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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 決戦!バラモス編

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「無駄だ!わしは不死身……、何いーーーっ!?」
 
……バラモスの胸に大きな切り傷が付いている。
 
「悪ィけど……、俺怒らせちまったからねー、アンタ、俺怒ると
怖いよー?マジで」
 
ジャミルが床にペッと唾を吐いた。
 
「……やーん!ジャミルうー!かっこEー!!きゃ~っ!!♡」
 
アイシャが飛び跳ねてきゃあきゃあ燥ぐ。
 
「オ、オイラだって……、負けないぞ……!フレーフレー!!
ジャミルうー!!」
 
……何故かアイシャに異様に対抗しポンポンをダウドが振り出したが
アルベルトがスリッパで一発叩き阻止する。
 
「……腸を喰らいつくしてやると言ったが訂正してやるぞ!
貴様らの骨も残らぬ様ギタギタにしてくれる!!泣いて喚いても
もう遅いわっ!!」
 
「やれるモンならやってみろよ、気が済むまで……」
 
ジャミルは欠伸をする。……しかしその瞳は視線を反らさずじっと
バラモスを睨んでいる。
 
「ジャミル!駄目よ!!」
 
「だーいじょぶ、だいじょぶ、さっき戦ってみてコイツの動きの
パターンとか分ったんだ」
 
「雑魚めが……、強がりを……、これで終わりにしてくれるわ……!!」
 
「それはこっちのセリフだっ!!」
 
そう言いながら、ジャミルはバラモスから離れ、ささっと逃げる。
バラモスの怒りは頂点に達したのかジャミル一人を追い掛け
他のメンバーには目もくれなくなった。
 
「遅えぞ、カバデブ」
 
しかしジャミルは持ち前の素早さを生かしバラモスからヒョイヒョイ逃げ回る。
 
「ジャミル……、何かすごく楽しそうだよお……」
 
「う~ん……」
 
……巨体のバラモスは素早いジャミルを追掛けるのに段々疲れてきていた。
 
「く……、くそ……、ヒィー……、ハァー……」
 
ジャミルは頬杖をついてバラモスの前にちょこんと座りこみ、
首を傾げてニヤニヤ笑う。
 
「もう終わり?ホラ、メラゾーマとかやんねえの?当ててみ?」
 
「おのれーーーっ!!」
 
バラモスは渾身の力を振り絞りジャミルに掴み掛ろうとする。
が、ジャミルは待ってましたとばかりに笑みを浮かべた。
 
「ジャミル!!」
 
「……怒り蹴りMAX会心の一撃っ!!」
 
しかし、ジャミルの方が速くバラモスを蹴り飛ばしていた。
蹴られたバラモスはふっ飛ばされ、今度は自身が壁に衝突する。
 
「ウ……、ウォ……、おのれ……、絶対に許さんぞ……」
 
「……今だっ!バギクロス!!」
 
強烈な鎌鼬がバラモスの身体をあっという間に切り刻む。
 
「ナイス!アル!!」
 
「私もっ!もう一回マヒャド!!」
 
「……うおおおおおお!!」
 
アルベルトとアイシャも攻撃援護に再び加わり、魔法でジャミルを
サポートしてくれる。
 
「……オイラする事ないよお……、ぶつぶつ、ま、いいか、
……暇なのはいい事だよお」
 
「へへっ、二人ともサンキューな!!」
 
「凄いよ!ジャミル!!」
 
仲間達が喜び勇んで駆け寄ってきた。
 
「……まだだ、まだ終わってねえ!!油断するなっ!!」
 
「……フフフ……、フハハ……、フハハハハハ!!」
 
「可哀想に、等々カバが頭にきたな……」
 
「わしは死なぬ……、魔王バラモス様は不死身だ……!人間共を全て抹殺し、
この世界は……、このわしが支配するのだーーーっ!!」
 
「……くっ!!ああああーーーっ!!」
 
