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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 ネクロゴンド編

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「いよいよだね……」
 
「行ってみようぜ……」
 
4人は出来た道の先へ向かおうとするが、その道のりは
とても険しかった。大ボスが君臨している地と言うだけあり、
フィールドに散らばる雑魚敵の強さも半端ではない。
トロルにやられ、ダウドとアイシャが揃って棺桶に
入ってしまった……。
 
「うわ、やべえなっ、この状況!」
 
「……一旦戻ろうか!?」
 
トロルは2匹。しかし、攻撃力もHPもかなり高い強敵。
残ったジャミルとアルベルトは、たった2匹のハゲデブに
追い詰められていた。
 
「そうするか、仕方ねえ!」
 
二人はアイシャとダウドの棺桶を引っ張って逃げようとするが……、
回り込まれてしまった。
 
「うう~っ!回り込むなあーっ!デブの癖にーーっ!」
 
敵が自分達よりランクが上の場合、デブだろうが何だろうが
逃走に失敗するリスクは高いんである。
 
「……あ、ああーーっ!」
 
「アルっ!!」
 
逃走失敗時のペナルティ。アルベルト、トロルにターンを
奪われ痛恨の一撃!アルベルトまでやられ、等々その場は
ジャミル一人に……。
 
「ピキーっ!ジャミルーーっ!」
 
後、その場にいるのはぴょこぴょこ飛び跳ねている
スラリンだけ。トロルがジャミルに向けて再び拳を向ける。
ジャミルは覚悟した様に目を瞑った。
 
 
……
 
 
「にゃあ~」
 
「……」
 
何かがペロペロジャミルの顔を舐めている。くすぐったくて
ジャミルは思わず目を開ける……、と、其処は……。
 
「あれ?……俺ら確か、トロルにやられて全滅した
筈じゃね?……何で?」
 
気が付くとテントの様な場所におり、側に猫がいる。
猫は目を覚ましたジャミルの顔を見て一声、また、
にゃあと鳴いた。
 
「お前かい?俺の顔舐めたの、起こしてくれたのか?」
 
「にゃあ~ん」
 
「おお、起きたかい……」
 
「ピキー!」
 
「スラリン!それにあんたは……」
 
髭もじゃの小さなおっさんがスラリンを抱いて
座っていた。ホビットらしかった。猫はおっさんを見ると
おっさんの側に行き、スリスリをした。
 
「ジャミルー!このおじさんがみんなをたすけてくれたんだよー!」
 
「皆……、そうだ!アル、ダウド、……アイシャは!?」
 
「心配すんな、アンタのお仲間も無事だよ、世界樹の葉を
すり潰して飲ませたからな、時期に目を覚ますだろう、ほれ、
兄ちゃんの処にお戻り」
 
確かに、確認すると仲間達もテントの中で静かに眠っていた。
まだ目は覚まさないものの、おっさんのお蔭で一命を取り留めたらしい。
 
「ピキー!」
 
スラリンはおっさんの手から離れるとジャミルの腕の中に飛び込む。
スラリンと入れ替わりで今度は猫がおっさんの腕に戻って行った。
 
「そうか、おっさんが俺達を助けてくれたのか、有難う……」
 
「ああ、あんな危険な所に来るムボウモンが久々に
出てくるとはな!お前ら揃って倒れて伸びてたからな、
びっくりしたぞ、ははは!……わしゃ、普段はネクロゴンドより
遥か北の地の、ほこらに住んどんるんだよ、偶々、今、
魚を取りに、猫と一緒に小舟で旅して遠征してる最中でな、
火山の所に新しい道が出来てるでねえかい、んで、ちょっくら
行ってみたら……、あんたらが倒れてた、言う訳さあ……、ははは」
 
どうやらこのホビットのおっさんは愛猫と旅をしている最中に、
倒れていたジャミル達を見つけた後、小舟に乗せてくれ、
わざわざ自分のテントまで運んできてくれたらしい。
 
