走してドラム叩いてたダウド君、
つまんないなら幽霊船行くか?」
 
「じょ、情報収集だよ!、ねっ!」
 
また話がややこしくなるのでアルベルトが中に
割って入った。
 
「お主……」
 
「ひえっ!?」
 
いきなり変なおっさんが現われジャミルの前に立った。
 
「わしは預言者だ、お前達が来るのをずっと待っていた……」
 
「へえ、そりゃどうも……、わざわざご苦労さんです」
 
「魔王バラモスはネクロゴンドの山奥にいる、
火山の火口にガイアの剣を投げ入れよ、
さすれば道が開く筈だ……」
 
「……で、そのガイアの剣つーのは?どこ?」
 
「すまん、そこまで知らん」
 
「あ、そ……」
 
本当に其処までしか知らないらしく、預言者は
そそくさと逃げた。
 
「おねえちゃん、ぼくおなかすいた」
 
「うん、もう少し我慢しようね、スラリン」
 
「ガイアの剣はサイモンと言う方が持って
いるそうですよ」
 
「あなたは……?」
 
アルベルトが訪ねる。
 
「私は通りすがりの者ですが、風の噂で聞いた事があります」
 
「サイモンさんを探せばいいのね」
 
「……セサミストリートにいなかったっけ……?」
 
「……」
 
「どうして君はすぐそうやって……、話を関係ない方に
持っていくのかな……?」
 
「……あー腹減ったー!飯飯、メッシー!!
飯の匂いがするー!」
 
食べ物を探してジャミルが何処かへ突進していった。
 
「まるで餓えた野獣だよお……」
 
4人が狭い村の中を散策していると民家から厳つい顔の
おばさんがにゅっと顔を出した。
 
「おや、珍しいね……、こんなとこに見知らない人達が
来るとは……」
 
「あ、どうも……」
 
「折角だから寄ってきな!ひっひっ!ご飯ぐらい出すよ、
あ、勿論お金は要らないよ、ひっひっ!」
 
そう言ってくれているので、4人は行為に甘えて
おばさんの家で食事を頂く事に。しかし、タダより
高い物はない。別にお金を取られるわけではなかったが、
この言葉が4人の心に後後沁みるのである。
 
「はい、スラリン、あーんして……」
 
「あ~んっ」
 
「ジャミル、実は羨ましいんでしょ…?」
 
「ダウド、このフォーク鼻の穴ん中に入れてやろうか……?」
 
「うそでーす!すいませえええーん!キャーッ!!」
 
「プッ……」
 
「もう~……」
 
「あんたら随分賑やかだけど、こんな場所に何しに
来たんだい?まさか旅行?」
 
「いや、色々情報を集めてんだよ……」
 
「???」
 
 
……
 
 
「へえ……、あんた達がねえ、勇者さん達なのかい」
 
おばさんはジャミル達の旅の話にすっかり夢中になっていた。
 
「あ、そうだ」
 
おばさんはいそいそと台所に行き、4人にコーヒーを振舞う。
 
「サービスだよ、ほれホットコーヒー飲みな」
 
「あんがとな、おばさん」
 
「いい匂いがするー♡いただきまーす!」
 
アイシャがコーヒーを口に入れる。他の3人も
コーヒーを口に入れた。
 
「……」
 
「……」
 
「ぐげっ……」
 
「う、うわ……、に、にが……、お、おええ……」
 
「ダウド!折角入れて貰ったのに……、失礼じゃないか!」
 
「……だってー……、う……、苦くて……」
 
「じゃあ……、アル、お前飲めや、俺の分も……、
遠慮しなくていいぞ」
 
「え……」
 
「私のもあげるねー」
 
「……え……」
 
「オ、オイラのもー、どうぞ」
 
「……ええ……」
 
ジャミル、アイシャ、ダウドの3人が一斉にカップを
アルベルトに向け差し出す。
 
「あーっはっはっは!やっぱり兄ちゃん達には
まだきついかねえ!いいんだよ、無理しなくて!」
 
「……ごれ……ブラッグ……?」
 
「そう、とびきりきついやつ」
 
「胃がー!胃に来るー!おおおおおおお!」
 
「……おばちゃんひどいわあーっ!」
 
ムキになって涙目になり、アイシャが必死で訴える。
 
「はは、悪かった悪かった、口直しに甘いクッキー
食べないかい」
 
「あ、甘いモン……、甘いモン……」
 
ジャミルがクッキーを齧るが、何と今度は……。
 
「……うっ!あ、あまっ!」
 
「そりゃそうさ、種ン中に砂糖一袋ブチ込んだ、
超スーパー・スイートクッキーだよ!」
 
「うええええええー!口ン中があまーーーーー!
喉が焼けるーーーー!」
 
「あーっはっはっは!若い子をからかうと楽しいねえ!
うーん!」
 
「……ジャミル……、平気……?」
 
アイシャが心配し、ジャミルに声を掛けるが、
彼女も涙目で辛そうだった。
 
「……うげ……、もー、らめれーす……」
 
アルベルトは4人分のブラックコーヒーを一気飲みした為、
既に気絶していた。
 
 
「はあ~……」
 
フラフラになりながら4人は民家を後にする。
 
「またおいでー!」
 
嫌味ったらしくおばさんが一向に手を振った。
 
「……二度と来るかっ!」
 
「……料理の方は味普通だったけど……、
酷いよお~……」
 
「こんな辺境の地にもあんな大物がいたなんてね……」
 
「たく、なんなんだよ!あのババア!」
 
「……普段お客が来ないから……、ストレス解消に
ああやって玉に来る客をからかっているのかもね……」
 
ハンカチで口を押えながらアルベルトがぼやいた。
 
「おねえちゃん、だいじょうぶ……?」
 
アイシャに抱かれたスラリンが辛そうな表情のアイシャを
見上げ心配している。
 
「うん、大丈夫よ、……でも、口の中が苦いわあ~……」
 
「……畜生、まだ胃がキリキリする……」
 
「!アワワワワ……」
 
と、ダウドが急にジャミルの後ろに隠れた。
 
「どうしたんだよ」
 
「へ、変な人が……、いる……」
 
「?」
 
 
「……ブツブツ……、ブツブツ……、それでも地球は
回っているのです……」

……ウロウロと、ブツブツ文句を言いながら
路上を徘徊していたその人物は。髪の毛はぼさぼさ、
顔には無精髭、纏っているローブは薄汚れで汚い
身なりのおっさんであった。
 
「おっさん、何してんだい……、大丈夫か?」
 
「……私はおっさんではありませぬ!まだ20代です!