二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 オリビア&エリック編

INDEX|6ページ/7ページ|

次のページ前のページ
 

ある村に二人の若い男女がいた。 名をエリックとオリビア。
 
2人はどんな時でもいつも一緒だった。 エリックとオリビアは
永遠の愛を誓い合う。
 
しかし金持ちで村の長でもあるオリビアの父親は
二人の仲を決して快くは思っていなかった。
 
ある日父親はエリックが村の宝を盗んだと罪を着せ
エリックは無実の罪で流刑船へと送られてしまう。
 
別れ際に二人は約束をした 必ず生きて戻ってくると……。 
オリビアもずっと信じて待っていると……。
 
しかし……、願いは叶わずこれが二人の最後となった……。 
 
エリックは乗っていた流刑船が嵐に会い彼はその嵐で
死んでしまう。
 
オリビアはエリックの死を知らず信じて何年も何年も
待ち続けた……。
 
父親はエリックを只管待ち続ける娘の姿を不快に思い……。
 
エリックはもうすでに罪を償い、遠い異国の地で
新しい恋人と幸せに暮らしているらしい……、
と言う嘘をオリビアに伝える。
 
エリックを只管待ち続け、待つ事に疲れ果て嘘を
信じてしまったオリビアはショックを受けとても
悲しんだ……。そして……。
 
エリックを思っていたオリビアも自ら岬に身を投げ
その命を絶った……。
 
 
「……」
 
「岬に現れる少女の霊と言うのはきっと……、
オリビアの事なのでしょうね……」
 
「悲しいよ……、悲しすぎるよ……、エリックさん……、
ぐすっ……」
 
「ア、アイシャ……、泣くなよ……、頼むから泣くな……」
 
「ど、どうも、すみません……、お嬢さんを泣かせてしまって……」
 
「……うう、オイラも悲しいーっ!びぃーっ!!」
 
「ピキーッ!」
 
……酔っている所為かスラリンのトンガリを掴んで
ダウドも大号泣する。
 
「ふんふん……、ジャミルの苦手な物はアイシャの
泣き顔と……、プッ……」
 
ジャミルの弱点参考用にとアルベルトがメモを取る。
 
「またアイシャさんが泣いております……、えー、
今のお気持ちをば一言……、ジャミルさん」
 
「……急にマイクなんか持ってくんじゃねええっ!!
てか、酒くせーよおめーはっ!!」
 
ダウドにキックを噛ますジャミル。ダウドは頭から
床に突っ込み転倒して倒れて伸びた。
 
「プ……、あはははははは!」
 
「でも、すぐ元気になる……、か……」
 
 
……次の日、一行は意を決し、再び例のオリビアの
岬へと向かった。オリビアの霊にエリックが既に
もうこの世にいない事を伝える為である。
……死人を説得し、話を聞いて貰うなど、中々
難しい事だとは思うが、それでも何とかオリビアと
話をするしかなかった。
 
「……いいか、振り落とされねえ様に何処かに
しっかり捕まってろよ……」
 
「う、うん……、僕は大丈夫だよ……」
 
「私もよ!」
 
「怖いよおー!」
 
「おねえちゃん……」
 
心配そうにスラリンがアイシャを見上げる。
アイシャはスラリンを脅えさせない様にそっとハグする。
 
「大丈夫、大丈夫よ……」
 
「いくぞ……」
 
「ひいーっ!!」
 
船が再び岬を通過しようしとした、……その時……。
 
 
……うう……、エリック……、何処……、あなたは
何処にいるの……?どうして……
 
 
「うわ!きたぞっ!!」
 
再び悲しい歌声が聞こえてきて船が押し戻されそうになる……。
 
「オリビア……、さん……?」
 
アイシャが静かにオリビアに声を掛け、そっと名を呼ぶ。
 
 
なぜ知っているの……?私の名前を……
 
 
押し戻されそうになった船が止まった。……4人は
取りあえず一安心するが、ほっとしてなどいられない。
 
「オリビア……、もうやめろよ!こんな事するのは……!
エリックが悲しむぞ!!」
 
 
エリック……、そう……、そうよ……、私は彼に裏切られたのよ……
 
 
「な、何を言っているんです……!?」
 
ふらふらしていたアルベルトが立ち上がり、やっと声をあげた……。
 
「怖いよおー!!」
 
「ピキー!!」
 
ダウドとスラリンは抱き合って震えて怯えている。
 
 
彼は……、エリックは……、私を裏切った……、
必ず帰ってくると信じていたのに……、信じて
待っていたわ……、何年も何年も……、なのに……
どうして…!!
 
 
「それはあなたの誤解なんです!!」
 
「そうだぜ!話をちゃんと最後まで聞けよ!エリックは……」
 
 
あなた達に……、一体私達の何が判ると言うの……!!
 
 
「……きゃあーっ!!」
 
「アイシャ!!」
 
船が再び大きく横に揺れアイシャが甲板に倒れそうになるが
直ぐにジャミルがアイシャを支え、助け起こす。
 
「……大丈夫か?」
 
「うん、私は平気よ……」
 
 
……何も知らないくせに……、私達の事なんか……、
何も……!!
 
 
「うーーるーーせーーー!!」
 
 
……な、何……?
 
 
「あーあ……、等々ジャミルが切れちゃった……、
オイラ知ーらないっと!!」
 
「……いい加減にしろてめえ!さっきから黙って聞いてりゃ……、
ウダウダウダウダ、うるせーんだよ!!」
 
「ねえ、オリビアさん……、あなたはエリックさんが
どうなったか……、真実をちゃんと知らないんでしょ……、
だから、私達……」
 
 
……お父様から聞いたのよ……、エリックは私を裏切って……、
他の女の人と幸せに……
 
 
「結局……、あんたはエリックより……、あんたの親父の
言葉の方を信じたんだな……」
 
 
……意味が判らないわ……
 
 
「……エリックさんは……、亡くなったんですよ……」
 
漸くこの言葉をオリビアに伝え……、アルベルトが下を向いた……。


そ……、そんな……!!どうして……!?
 
 
「エリックさん達が乗っていた流刑船が嵐にあったの……、
船員さん達も……、エリックさんも……、皆……」
 
 
何であなた達に……、そんな事が分るの……
 
 
「彷徨っていた幽霊船の中で船の記憶を見たんです……、
エリックさんの死もこの目で……、エリックさんの
最後の願いは……、オリビアさんに幸せになって欲しいと……」
 
「俺が許せないのはあんたがエリックを信じて
やらなかった事だよ……、あんたらずっと一緒
だったんだろ……?なのに……、何でだよ……」
 
 
……おお……、エリック……
 
 
「……自分一人が不幸だと思ってんじゃねえ!
エリックがどんな思いで暗い海の中でたった一人で
死んでいったか……、あんたに判んのか!?」
 
「……ジャミル……、もう……、いいじゃない……」
 
アイシャがジャミルの手をそっと握った。
 
「けどよ……」
 
「判るの……、オリビアさんの気持ち……、
辛かったんだよね、あなたも……」
 
「……」
 
ジャミルは暫く考えていたがやがて思い出した様に
ズボンのポケットを探った。
 
「ジャミル、それは……」
 
「ああ……、エリックのだ……」
 
ジャミルがオリビアに向かってペンダントを翳す。
 
「受け取れ……、エリックの気持ちを……!」
 
 
……エリック……!エリック……!!