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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 新たなる厄災編

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「優しいね、ジャミルは……、普段は野蛮でガサツな原始人だけど……」
 
「……野蛮とガサツは余計じゃ……!!あと原始人もだよっ!」
 
「ジャミルー、まーだーあ?」
 
家の外で聞こえる寝ぼけた様なダウドの声。
 
「わーったよ、今いく!」
 
「じゃあね、ジャミル……、でも、約束してよ、絶対……、必ず帰って
来るんだからね!」
 
「ああ、行ってくらあ!!」
 
ファラに見送られ、ジャミルが家を出て行く。ファラはそんな彼の後ろ姿を
見えなくなるまで、いつまでも……、窓からずっと見つめていた。
 
「……あいつ、帰って来なかったら呪いの藁人形打ち込んじゃうんだから……」
 
「びえええっくしっ!!……な、何か異様な悪寒が……、又風邪でも
引いたかな……」
 
ジャミル達は再びラーミアの背に乗る。いよいよ新しい冒険の開始である。
 
「久しぶりのラーミアー♡また宜しくねー!」
 
「クゥイー!」
 
アイシャが嬉しそうにラーミアの背中を撫でるとラーミアも一声鳴いた。
 
「あーあ、やーっと終わったと思ったのにィ~!」
 
ブーブー文句を言うダウド。
 
「ねえ、ジャミル、ポポタの所へ寄って行くでしょ?
ポポタ、喜ぶわよー!」
 
「ああ、約束したからな、バラモス倒したら会いに行くって」
 
しかしジャミルの表情は冴えず……。
 
「ジャミル……、元気ないね……」
 
アルベルトがジャミルの顔を覗き込んだ。
 
「んな風に見えるか……?」
 
「うん、何となく……」
 
(ジャミル……、ゾーマの事できっと頭がいっぱいなんだわ……)
 
「あ、あの……、ジャミル……」
 
アイシャが顔を赤くしながらジャミルに声を掛けた。
 
「ん?」
 
「一人で悩まないで……、私達がいるじゃない……!それはゾーマの力は
とてつもなく強大で恐ろしいかもしれないけれど……、私達4人の力を
併せれば、うん、きっと大丈夫よっ!!」
 
「何の話してんの……?」
 
「え……」
 
「……違うみたいだよ、アイシャ……」
 
「……え……」
 
「近頃……、なーんか便通が悪くって……、下っ腹がぽっこり
してきた様な気がすんだよなあ……」
 
折角のアイシャのジャミルへの励まし。一瞬にして灰と化す。
 
「だから、それは食べ過ぎだって……」
 
 
「……ジャミルのバカ!!」
 
 
「久々に聞いた気がするよお……」
 
「乙女心が分ってないね……、全く」
 
「おねえちゃん、おこった……?」
 
4人がギャースカ揉めている間にもラーミアは只管ただ、黙々と飛び続け、
やがてムオルの村へと到着。ラーミアがもし言葉が喋れれば、こんな
うるせー連中は金輪際背中に乗せたくないと口に出したかも知れない。
 
