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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 新たなる厄災編

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精々無駄な努力をする事だな!!ハハハハハハ!!
 
 
ゾーマの声は消え、地鳴りも収まり城には再び静寂が戻ったが……。
 
「おお……、何と言う事だ……、やっと平和になったと言うのに……、
大魔王ゾーマ……、……あの様な奴がおったとは……、おお……」
 
「……」
 
「おいたわしや……、王様はすっかり元気をなくされてしまった……」
 
側近の大臣も俯き、悲しそうに呟く。
 
「お前達もう下がってよいぞ……、この事はくれぐれも民には言わぬ様……、
闇の世界が来るなどと……、どうして皆に伝えられようか……」
 
気分が落ち着かないままジャミル達は城を後にする。
町の中も地震の影響で混乱していた。
怪我人は多少いたものの、幸い死人は出なかったらしい。
4人は自分達にも何か出来る事をと、地震で崩れた瓦礫の
撤去などを手伝う。……気が付いた時にはすっかり日も暮れ、
既に夕方になろうとしていた。
 
「……ど、どうするの……、ゾーマ……、倒しに行くの……?」
 
浮かない顔で怯えながらダウドが聞いてきた。
 
「でも……、ゾーマが何処にいるのかも判らないわ……」
 
「手掛かりなしってか……、ふ~……」
 
「だけど……、バラモスを陰で操っていた奴がいたなんて……」
 
「……ああ……、ゾーマが黒幕だったんだ……」
 
 
……これで……、終わったと思うな……、なぜなら……、 ……
 
 
「あのカバが死に際に言ってたのはこの事だったんだな……、クソッ……」
 
家に戻るとスラリンを抱いたファラが慌てて飛び出してきた。
 
「あっ、帰って来た!ジャミルどうしたの?浮かない顔して……」
 
「ピキー!すごかったのー!がたがたーって!!」
 
「そう言えば昼間の地震凄かったねー!どうしたんだろうね、一体……、
あたい達、丁度お茶タイムでさ……、ホントびっくりだよ……」
 
「とりあえず腹減った……」
 
ジャミルはいつもの調子でおどけてファラに笑って見せる。
 
「はいはい……、ったく、あ、今日は皆も泊まっていきなよ、
夕ご飯の用意も出来てるよ、沢山作ったからさ」
 
「ジャミル……」
 
心配そうにアルベルトがジャミルを見た。
 
「……今日はもう休もうや……、何も考えたくねえよ……」

夕飯時もジャミル達は落ち着かず、食事の手も何となく進んでいない
様に見える。
 
「……ご馳走さん、ファラ、久々のお前の飯、美味かったよ」
 
「どうしたのさ!ジャミルもういいの?だってアンタいつも3杯
ぐらい食べるじゃん!」
 
「んーと、今日はもういいや……、何か疲れちまって……」
 
(プ……、最高5杯ぐらい食べたの見た事あるのに……)
 
「ねーアルってさ……、普段は大声出してあまり笑わないけど……、
時々横向いて笑ってんだよね……」
 
「うん、こそっと……」
 
小声で話すダウドとアイシャ。
 
その夜……、他のメンバーは皆、床に着いたがジャミル一人で眠れないでいた。
 
「これでふりだしに戻っちまった訳か……、あーあ……」
 
……しかし足りない頭で色々と考え過ぎた為、結局はすぐに眠って
しまったのだった。
 
 
……ジャミル……
 
 
そして今夜もジャミルの夢の中にいつもの声の主が現れた。
 
なあ……、そろそろ教えてくれないか……、あんた一体何もんなんだ……
 
 
もう時間がありません……、私があなたに伝えられる事はこれが最後です……
 
 
最後って……
 
 
もうすぐ私の心も完全に石になってしまう……、それまでに全てを
あなたに伝えます……
 
 
石になる……?それってどういう……
 
 
バラモス城の近くにギアガの大穴と呼ばれる場所があります……
其処からもう一つの世界へ向かうのです……
 
 
もう一つの……世界……?
 
 
そう……、其処は伝説の地……、そこですべてが判る筈……
 
 
其処へ行けばゾーマがいるってのか……?
 
 
ええ……、ゾーマはもう一つの世界、アレフガルドにいます……
 
 
アレフガルド……
 
 
頼みましたよ……、勇者ジャミル……、時間が来たようです……
 
 
えっ……!?お、おい……、どうしたんだ……!?
 
 
私は……、どうか私を……お……
 
 
声はそこで完全にぷっつりと途絶え何も聞こえなくなってしまった。
 
次の日の朝、ジャミルはファラがゴミ出しに出掛けた隙に
夢での出来事をアルベルト達にも話す。
 
「アレフガルド……、そんな所があるんだ……」
 
「そこにゾーマがいるのね……」
 
「で、でも……、なーんかあやしいよお~……」
 
「ダウド、ジャミルの夢に出て来た人は今まで間違った事は
言ってなかったでしょう……?何度も私達に色々教えて
くれたじゃない……」
 
「でも、まだそいつが何モンなのかも分かんねえぜ?」
 
「それはそうだけど……」
 
「……」
 
4人は考え込んでしまう。
 
「とにかく……、ギアガの大穴へ行ってみようぜ、ここで座り込んでてもしょうがねえ」
 
ジャミルが椅子から立ち上がった。その時。
 
「……何?ギアガの大穴って……」
 
「ヒッ……!?ふぁ、ファラ……」
 
いつ戻って来たのかいつの間にかファラが後ろに立っていた。
 
「ス、スラリン、お散歩しよーねっ!」
 
スラリンを外に連れ出すアイシャ。
 
「んじゃ、ジャミル、オイラ外で待ってるから!」
 
「お、おい……」
 
慌ててダウドもスタコラ逃げて行く。
 
「上手く説明しなよ、そこん処は君に任せるよ」
 
続いてアルベルトも逃げて行き、その場にはジャミルだけ取り残され……、
ジャミルはファラに追い詰められる。
 
「ジャミル……、……おほんっ!」
 
「あ、あのな……」
 
「昨日からどうも様子がおかしいと思ったんだよ」
 
「ハ、ハハ……」
 
「……こらっ!何隠してんの!教えな!!」
 
「わ、分ったよ……」
 
「お願いジャミル……、あたいに隠し事しないで……」
 
「……お前に余計な心配掛けたくなかったんだよ……」
 
「ジャミル……」
 
ジャミルは城での出来事、夢の中での声の事など、全てをファラに話した。
 
「そうだったんだ……、黒幕がね……、成程ね……」
 
「ああ……」
 
「んで、やっぱり行くんだ?」
 
「うん……、ごめん……」
 
ファラは一瞬淋しそうな顔をしたが、俯きそうになった顔を上げ、
笑顔でジャミルの方を見た。
 
「分ってるよ……、アンタ変な処で正義感強いんだもん……」
 
「ファラ……」
 
「行ってらっしゃい……、あたい止めないよ、だって……」
 
「……」
 
「あんたなら殺しても死なないと思うし」
 
「……おま~な~……」
 
「くれぐれも拾い食いなんかすんじゃないよ!みっともないから!」
 
「ダウドと同じ事言わないでくれ……」
 
「あら?」
 
「あのさ、ゾーマの事は町の奴らには言うなよ?」
 
「何で?」
 
「皆、バラモスがいなくなった事で安心してんだ……、けど、奴が
下っ端だったなんて判ったら……、また皆が不安になんだろ?」