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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 オリビア&エリック編

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「うん、ついこの間なのにね、すごく懐かしい気がするよお……」
 
時間はまだ19時なのであちこちの店は開いている。
集合場所を宿屋に指定して4人は好き勝手な行動に走る。
ダウドとスラリンは魚料理を食べに行きアルベルトは
ナイトハルトに挨拶に行く。
 
そしてこの2人は……。
 
「アイシャ!まーだ決まんねーのか!早くしろよ!」
 
「いいじゃない!ゆっくり見させてよ!どれにしようかな?
水玉も可愛いし……、あ、これリボンが付いてる!」
 
以前にアイシャが勝手に水着を買いに行った洋裁店で
新しい水着を選別中。アイシャの水着選びに付き合う
ジャミルはいい加減飽きてきた様だった
 
「ねえ、ジャミルはどれがいいと思う?」
 
「んなモン俺にはわかんねーよ!」
 
「……何よう……、女の子の気持ちなんかちっとも
分ってくれないんだから……、ぐす……」
 
「ア、アイシャ!これにしろ、これ!」
 
焦ったジャミルは適当に水着を指差す。
 
「ど、どれ?」
 
「これ……」
 
「どれ?白い色かな?これ、え……」
 
 
ふ・ん・ど・し!
 
 
「……ジャミルのバカーーっ!!」
 
「間違えたんだよ!イテテテテ!」
 
「……あらあ?この間水着買ってくれた子?」
 
二人の声を聞き付け、店長らしき女性が店の
奥から出て来た。
 
「あ、こんにちは……、お久しぶりです……」
 
アイシャも店長に挨拶。店長はアイシャの事を
覚えている様だった。
 
「今日は彼氏も一緒なのね?ふふ、いーわあ、若いって!」
 
「え……、あ……、あの……」
 
顔を赤くして慌てる二人。
 
「そうだ!彼氏も一緒に水着探せばいいじゃない!
夏に向けてのお手伝いするわよ!」
 
「お、俺はいいよ……」
 
「遠慮しないで、ホラ、こっちにいいのいっぱいあるわよ」
 
「はあ……」
 
「君はトランクス派?それともブリーフ?」
 
「……はあ……」
 
結局ジャミルは店員に押し切られ約1時間近く店に
滞在する羽目になった。
 
 
「……ふい~……、疲れた……」
 
「何か食べようか、お腹空いたね」
 
2人は適当な飲食店を見つけて入り寛ぐ。
 
「こうやって玉には二人だけでご飯食べるのも
中々いいよね……」
 
「ああ……」
 
また2人とも何故か顔が赤く……、フォークとナイフを
仕切に特に意味もなくいじっている。
 
「……」
 
「ちょっと!それ、私のソーセージ!」
 
「あ、ああ……、悪い……、間違って食っちまった……」
 
「……じゃあ、ジャミルのミートボール貰うからね!」
 
アイシャも椅子から立ち上がり、ジャミルの分のお皿の
ミートボールを一つ、フォークで突っついた。
 
「あ……」
 
「いただきまーす!……んーっ!おいしー!」
 
片手をほっぺに当ててほわほわ、アイシャが
幸せそうな表情をする。
 
「んじゃ、俺もソーセージもう一つ……」
 
「あーっ!また食べた!」
 
「こんにちは……」
 
「いらっしゃいませ」
 
店にまた客が入って来た。気の良さそうな
青年で猫を抱いている。
 
「すみません、いつものを……、お願いします」
 
「はーい、オーダー畏まりました……」
 
「常連か……、だからペット同伴でも大丈夫なのか?」
 
「ジャミル、口にフォーク銜えないの!お行儀悪いわよ……」
 
ジャミルがアイシャに舌を出した。
 
「も~……」
 
やがてメイドが青年の所に食事を運んでくる。
 
「サブリナ、お腹空いたろう、さあ……」
 
猫は嬉しそうにニャーンと一声鳴き、一緒に持ってきて
貰ったご飯を食べ始めた。
 
「随分可愛がってんなあ、おいおい」
 
「おいしいかい?良かった……」
 
青年が愛おしそうに猫を撫でると猫もゴロゴロ喉を鳴らした。
 
「あの食事、人間が食ってるモンと同じだな……、
贅沢な猫だなあ」
 
「ジャミル!あんまりジロジロ見ちゃ駄目よ……」
 
「だって何かすげえよ……、異常な愛情……」
 
「ジャミル!」
 
「へいへい……」

暫くは大人しくしていたもののジャミルは青年と猫が
気になってしょうがない様子。
 
「……サブリナ……、愛してるよ……」
 
「!?」
 
ジャミルは青年が小声でぼそっと喋ったのを
聞いてしまい……。
 
「……あ、愛!?プ、プププププ!もごっ!?」
 
アイシャがジャミルの口に残りのソーセージを押し込む。
 
「……もうっ!静かにしてないと……、駄目っ!!」
 
「ふぁ、ふぁひすんだほう……」
 
「ご馳走様でした」
 
騒いでいる間に食事を終え、会計を済ませ青年と猫が
店を出て行ってしまう。
 
「あーあ、行っちまった……」
 
「入るよー!!」
 
「また別の客……!?」
 
「いらっしゃいませー」
 
青年と入れ替わりで今度は別の客が入って来るが、
何と……。
 
「あいつ……、どっかで……?」
 
客の頭からは角が4本生えている……。
 
「イシスの……女王様!?」
 
「いや、ありゃ角が2本だったから……、
多分違うと思う……」
 
「よっこいしょっと!」 

客はジャミル達の隣のテーブルに座り食事の
注文を始める。
 
「ご注文は……」
 
「ステーキ15皿と生ビール16本、
それからデザートに……」
 
「うわ……」
 
ジャミルが顏をしかめる、その注文量に二人は
びっくり仰天するのであった。
 
「おい!そこの兄ちゃん達!!」
 
「え、え、え、俺ら!?」
 
「全く、イチャイチャしてんじゃないよ!
だらしがないねえ!」
 
「はあ……」
 
「あたしはねえ、あんた達みたいなバカップルを
見てると虫唾が走るんだよ!」
 
「じゃあ見んな……」
 
「何だい!?」
 
「い、いいえ……、何でもないです……」
 
「大体何だいあんた!男の癖に筋肉が付いて
いないじゃないか!そんなんで彼女を守れると
思ってんのか!?」
 
「だから本当に何なんだ……」
 
「お待たせ致しました」
 
メイドさん達が大量の食事を運んでくる。
……数人で運んで来ても量が多いのでかなり
大変そうではあるが。
 
「悪いけどテーブル代えるよ、こっちにしてよ」
 
「え……」
 
角女はジャミル達のテーブルに移動する。
……ジャミルは角女の角を珍しそうに眺めていた。
 
「あのう……、あなたは……?」
 
アイシャがおそるおそる聞いた。
 
「あたしはシフ3号だよ」
 
「……」
 
ジャミルがちらっと角女の顔を見た……。
 
「何じろじろ見てんだよ!おい!!」
 
「……イテテテテ!!」
 
角女がジャミルの背中をばしばし叩く。
 
「幾らあたしが魅力的だからって、まだボウヤには
早いよ!!ハハハハハ!!」
 
「……誰もんな事言ってねえよ…」
 
「何か言ったかい!?んー!?」
 
「な、なんでもな……、いたたたた!」
 
その後、角女は注文した料理とデザートとビールを
残さずすべて平らげた。
 
「ジャミル、そろそろ行こうよ……」
 
「ああ……」
 
ジャミル達は会計を済ませ店の外へと出る。
……外ではびゅうびゅうと木枯らしが吹き荒れている。