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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 決戦!バラモス編

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「じゃあ、オイラも……(プッ)」
 
 
「……ギャアアアアアーーー!!」
 
 
「やりますた!えっへん!」
 
「……低レベル予算攻撃だな……、ダウド……」
 
「ジャミルの真似しただけだもん……」
 
「やかましいわっ!!」
 
「いたーーっ!!」
 
「またっ、もうっ!何してるのよ!!」
 
「……で、でも……、効果抜群みたいだよ……、何だか……」
 
ダウドの低レベル予算攻撃を喰らったバラモスは、相当きているのか、
のたうち回っている……。
 
「……じゃあ、みんなでやるか……?」
 
「……えーーー!?」
 
アイシャとアルベルトはレイアムランドの巫女さん状態で
声を一緒にハモらせた。しかしその重なった声は嫌そうである。
当り前であるが。
 
「私は嫌っ!!嫌ったら嫌っ!!ぜーったい嫌っ!!」
 
特にアイシャの方は首をぶんぶん振って抗議する。
 
「……んな事言って……、本当はこっそり芋食ってプーとか
やってんじゃねえの……?」
 
「何よーっ!!それはジャミルじゃない!!ジャミルのバカ!!」
 
「……僕も……、ちょっと……」
 
「いや、こういう奴に限って実は陰じゃブーブー屁ぇこいてんだよな……」
 
「……何いっ!?」
 
「真面目面してさあ……、一番信用出来ねえタイプ、プ……」
 
「……そっちこそ……!人間トランペットの癖に……!!」
 
「はあ!?」
 
「一歩歩けばプー、2歩歩けばブー、3歩歩けばプーブープー!!」
 
「そんなにしねえっつーーの!!」
 
 
「……おーーまーーえーーーらーー!!」
 
 
「きゃうっ!?」
 
「よくもやってくれたな……、この魔王バラモスに様にむかって……!!
よくもよくも……!!」
 
バラモス、ドスンと怒りの地団駄踏み。もう無視されっぱなしの件もあるが。
 
「何よ!私はやってないわよ!!」
 
こっちにも責任を押し付けるなと怒るアイシャ。
 
「こんなカバに負けたら一生の笑いモンだぜ!」
 
「ならばこれに耐えてみよ……!!」
 
「!」
 
「きゃっ!!」
 
バラモスがジャミル達に向かって炎を吐いた。此方もバカやって
油断し過ぎていた為、フバーバを詠唱している暇があらず、
アルベルトが咄嗟にとった行動とは……。
 
「……やべえっ、このままじゃ俺ら丸焦げだっ!!」
 
 
「……水よ出ろーーっ!!」
 
 
         ……バッシャアーーン!!
 
