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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 お嬢の逆襲編

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「いらっしゃいました…」
 
「……いるならいるって言えよ……、あーびっくりした……」
 
「すいません…」
 
「すいません……」
 
「……」
 
服装からすると二人の女性は巫女さんぽかった
 
「いえ、こちらこそ……、突然お邪魔してしまって
申し訳ありません……」
 
アルベルトが丁寧に挨拶する。
 
「いえ……」
 
「いえ……」
 
「で、あんた達はここで何してんの?」
 
「……ジャミルっ!!」
 
「……いてててて!あ……、あなた達は……、ここで何を
なさっているのでございマスか?」
 
「……私達は……卵を守っています……」
 
「……私達は……卵を守っています……」
 
「ザ・ピーナッツみた……、い、いててててて!!」
 
「もう……、ジャミルったら……」
 
「ピキー、おねえちゃん、ジャミルのおみみ、あんなに
ひっぱったらのびちゃうよ」
 
主に注意する人、アルベルト、注意される人、……ほぼジャミル。
何時でも何処でもジャミルは礼儀知らずでマイペース。
 
「6つのオーブを台座に捧げし時……、不死鳥ラーミアは蘇りましょう……」
 
「!」
 
「はいはーい!俺達オーブ持ってるよ!!ダウド、ほら」
 
「よいしょっとお」
 
ダウドが肩から下げていたカバンから宝箱を出す。……正確に言うと、
中身は偽物……を、宝箱を開けて、6つ、取り出した。
 
「……これは……オーブ……?」
 
「……これは……オーブ……?」
 
「……」
 
いちいちハモってステレオ状態で話す二人にジャミルは少し
イライラし始めていた。が、巫女さん達の言葉の語尾に?マークが
付いていたのが少々気になったが……。
 
「私達……」
 
「私達……」
 
「この日をどんなに…」
 
「この日をどんなに…」
 
「待ち望んでいた事でしょう…」
 
「……卒業式の呼び掛けじゃねーか……」
 
ジャミルが愚痴を洩らす。
 
「……さあ、早くオーブ?を台座に……」
 
ジャミルはすべてのオーブを台座に収める。
 
「この卵さんからラーミアが生まれるのね……」
 
「オイラおっきな目玉焼きを作るのかと思っちゃった!」
 
「ダウドっ!」
 
「ご、ごめんよお……、ジャミル……」
 
「俺は巨大オムライスの方がいい!!」
 
 
         パンッ!!
 
 
「今日はオマケでもう一人叩いちゃった♡気分がいいなあ……」
 
テヘペロ状態でスリッパをぶんぶん振り回すアルベルト。
 
「さあ祈りましょう」
 
「さあ祈りましょう」
 
ジャミルの頭の中にモスラのテーマが流れた。
 
「……時は来たれり今こそ目覚める時……、大空はお前の物……、
さあ高く舞い上がれ!!」
 
……しかし。通常なら此処で卵にヒビが入ってラーミアが誕生するのだが……。
 
「ど、どうしたんだよ……」
 
「舞い上がりません……」
 
「卵が割れません……」
 
「はあっ!?」
 
珍しく巫女さん達がハモらず、別々の言葉を言っている……。
只事ではないと、ジャミル達も卵の乗った台座の側に駆け寄るが。
 
「……こんな事ってあんのかよ……」
 
「あの、……言いたくないけど……、その……、卵の中の……、あうう!」
 
「縁起でもない事言っちゃ駄目だよ、ダウド!」
 
「だってええ~……」
 
アルベルトに注意され、ダウドがそれ以上の言葉を慎んだ。
 
「ラーミアさん、一体どうしたの……、私達、あなたに会えるのを
楽しみにしてるのよ……」
 
「ピキ~……」
 
アイシャが優しく卵に触れると……、アイシャの言葉に答えるかの
様に卵が又光った。
 
「この子は大丈夫よ、早くお外に出たがってるのは
確かなんだけど……、でも……」
 
「あっ……」
 
「あっ……」
 
「……こ、今度はどうしたんだ?」
 
巫女さん達が再びハモリだす……。台座の上のオーブの確認をし、
真っ青な顔を……。
 
「このオーブは……」
 
「このオーブは……」
 
「……」
 
 
「偽物です……」
 
 
「……なんですとーーーっ!?」
 
今度はジャミル達4人が一斉に声を揃えた……。漸くオーブが
偽物と言う事実に気づいたのであるが……。
 
「おいおい、待てよ……、俺らが今まで苦労して集めたオーブは……、
全部偽物……、だったっつー事かいっ!!」
 
「嘘よ、こんな事って……」
 
「何て事だ……」
 
「ぎゃー!酷いよおおおーー!」
 
……4人が絶叫。どうやらそう言う方向に考えが纏まってしまったらしい……。
 
「もしかして……、オブ、オブ……、オ、オーブの集め直し……?ねえ……」
 
ダウドがジャミルとアルベルト、交互の顔を見る。ジャミルは
困り果て、アルベルトは黙って目を瞑り腕組み……。アイシャは
スラリンを抱いたままオロオロ。
 
 
「……その必要はございません事よ……」
 
 
「誰だっ!?」
 
神殿内に突如響き渡る謎の声……、そしてハイヒールの音……、
誰かが台座に向ってこつこつと足音を立て、此方に歩いてくる……。
 
「……お、お前はっ!!」
 
「何故なら……、本物のオーブは、既に私の手の中にあるからですわ……」

「お前はっ!アープの塔でっ!!」
 
「や、や、や……、やっぱりっ!あの時オイラが船で見たのはっ!
ま、幻じゃなかったて事!?……あわわわ!」
 
ダウドは言いながらジャミルの後ろに隠れる。それを見た変なお嬢は
自分の持っていた杖を一振り……、円球を出し、ふわふわと空中に浮かべた。
円球の中には盗んだ6個のオーブが……。
 
「これをよく見るが良いぞですわ、マサイの野蛮な戦士共……、
てか、私、フルネームがもう完全に変なお嬢になっているのす……、
真面目に書きなさい、書いてる奴……」
 
「……誰がマサイの戦士だっ!って、あれはっ!」
 
「オーブだわっ!本物のよっ!」
 
「説明して下さい、ちゃんと一からっ!何がどうなっているんですかっ!!
……どうしてっ、何故あなたがオーブを持っているんです!!」
 
アルベルトのセリフに変なお嬢がびしっと持っていた杖の先を
4人に向ける。
 
「じゃあ、手っ取り早く……、前回の回から説明を引っ張って
来ましょう、よいしょ」
 
 
美しく、可憐なお嬢は奪った本物のオーブと共に船の
地下倉庫に隠れていた……。
   ↑
前前回の説明適用……。
 
「お分かり頂けて?アンタの後を付けて、偽物を作り上げ、
油断させてこいつを騙してオーブも偽物とすり替えたの、
馬鹿なあなた方は本物と偽物の区別もつかなかった
らしいですわね、一体今まで何を集めていらっさったの
かしら?おばかさん!」
 
「私、私……、あ、後を付けられてたの?……ど、どうしよう……」
 
「はあ、漸く分ったよお、……あの時、オイラにオーブを
見せろって騒いでたアイシャは偽物だったんだね……、
ごめんね、アイシャ、疑う様な言い方して……、
てか、分らなかったオイラがアホ過ぎたね、本当にごめん、
アイシャ……」
 
「ダウド……」
 
「全くだな、アホだな、おめえ……」
 
「何だよおっ!アホジャミルっ!!」