「……えへへ、本当にありがとな、おっさん……、助かったよ……」
 
ジャミルが照れ臭そうに笑って頭を掻く。と、アルベルト達も
漸く目を覚ます。他のメンバーは最初、見慣れない場所で
いきなり目が覚めびっくりしていたが。
 
「そうだったんですか……、僕らの為に……、本当に
ありがとうございます!」
 
アルベルトがお礼を言うと、アイシャとダウドも
がばっと頭を下げる。真似をしてスラリンもトンガリを下げた。
 
「いやいや、そんなに畏まるな、傷が癒えるまで
ゆっくりしていけ」
 
4人は親切なホビットの好意に甘え、体力が回復するまで
少し休ませて貰う事にした。
 
「うう~、それにしても……、敵強すぎだよおー!」
 
いつも通りダウドが愚痴り出す。しかし、今回はダウドの
吠えたくなる気持ちも痛い程ジャミル達は感じていた。
それでも乗り越えなければ、この先に、魔王バラモスの
元まで辿り着く事は出来ないのだから。
 
「そうか……、あんたらは魔王バラモスを……、
……わしも昔はオルテガ様と言う勇者様のお供をし、
冒険したんじゃよ、……懐かしいのう……」
 
「え……?」
 
「……オルテガ様はネクロゴンドの火山に落ちて
亡くなったらしいが……、わしには信じられんよ……」
 
ホビットのおっさんの口からぽつりと出た言葉。
どうやらこのホビットのおっさんとオルテガも
知り合いで顔なじみらしかった。
 
「にゃあ~~ん、ごろろろ!」
 
「ネコちゃん、おいで!」
 
「ピキー!ボクもー!」
 
アイシャと猫とスラリンがにゃんにゃん遊び始めた。
癒される光景ではあるが、何時までもおっさんに
お世話になる訳にはいかず、4人はそろそろ出発を決める。
 
「行っちまうんだなあ……、そうだ、わしらが住んどる
ほこらから南の場所に、岩が4つ並んでいる個所の真ん中に
世界樹の葉が落ちておる、あんたらの気絶状態を回復させた葉……、
とても不思議な葉なんじゃよ、ほれ、今日はわしが持参しとる
一枚を渡しておこう……、但し、直に拾う場合は一枚しか
拾えないからな……、わしゃ拾って貯めておいたんだあ、
今度又必要になったら其処へいつでも拾いにくればいいぞ」
 
「おっさん、す、すげー助かるよ!」
 
「……凄く貴重な葉なんだね、大切に使わせて貰わなくちゃ!」
 
4人はホビットのおっさんに再び小舟に乗せて貰い、
自分達の船まで送って行って貰った。おっさんは4人を
送り届けた後、手を振って自身の小舟でテントまで戻って行く。
ジャミル達もおっさんに手を振ってさようならとお礼を言う。
本当に親切なおっさんであった。
 
「……さて、又頑張んなくちゃな……、助けてくれた
おっさんの為にも!」
 
4人は今度は慎重に……、決して無理をせず、
スラリンを連れて一歩一歩、魔の地へと進んで行く。
そして等々、ネクロゴンドの洞窟へ……。
 
「何だか……、今までの洞窟と雰囲気が全然違うね……」
 
辺りを見回しながらアルベルトが呟く。
 
「敵もきっと今までより倍強いんでしょうね……、怖いわ……」
 
スラリンを抱きしめながらアイシャも呟いた。
 
「オイラもツイッターで呟きます……、ボソッ……、
こわいこわいこわいこわ……」
 
            ゴツン!!
 
「……いったああああーっ!!何で殴るのさーっ!!
ジャミルのばかーっ!!」
 
「……よしよし……」
 
アルベルトがダウドを慰め、コブの出来た頭を撫でた。
 
「こんな時にヘタレてふざけるなっ!」
 
「オイラはただこの場の雰囲気を明るくしようとしただけなのに……、