 
ムオルの村
 
 
「おお~、久しぶりだなあ……」
 
「本当、何処も変わってなくて何よりだね」
 
「ジャミルさん……?」
 
「や、どうも……」
 
「皆ー!!ジャミルさんだー!!」
 
村人達がジャミルを見つけるなり突進してきた。
 
「ジャミルさーん!!」
 
「ジャミルさん、お久しぶりです!」
 
「久しぶり……、こんちは……」

「ジャミルちゃーん!!」
 
「……げ!」
 
「元気だったかーい!?おばちゃんはもう淋しかったよーっ!!」
 
いつぞやの太ったおばさんがジャミルをサバ折りで力いっぱい抱きしめる。
 
「……ぐええええーっ!!」
 
「わーい!ジャミルたのしそうー!!」
 
「ねえ、本当にそう見える……?スラリン……」
 
ダウドがスラリンを横目で見るがスラリンはきょとんとしている。
 
「ピキー?」
 
「ちょっとずるいよ、あたしにも貸しとくれよ!」
 
「何を言う、わしが先ぢゃ!」
 
ジャミルはもう方々から引っ張りダコである。
 
「勘弁してくれーっ!」
 
「おにいちゃん?」
 
「ポポタか……?」
 
其処へ、ポポタ登場。ジャミルの危機?を救ってくれる救世主現る。
 
「わーい!ジャミルおにいちゃんだーっ!やくそくまもってくれたーっ!!」
 
「はは、元気だな、相変わらず……」
 
「こんにちは、ポポタ」
 
「アルベルトおにいちゃん!ダウドおにいちゃん!アイシャおねえちゃん!」
 
「あ、この子も宜しくね、お友達なのよ」
 
「ピキー!ボク、スラリン、よろしくー!」
 
アイシャがスラリンをポポタに見せると、スラリンもトンガリを曲げて
ご挨拶した。
 
「わー!ちっちゃいスライムだーっ!」
 
「う~ん、悔しいねえ……、やっぱりポポタに取られちまったか……」
 
「えへへ!おにいちゃんたちはぼくとあそぶんだよ!!」
 
ポポタが笑顔でジャミルの手を取る。
 
「はやくおうちいこ!おじいちゃんもおにいちゃんたちにあいたがって
たんだよ!!」
 
「よし!後で村長の家に突撃してやる!!」
 
「待ってろこんちくしょー!」
 
村人たちは揃ってドタドタ走って行った。
 
「なんか……、相変わらず面白い人達だね……」
 
「うん…すごくユーモアたっぷりと言うか……、明るいと言うか……」
 
村人達の元気パワーに付いていけないダウドとアルベルト、顔を合わせて
苦笑い。
 
「いこ、おにいちゃん!」
 
ポポタがジャミルをぐいぐい引っ張る。先程からもう待ちきれなくて
燥いでいた。
 
「こら!そんなに急ぐと転ぶぞ!……オウッ!?」
 
「いーんだもん!」
 
ポポタはジャミルをどんどこ引っ張って行き、そう注意するジャミル自身も
転がりそうに……。
 
「おじいちゃん!」
 
「おお、お帰り、ポポ……」
 
「こんちは」
 
「おお……!!ジャミルさん達ではないですか……!!」
 
「こんにちは、御無沙汰してます、村長さん」
 
「こんにちはー!」
 
「えへ、お久しぶりでーす!」
 
アルベルト達3人も揃って挨拶する。
 
「すごいよねー!おにいちゃんたちはほんとうにバラモスやっつけ
たんだよー!!」
 
「おお……、ジャミルさん達……、本当にあの魔王バラモスを
成敗するとは……、あなた方はまさに真の英雄です……!!」
 
「いや……、んな事ねえよ、それに……」
 
ゾーマの件を思い出し、ジャミルの顔が曇った。
 
「さあ、立ち話も何ですから、どうぞ家の中へ……、お疲れでしょう」
 
「おはなしいっぱいきかせてね!」
 
「ん?あ、ああ……」
 
4人は又暫く、ポポタ家にお世話になり、暫しの休息を得る事となった。
 
「やはりあなた様は勇者オルテガ殿の息子さんなのですね……」
 
紅茶を注ぎながらポポタの祖父が嬉しそうに言った。
 
「あ、その事、ファラに聞くの忘れちまったい」
 
「でも、もし、そのオルテガって人がジャミルの父親なら……、
ファラって、オルテガさんと結婚した事になるんじゃない……?」
 
と、ダウドが推測突っ込みを入れた。
 
「ガチョーン!!」
 
「うん、……で、その息子が……、ジャミル……と」
 
更にアルベルトも予測してみる。
 
「この話はパラレルだって言ったじゃんか!」
 
「まあ……、それはそうなんだけど……、あまり深く考えると