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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 お嬢の逆襲編

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「オイラ、アイシャに頼まれたんだよお!オーブを見せてくれって!
いきなり!……それで、アイシャにオーブを見せたら物凄いスピードで
廊下を走って行っちゃって、それで、それで……」
 
「え、ええーっ!?わ、私……、そんな事頼んでないわよ、
だって、水浴びから帰ってきて直ぐにお部屋で寝たもの……、
ね、スラリン?」
 
「ピキ……、うん……」
 
「うそだうそだよおお!だってだってえええ!」
 
「おい……」
 
錯乱するダウドにジャミル達も困り顔。アイシャもオロオロしている。
彼女は本当にオーブの件は覚えがない。……何故なら……。
 
「夢でもみたんだろ、きっと……、お前、のほほんとし過ぎて
ボケてる時あるからなあ~……」
 
「な、何だよお!……ジャミルまでオイラの事信じてくれないのっ!
も、もういいよお!あ、ゆ、夢って言えば……!ああああっ!!」
 
「ダウド……?」
 
「きゅう~……」
 
先程の……、自分の後ろに立っていた変なお嬢の姿を思い出し、
再びダウドがひっくり返って倒れた……。
 
「取り合えず、朝までこのまま休ませてあげよう……、
ゆっくり寝てもらって、本当に長い夢を見ていたんだよ……って、
事で納得して貰おう……、無理矢理でも……」
 
ジャミルとアルベルトはダウドを再びベッドまで移した。
 
「アイシャ、お前も本当にダウドの件は覚えがねえのか?」
 
「本当だったらっ!……で、でも……、水浴びしてて、
気が付いたら何だかぱっとベッドの上……、だった様な
気がするのよね~……」
 
「はああ!?」
 
アイシャまで……、何だか微妙な話になっている。一体何が
あったというのか。
 
「とにかく、今日はみんなもう休もう、疲れているんだよ……、
オーブも取りあえず無事だったんだから……、さ……」
 
そう言う事で、今日の事はオーブに何事もなかったので、
これで良しという事で無理矢理アルベルトが話を纏める。
……これで良しという事に全然なっていない
事を4人は全然気が付かず。……何故なら……。
 
「ふふふ、オーブ、オーブ、……ほんもの、うふふ……、はあ、
説明のお時間でごわす、少々長いけど聞いてね、ふふ~……」
 
 
「変なお嬢は奪った本物のオーブと共に船の地下倉庫に隠れていた。
……あの時、アイシャの後を付けていたのもお嬢である。
彼女はアイシャ達が水浴びをしている最中に魔法で彼女の
姿を奪い、ニセの幻影を作り上げ、厄介な付添いのスラリンを
眠らせた後、幻影を船へと送ったのである。実に高度な
魔法技術であった。……この魔法を使われた本人事態は
意識が無くなってしまうんである。変なお嬢は本物もルーラで
無理矢理船室へと送り返した。んで、アイシャはそのまんま
ぐーすかと寝ていた……、と、言う訳。ちなみに、スラリンは
ボケているので、ダウドの前に姿を現した時のお嬢の姿には
気が付いていない。」
 
 
「……コラ、説明のセリフ、私、変なお嬢じゃない、
美しいお嬢に……、あ、あああ……」
 
……やがて、朝がやってくる。破壊屋お嬢は船に乗ったまま……。
既に、レイアムランド付近へと近づいていた。無論、オーブの事も
4人は気が付かないまま……。
 
「むす~……」
 
「何だよ、オメーまだ機嫌わりいのかよ、しつこいなあ……」
 
朝食時、ダウドは相変わらず不機嫌。自分の話を信じて
貰えないからである。……お嬢の件も話したが、勿論
笑い飛ばされた。特にジャミルにはこんなとこにいる
ワケねえだろうが!……と。やはり、夢を見ていたんだよ!
……では、ダウドは納得しなかった。今回はしつこい。
 
「な、何だか……、ダウドがずっとこっちを見ているのだけれど……、
困ったわあ~、私、オーブを見せてなんて、本当にそんな事頼んだ覚えが……」
 
「ダウドも……、もういいじゃないか、さあ、朝ご飯にしよう、
……今朝はダウドの分はスペシャルにしておいたよ、
……特大オムレツ4皿分、作っておいたからね……」
 
「♪わあっ!」
 
朝食当番のアルベルトがダウドの席の前に大きなオムレツを4皿分置いた。
これだけでダウドはすっかり機嫌を直す。……単純な男である。
 
「いただきまーすっ、……で、でも、こんなにオイラ、食べていいのっ!?」
 
「うん、沢山食べなよ……」
 
「えへへ、それじゃ、……うーんっ!でりしゃーすっ!!」
 
「ちぇっ、ずっけーの……」
 
「ピキー……」
 
ダウドだけスペシャルな朝食を平らげるのをジト目で見ている
ジャミルとスラリン。
 
「が、我慢して……、漸く話が反れそうなんだから……」
 
冷や汗を掻くアルベルト……、と、何となくバツが悪そうなアイシャ。
 
「私……、本当に何もダウドに頼んでないのに……、ぐすん……、
……もぐっ!?」
 
落ち込むアイシャの口に自分の分のオムレツの一欠けらを
無理矢理ジャミルが押し込んだ。
 
「……も、もうっ……」
 
「美味いだろっ、へへ!」
 
「美味しい……、ふふ、……ジャミルったら……」
 
ダウドの機嫌も治り、やがて船はどんどんレイアムランドへと近づく。
オーブはニセモンのまんま……。
 
「……ここまで長かったけど……、もう少しだな……、
バラモスの所まで……」
 
「うん、ちょっと怖いけど……、皆がいるから頑張れるわ……」
 
「ダウドは平気かい?」
 
アルベルトが念の為にダウドの意志の確認をする。
 
「…今更逃げられないし……、もうここまで来ちゃったから……、
でも逃げられるのなら逃げるかも……、あーうー」
 
やっぱり今一ダウドは煮え切らない。
 
「……そろそろレイアムランドだよ」
 
アルベルトが地図で確認する。
 
「どこどこ?……って、まーた雪だらけじゃねーか!!」
 
レイアムランドはグリンラッドと同じく大陸が雪で
覆われていた。
 
「仕方ないよ、行こう……」
 
ジャミル達は船から降り、雪の中を歩いていく。……その後を
付いていく怪しい変人の姿に4人は未だ気づかなかった……。

「寒いなあ……、しかし……」
 
「魔物に見つからない様、急いで歩こう……、必要以上の
バトルは避けたい処だしね」
 
「分ってるよ……」
 
ジャミルがアルベルトの方を何となく見ると……、明らかに
鼻から垂れている鼻水を隠している様だった。
 
「……」
 
「何、ジャミル……」
 
「何でもねえよ……」
 
暫く歩くと神殿が漸く目の前に見えてきた。
 
「……助かったー」
 
あまりにも寒かったため、4人は急いで駆け足ダッシュ、
神殿内部へと入る。
 
「……うわっ……」
 
「大きな卵ね……」
 
奥に6個分の台座があり、更に真ん中にもう一つ台座があり、
巨大な卵が置いてある。この台座の上に6つのオーブを
それぞれ乗せるのだろうか。
 
「何かこの卵光ってるよお……」
 
「どれどれ?」
 
と、言ってジャミルが卵に触ろうとしたその時……。
 
「……ようこそ……」
 
「……ようこそ……」
 
「うわわわわっ!?」
 
突然、一番奥の台座の後ろから二人の女性がぬっと姿を現した。
 
「いらっしゃいました…」