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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 お嬢の逆襲編

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「ま、俺らもアホだけどな……、確かにな、こんなあっさり
オーブを盗まれるとか……、しかも、偽物とすり替えられてさ……、
けど、一番アホなのは……」
 
ジャミルが暫く沈黙になるが……、やがてある人物の方に視線を向けた。
 
「てめえだっ!得体の知れない変人野郎!!」
 
「んまっ!……私は野郎ではないですわっ!……私は世界中の
お宝を集める、お嬢ハンターデスわあっ!!」
 
「充分変人だっ!いきなり突拍子もなく突然出て来て
人の船に張り付いて監視なんかしやがってからにっ!
一体お前の目的は何だっ!!いえっ、この野郎!!」
 
「フン、私の目的はただ一つ……、アンタ達を倒して、
伝説の不死鳥、ラーミアは私が復活させます、大空を物に
するのはこの私……、あちょーーーー!」
 
「うわ!?」
 
「……きゃああーーっ!?」
 
お嬢ハンターは問答無用で杖の先からヒャダルコを
アイシャに向け、放出。……ジャミルは咄嗟にアイシャを
庇い、魔法を避けさせた。
 
「ちっ、ちっ、ちっ、……ちっちーん!ですっ!」
 
「ハア~、間一髪……」
 
「ジャミル、有難う……、ごめんね……」
 
「……二人とも大丈夫かい!?」
 
「ああ、アル、平気だよ……、それにしても恐ろしいな、
アイツ、マジで……」
 
「やっぱり只者じゃないのかな、……呪文の詠唱も無しであんな
高度な魔法を使いこなしてる……」
 
ジャミルもアルベルトも……、魔法を外し、悔しがっている
お嬢ハンターを見つめる。
 
(……ちっ、気に入らないですわ~、あんの小娘、ふんふん!)
 
「あのさ、オイラの感かもしれないけど、あのお嬢おばさん……、
何かアイシャに恨み持ってる……?」
 
「え、えええっ!?」
 
アイシャが困ってお嬢の方を見る。……確かにアイシャの方を
睨んでいなくも……、ない。
 
「だってさ、……偽物をアイシャで活用したり、さっきだって
アイシャをターゲットにしてたし、
……オイラの考え過ぎかなあ~……」
 
「コラ、ダウド!変な事言うな、アイシャを脅えさせんな!」
 
「だってえ~……」
 
「ううう~……」
 
「ピキ~、おねえちゃん、へいき?」
 
アイシャは必死で考える。自分が恨みを買う理由だとしたら。
アープでお嬢に小生意気な口を聞いた事しか思い当たる出来事がない。
 
「あの、その話とは関係ないのだけれど、あなた、次は伝説の
黄金の種を探すんじゃないの?それがどうしてまた目的が
ラーミアに代わったの?……それにどうして私達の船まで来たの……?」
 
「……うるさいうるさいうるさいうるさくないーーっ!!」
 
「きゃあああっ!?」
 
「アイシャっ!相手にすんな、こっち来てろっ!」
 
「ふええ~ん……」
 
ジャミルが慌ててアイシャを下がらせる。アイシャが
話し掛けた途端、お嬢はモロキレだした。
……やはり何故かアイシャが気に入らない様子。
 
「あの、私達は……」
 
「どうすればいいのでしょう……」
 
先程からずっと放置されっぱなしの二人の巫女さん。困った様に
ジャミルを見ている。
 
「あ……、とにかく此処はやばい、何処かに……」
 
「……駄目だジャミルっ!」
 
「あっ!」
 
「頂きです!」
 
アルベルトが叫んだ瞬間、既に遅くお嬢は巫女さん達に
既に杖から魔法を放出。……今度は巫女さん達がお嬢の魔法に
捕えられてしまう。巫女さん達は魔法の中で苦しみ、もがいている。
 
