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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 新たなる厄災編

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「……もうっ、ダウド!!」
 
「す、すいません……」
 
「はうあ!?」
 
……チュ♡に反応したのか、ジャミルがいきなり飛び起きた……。
 
「びっくりした……、急に起きないでよ……」
 
「ジャミルが一番ねぼすけだよお……」
 
「ふん、何とでも言えよ」
 
「朝御飯食べたら出発しようよ」
 
「朝も何も……、もう11時近いけどね……、朝ごはんじゃなくて、
もうお昼だよお」
 
「あら、ジャミル……、そのお人形は……?」
 
アイシャがジャミルが寝ていた側に置いてあった奇妙なツギハギ
だらけの人形に気づく。
 
「え……?こ、これ……、か……?」
 
「なあに……?」
 
「俺が作ったスラリン人形だ……」
 
「え?」
 
ジャミルは顔を真っ赤にし、人形の方を見ず、さっと人形をアイシャの
方に向ける。
 
「……アイシャに……、やる……」
 
「ジャミル……、私に……?」
 
「下手糞だからさ……、不細工だし……、その、全然似てねえけど……、
その……」
 
「……もしかして……、それを作る為に、焚火番を引き受けて……、
夜通しで起きてたの……」
 
アルベルトが聞くとジャミルは顔を赤くしたまま、返事を何とか返した。
 
「ああ、そ、そうだよ……、い、要らなきゃ捨てていい……」
 
「ジャミル……、私の為に……、ごめんね、手が傷だらけ……」
 
アイシャがジャミルの手にそっと触れた。
 
「……こ、これくらい何ともねえよ」
 
「ジャミル……、ありがとうね……」
 
「……いや…悪いのは俺なんだし……、スラリンを置いていくって
言ったのは俺だから……」
 
ジャミルが横を向いてポリポリポリポリ、困って植○ま○し全開状態で
頭を掻いた。
 
「でも、ジャミルの判断も、言った事も間違ってなかったと思うよ」
 
「アル……」
 
「これからの事を考えれば正解だったと思う、僕らだってこの先、
どんな危険な目に遭うか判らないんだから……」
 
「やっぱり私……、ジャミルが好き……、ずっと、ずーっと……」
 
アイシャがジャミルにぎゅっと抱きつく。
 
「……ヒ、ヒェッ!?」
 
途端にジャミルの心臓はどっきんこ、バクバクし始めた。
 
「ほら、始まった……、うーん、ニクイねえ、ジャミルう!!このバカ!」
 
ヒューヒュー状態でダウドが茶化した。
 
「うわわわっ!う、うるせーんだよっ!誰がバカだっ、バカダウドっ!」
 
「ふふ、僕らはお邪魔かな……?」
 
「え……、えーー!?ア、アルまでっ!」
 
「今日は特別サービスにしといてあげるよお!」
 
「……いつもサービスしてるよ……、ジャミル、僕ら向こうに行ってるからね」
 
「えー!?」
 
「でも、程々にねー!」
 
「そうだよお、くれぐれも制限しなよおー!お助平さあ~ん!」
 
「……何がだよっ!……たく……」
 
「ジャミル……」
 
「ん?」
 
人形を胸にぎゅっと抱きしめ、改めてアイシャがジャミルの顔を見る。
 
「大切にするね……、このお人形……」
 
「い、いいよ……、そんなに気ィ遣うなよ……」
 
「凄く嬉しいの……、本当に有難う……」
 
ジャミルもアイシャの身体を側に寄せるとそっと抱きしめた。
 
「ごめんな……、俺の所為で辛い思いさせて……」
 
「ううん……、そんな事ないよ……」
 
 
……
 
 
出発する頃にはアイシャはすっかり元気になっていた。嬉しそうに
ずっと人形を抱いている。
 
「うーん、この子に名前つけてあげようかな……?どんなのがいいかなあ?」
 
「ジャミルニ世は?」
 
「プ……」
 
「……人をルパン三世みたいに言うなっ!このバカダウド!!」
 
「そのままで、スラリンじゃ駄目なのかい?」
 
「ううん、この子は違うの、新しいお友達だから」
 
「じゃあ、スラ太郎でいいんじゃね?」
 
「はあ?」
 
「なんて単純なネーミングセンスなのかしら……」
 
「……さっきからいちいちうるせーな!アホダウド!!」
 
「スラ太郎……、うん、スラ太郎ね!」
 
「はあ!?ホ、ホントにそれでいいの、アイシャ……」
 
「うんっ!」
 
ダウドが驚くも、アイシャは笑顔。どうやら、命名、スラ太郎……、に、
決まったらしい。
 
「……13円の駄菓子みたいだよお……」
 
「ホ、ホントに適当に言っただけなんだけどなあ……」
 
「でも……、アイシャ、凄く嬉しそうだよ……」
 
「アイシャ、オイラのショルダーバッグあげるね、これに人形入れて
持ち歩くといいよお!」
 
「うん、ダウドありがとう!」
 
アイシャはダウドからバッグを受け取ると、中に嬉しそうにスラ太郎を
入れるのであった。
 
「うふふ、宜しくね、スラ太郎!」

それから、所々でラーミアを休憩させつつ、約一日でネクロゴンド
付近まで辿り着く。
 
「どの辺にあるのかな、ギアガの大穴って……」
 
「バラモス城の近くって言ってたからな……」
 
「……」
 
「どしたい、アル」
 
「あれ……」
 
周囲を岩山に囲まれた奇妙な城が目についた。
 
「な、なんだあ……?」
 
「あんなのあったっけ……、バラモスの城以外にもお城があったんだあ……」
 
「ちょっと気になるな……、行ってみるか?」
 
「でも、怪物の城だったら……」
 
「だったら尚更僕らは行かなくちゃだよ、ダウド」
 
「あ~うう~、だよねえ~……」
 
ヘタレモードが発動しそうなダウドを抑えて、4人は城に行ってみる事に。
 
「ラーミア、頼む」
 
ラーミアの力を借り4人は山脈を越え、城の中へと足を踏み入れた。
 
「ようこそ……」
 
城の中には馬が二匹いてジャミル達を出迎える。
 
「ここは天空に一番近い竜の女王の城……」
 
「竜の女王……」
 
ジャミル達はエドで慣れているので馬が喋っても別に驚かなかった。
……内部には何人かホビットもおり、何かあったのか皆、嘆き悲しんでいた。
 
「おいたわしや……、女王様はあと幾何の命とか……」
 
「ご病気なんですか!?」
 
アイシャがそう尋ねるとホビット達は顔を曇らせたまま返事を返す。
病気は相当深刻な様でもう命は助からないらしい。
 
「ええ……、女王様は自らのお命と引き換えに……、卵を産むらしい……」
 
「……」
 
「女王様はそなた達の事が見えていた様だ……、そして必ず此処にも
訪れると…」
 
ジャミル達は女王に謁見する事を許され、女王の部屋へと案内された。
 
「……待っていました、勇者達よ……、私は竜の女王です……」
 
女王はもう息も絶え絶えの姿で苦しそうだった。
 
「女王様……」
 
手を胸の前で組んでアイシャが心配そうな顔をする。
 
「もし……、そなたらが闇の魔王と戦う勇気があるならば……、
この光の玉を授けましょう……」
 
ジャミルが頷き、女王から光の玉を受け取る。すると光の玉は淡く
小さく輝いた。
 
「どうかその玉で一刻も早く平和を……、これから生まれ出る、私の
赤ちゃんの為にも……」
 
「勇者様達、……女王様に会って頂き、本当に有難うございました……」