「……うぉぉぉぉ!?」
 
「ジャミルーーっ!!」
 
ジャミル怒りの渾身の一撃、……稲妻の剣がバラモスの心臓を突き刺した。
 
「……わ、儂は死なぬ……、バラモスサマハフメツ……、フ……、
フフフフフフ……、ウォォォォォォーーーーー!!」
 
バラモスは凄い地響きを立てそのまま床にどさっと倒れた……。
 
「……」
 
ジャミルが無言で稲妻の剣を鞘に納める……。
 
「ジャミルっ!やったね!!」
 
「ジャミル!!」
 
「よかったよおお……、ジャミルぅ……」
 
「……フフフ……、フ、フフフフ……」
 
「げっ!?」
 
「う……、うそ……!!」
 
「……これで……、終わったと思うな……、なぜなら……、 ……」
 
バラモスは全部喋り終えないうちに息絶える。やがて身体が徐々に
溶け始め躯になる。その亡骸は灰へと変わっていった……。
 
「何だよ……、最後まで気持ち悪い奴だな……」
 
「負け惜しみだよお!きっと……」
 
「良かった……、これで終わったんだね……」
 
「ジャミル!この剣……」
 
バラモスの死骸跡からピンク色の剣が残されていた。
ジャミルは急いで剣を拾い上げて確認をする。
 
「これは……、もしかして……」
 
「サブリナさんの……、誘惑の剣かしら?」
 
ジャミルとアイシャは顔を見合わせる。
 
「とりあえず此処を早く脱出しなくちゃ!!」
 
「あ、そうだな!!」
 
「僕の残りのMPを使おう、……リレミトっ!!」
 
アルベルトの魔法で4人はバラモスの城を脱出。
ラーミアとスラリンが待つ場所へと戻る。
 
「おかえりなさーい!!みんなー!!」
 
「クゥイイイーー!!」
 
外に出るとラーミアに乗ったスラリンが皆を迎えに待っていた。
 
「よお!留守番ご苦労さん!!おめえ、何かもうラーミアの主みてえだな!」
 
「ピキ?ボク、かっこいいのかなあ?」
 
ジャミルがスラリンを茶化すとスラリンが不思議そうにトンガリを曲げた。
 
「スラリンただいま!いい子にしてた?」
 
「ピキー!!おねえちゃーん!」
 
スラリンが喜んでぴょんっとアイシャに飛びつく。
 
「みんなすごーい!ほんとにバラモスたおしたんだねー!!」
 
「ああ、カバの癖に強かったよ、ホント……」
 
「ピキー?」

後日談

「ところで、気になってたんだけど……、その剣何だい?
もしかして、凄いお宝だったりする?」
 
お宝マニアのダウドが興味深そうにピンク色の剣を覗き込んだ。
 
「やっぱり……、この剣がサブリナさんの大切な誘惑の剣なのかしら」
 
「ねえ、何の話だい?僕も気になってるんだ」
 
「そうか、まだアル達には話してなかったよな……」
 
ジャミルはアルベルトとダウドにポルトガでの一件を話す。
 
「そうだったのか……、ならこの剣を届けにポルトガへ寄って行こう」
 
「もしかしたらサブリナさんの呪いも解けてるかもしれないわ!」
 
「……だといいけどな……」
 
「平気よ!呪いを掛けた張本人はもういないんだから!」
 
一行はラーミアに乗り三度のポルトガへと急いだ。


ポルトガ
  
ポルトガの町はバラモスが倒れた事の喜びでお祭り騒ぎである。
 
「たく……、どこで情報が漏れるんだか……、倒してきたばっかりなのによ」
 
「でも、皆凄く楽しそうね……」
 
町の中央には焼きたてのお菓子などを並べた市が並んでいる。
彼方此方から甘くて美味しそうな匂いが漂ってくる。
 
「持ってけドロボー!今日はみんなサービスだ!あ、本当にタダで
持っていくなよ!!」
 
「そこの兄ちゃん姉ちゃん達!見てってよ!!」
 
……グゥゥゥ~ッ……
 
「あ……」
 
たまらない匂いに釣られてジャミルのお腹が鳴った。