 
「……ああああーーーっ!!」
 
 
「な、何て事するのっ!もう許さないんだからっ!」
 
「だから何だと言うのです、変な小娘が……」
 
アイシャは怒りでお嬢を睨む。しかし、お嬢はそんな物、
屁でもないですわと言う余裕の表情。
 
「くそっ、油断し過ぎたっ!」
 
「ジャミルっ!ああーっ!み、巫女さん達の様子が変だよお!」
 
「……私達は……」
 
「……私達は……」
 
 
「アークマージです……」
 
 
お嬢は何と今度は前回スラリンに使った催眠術魔法を今度は
巫女さん達にぶつけたらしい。……巫女さん達は身も心も
すっかりアークマージへと変わってしまっていた。
 
「おーいっ!……ま、またやったなっ!今度は何にしやがった!」
 
「僕らがまだ遭遇した事のないモンスターだよ、本で名前だけは見た事が
あるから……、凶悪な高LVのモンスターにされたんだと思う……」
 
「……んぎゃあああっ!」
 
「ダウドっ!落ち着くのっ!!」
 
「は、はいーーっ!!」
 
珍しくアイシャがヘタレモードのダウドを一括。ダウドはびっくりし、
ピタッと動きを止める。……尚、アイシャも相当キレている様子……。
 
「おねえちゃんもこわいよ……」
 
「怖いですわよ、アークマージさんて……、いおなずーん!を
ぼんぼん使ってきますの……、あなたたちなんか丸焦げ
ローストチキンですわよ?さ、やってしまいなさい、お二人とも」
 
「はい、私達……、やります」
 
「はい、私達……、やります」
 
……アークマージと化した巫女さんは4人にどんどん、どんどん、
にじり寄ってくる。そして、変なお嬢も……。

その4
オーブを取り戻せ!……バトル、変なお嬢

「畜生っ!どんな敵だって負けて堪るかっ!お前ら戦闘準備開始ーーっ!」
 
「駄目よ、ジャミル!巫女さん達を攻撃する訳にはいかないわ!」
 
「あ、あーー!クルーー!!」
 
ダウドが叫ぶ中、二人の巫女さん達は間髪入れず、イオナズンを
4人に向け放出。防ぎようがない為、4人は覚悟した様に
歯を食いしばる。……アイシャはスラリンを
ぎゅっと胸に抱きしめたまま。
 
「……ピキーー!!」
 
「……?あれ、何ともねえ……」
 
「どうしたんだろう……」
 
「本当ね……」
 
しかし、爆発も何も起らず……、ジャミル達はきょとんとする。
ダウドは既にひっくり返って倒れていた。仕方なしにジャミルは
伸びているダウドを揺さぶって声を掛ける。
 
「ダウド、何もなかったからよ、おい……」
 
「あれ?……ホントだ、何で?」
 
「俺が知りてえっつーの……」
 
言いながらジャミルは巫女さん達の方を覗うと……、巫女さん達は
何故かオロオロしている。
 
「しかしMPが足りません……」
 
「しかしMPが足りません……」
 
「はあ?」
 
ジャミルは今度はお嬢の方を見る。……お嬢も何だか困っている様子。
 
「言えないのです、……間違って低級ベビーサタンにして
しまったなどととととと!はっ!」
 
お嬢が振り向くと後ろに腕組みをしたジャミルが突っ立っていた。
顔は笑っているが……、ひくひく顔の筋肉が引き攣っている。
 
「何なんですか?あなた、お、お、お、乙女のワタクシに
まさきゃ、ボウリョクヲーーー!!フルウデスカーー!?
アキョキョキョヨーー!!」
 
「ジャミルっ!!やめ……」
 
アイシャが叫ぶが……、次の瞬間、錯乱暴走お嬢はその場に
ばたっと倒れた。……魔法も使う間も与えず、錯乱している間に
ジャミルがすかさず腹パンチで
気絶させたのである。
 
「ジャミル、巫女さん達の方も取りあえず大丈夫だよ、