地下の宇宙
久しぶりに戻ってきた七姉妹学園では、嫌な予感はしていたがやはりラスト・バタリオンが現れるようになっていた。
そして仮面党員もうろうろしている。
彼らはフューラーを崇拝している軍隊で、ペルソナ使いである達哉達でも、簡単に倒すことはできない敵だった。
耐久力があり、倒すのに時間がかかる。
厄介なことになった。
ザッ、ザッという足音と共に、彼らが現れる。
「ハイル・フューラー!!ジーク・ライヒ!!
総統に勝利を!!」
そう言いながら、人間では絶対にあり得ない、首を360度横にずっとぐるぐるさせている不気味な存在は、マシーネンコマンドというらしかった。静かに直立している2体のシャルフシュッツェと共に4体での登場だ。
「悪いが通させてもらう。…来い!!」
そう言ってフィレモンからもらったペルソナであるアポロを喚び出す。
フィレモンからもらったペルソナ達は、ランクは少し上がったもののランクMAXまではなっていなかったので、引き続き降魔し続けていた。
黒須淳のペルソナは、宝瓶宮の後にヘルメスが変異できることがわかり、今はクロノスになっている。
マハラギダイン等の複数の敵に攻撃できる技をひたすら使って倒していった。
セブンスに来る途中、道の途中にいる人からセブンスの生徒が皆ラスト・バタリオンに捕まったと聞いていたのだが、廊下には生徒の気配がない。
1-Aの教室のドアを開けると、意外な光景が広がっていた。
目立つ服の色。珠閒瑠テレビの建物で会った人物だった。
教室の端の方には、セブンスの生徒がわらわら集まっている。
ざわざわしていた。
「アイヤー!あれ、ブラウンさんだ!」
ギンコは驚いている。
そして、珠閒瑠テレビで知り合った人物・ブラウンの側には何体かラスト・バタリオンが倒れていた。
ペルソナが共感しているのが伝わる。
敵が近くにいる時の殺気立ったものではなく、同じペルソナ使いの仲間が近くにいる時の、ほっとするような穏やかな気配だ。
栄吉が話しかけた。
「よう。えーと、テレビ局で会った
ブラウン…だっけか?」
「その通り、俺様が最近話題のスーパーミラクルアイドルブラウン様だぜ。ってお前らか!なんかこいつら、いきなり襲いかかってきたから、久しぶりにペルソナ出してチョチョイとなでてやったさ。
やっぱおれ様最強だね〜。でひゃひゃひゃ!」
「私達が5人で相手しているラスト・バタリオンを1人で…すごいわねぇ。」
舞耶姉が感心している。
ブラウンが話し始めた。
「あんたら先生を探してるんだろ?ここは俺様が守ってやるから、早く行ってやれよ。」
「ありがとう。」
そう言って、教室を出た。
何となく上の階の様子が気になり、3階をうろつく。
やはりここも廊下に人の気配はない。
ラスト・バタリオンを引き続き倒しながら、3-Bの教室の様子を見に入った。
入ると、ここにもラスト・バタリオンが何体も倒れており、柊サイコセラピーで何度か話したことのある人物、園村麻希がいた。
そして、彼女から離れたところに、学園の生徒が集まっていた。
「あ、周防君達。大丈夫だった?
ラスト・バタリオンがこの学校に向かったって聞いたから、エリーから教えてもらったんだ。」
「エリーさんも来てるんだ!というより、お知り合いだったんだね!」
ギンコが楽しそうに話している。
「うん。前に私達がエルミン学園っていう高校にいた時に、それこそペルソナがきっかけでね…。みんな元気かなぁ。」
麻希は教室の窓ガラスの外の空を、遠い目で見つめていた。
俺達と同じ、高校生の時にペルソナに…
達哉は妙な親近感を感じていた。
「あ、そういえば下の階にエリーがいるよ。
街のことは私達に任せて、周防君達はシバルバーに向かって!!」
達哉は頷いた。