 
「……助かったけど……、アル……、お前今何したんだ……?」
 
「ん?魔法でね、ちょっと大水を出したんだよ」
 
「えー!そんな魔法も使えたんだ!すごーい!!」
 
「まあね、非常用の裏ワザ……、あはは、あは……」
 
しかし、頭から全員水を被った為、びしょ濡れである。
 
「ねえ、オイラの頭……、見て?……酷いよ……」
 
「?プ、プププププ……、く、黒焦げチリチリアフロ……!!
あ~っはっはっ!!」
 
床を叩いてジャミルが大笑いする。ダウドだけ間に合わず、
髪の毛が燃えて被害にあったらしい。
 
「あはははは!!腹いてーっ!!死ヌーっ!!」
 
「もう……!笑っちゃだ……」
 
「……」
 
「め……、……きゃーっははははは!!」
 
笑っちゃ駄目と言いながらダウドをチラ見し、アイシャも笑い出した。
 
「……笑うなよおおおおお!!」
 
「う……、プッ……」
 
顔を背けてアルベルトも吹き出す。
 
「……みんな……、キライ……」
 
ダウドがすっかりいじけてしまい、その場に体育座りを始める……。
 
「気にすんなよ、カリフラワー頭がモジャモジャ頭になっただけの事だろ」
 
「フォローになってないよジャミル……」
 
「……いい加減にしろ!!お前ら!!」
 
はっきり言ってもう存在感の無くなっている魔王さん、またまた
横綱の様にドスンと床を踏んだ。
 
「こっちだって早く終わりにしてーんだよっ!」
 
ジャミルはもう一度体制を整えバラモスに突っ込んで行こうとした。が……。
 
「……オイラの髪返せーっ!!」
 
「バっ、バカダウド……!!」
 
しかし、ジャミルよりも早く、怒りMAXのダウドがバラモスに
飛び掛かって行った。
 
 
              ばしっ!!
 
 
しかし……、いつも通りあっさり張り倒された……。
 
「フハハハハ!」
 
「うぎゃーっ!!痛いーーっ!!」
 
「ったく……!何でこういう時だけ行動が速ぇぇんだよ!」
 
「……ダウドっ!大丈夫!?」
 
アルベルトが慌ててべホマをダウドに掛けた。
 
「……びえええーっ!!」
 
「ガキじゃねんだからピーピー泣くなっ!!」
 
「ううう~……」
 
「こりゃ早い事決着付けねえと……、こっちの身が持たねえや……」
 
アルベルト達も頷く。もはやジャミルはバラモスよりもダウドの
応対の方に疲れている様である。
 
「フハハハハハハ!!」
 
「……カバが馬鹿笑いしてんじゃねえよ、このカバ野郎!!」

「気に食わないバカ奴らだがお前達は本当に面白い奴らだ……、
この魔王バラモス様をこんなにも楽しませてくれるとは……」
 
「あーあっ!よごザンスね!楽しくって!!お楽しみ頂けて
ます様で何よりっ!!」
 
逆切れジャミル。楽しんでる分見物料徴収してやるとか思ったし。
 
「……今までの奴らは屑ばかりだった……、このわしを倒すなどと
ふざけた事を抜かしおって……、勇者オルテガとやらも所詮雑魚よ、
大した事はなかったぞ!!」
 
「俺の……、親父???……、なの……?」
 
「だーかーらー!この話だけだから!気にする事ないよ!!」
 
「……あなたは絶対許さないわ……!よくも……!!
フィラちゃんやテドンの村の人達を……!!」
 
死んだフィラを思い、涙を浮かべ、アイシャがきっとバラモスを睨んだ。
 
「……テドン?ああ、あの村はわしが手を出したのではないぞ?」
 
「えっ……」
 
「手下のモンスター共に命令したのだ!テドンの奴らを皆殺しに
してこいとな!!」
 
「卑怯よ……!自分は手を汚さないで……!酷過ぎるわ……」
 
「アイシャ……」
 
ジャミルが慰める様にそっとアイシャの肩に手を置く。
……アイシャはジャミルの胸に顔を埋め暫く泣き崩れた。
 
「カバのバーカ……、バカバカバーカ……」
 
ダウドがバラモスに聞こえない様に小声で呟く。
 
「……最低のカバ野郎だな!!テドンの村の人達が
おめえに一体何したっつーんだ!何も罪はねえだろ!!」
 
「反乱分子がいたからだ!勇者オルテガと手を組んでいる者が
あの村の中にいたのだ、おまけにあの村は邪魔なオーブを
隠し持っていたと云うではないか!!そんな奴らは皆死んで当然だ!
死ね!!小賢しい人間共め!!」
 
「……許せねえ……」
 
ジャミルが怒りを込め再び稲妻の剣を強く握りしめた。
 
「何で急に真面目になるんだよお~……、オイラこの話の
変わり身の早さにもうついていけない……」
 
「フハハ!この世界はこの魔王バラモス様が支配するのだーーっ!!」
 
「……勝手に言ってろ!」
 
ジャミルがバラモスに切り掛った。