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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 アレフガルド編1

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かつてこの城に存在していた王者の剣がその一つなのだ……」
 
「それがありゃゾーマに勝てるかも知れねえって事か……」
 
「しかし……、もう幾つかは破壊されているやも知れぬ……」
 
「ま、探してみなきゃわかんねーよ?」
 
と、ジャミルが言葉を呟いた、その時……。
 
 
 
     ……ジャミルーーっ!!
 
 
「あ……」
 
窓の外から聞き覚えのある、やかましい声が聞こえた。
 
「ジャミルーっ!どこ行ったんだーい!スリッパで叩かないから
出ておいでー!!」
                       ↑多分嘘。
 
「少しだけオイラのおやつあげるよーっ!!」
 
「ジャミル……、どうしよう……、ジャミル……」
 
「……あ……、アイシャあ~!大丈夫だよお!ジャミルは何処にも
行ったりしないからあー!!多分、催して何処かにトイレを探しに
行って迷子になってるのかも!」
 
「……何やってんだよ、あいつら……、てか、ダウドの野郎……」
 
「お仲間ですか?あなたを探している様ですが……」
 
他のメンバーもジャミルを探し回っている内に、こんな場所まで
足を広げ探しに来てくれたのである。
 
「ああ、そうなんだよ……」
 
「そうだったんですか、お忙しい処お時間を頂いてしまいまして……」
 
「いや、こっちこそ、あんたのお蔭で助かったよ、サンキュー!」
 
「もう町の方もそろそろ落ち着いた頃だと思います、それと、これは
この世界の地図です、どうかお役に立てて下さい……」
 
「本当色々悪いな……、んじゃあ、俺はこれで……」
 
「勇者よ……」
 
「ん?」
 
「気を付けてゆくのだぞ、くれぐれも無理はするな……」
 
ジャミルはジョニーと国王にVサインをすると武器屋を出た。
 
「さてと、……奴らと合流しねえと、……あ!」
 
「本当に何処行ったんだよ、もう!」
 
「トイレを探し過ぎてどっか他の場所に行っちゃったのかな……」
 
「……そんな……、だって……」
 
 
いつもの3人がこっちへ走って来るのが見えた。
 
「おーい!」
 
ジャミルが3人に向かって手を振ると、ジャミルの姿に気づき、
慌ててすっ飛んで来た。
 
「何してんの……、お前ら……」
 
「……もー!散々あちこち探し回ったのよ!何してんのじゃないでしょ!
ジャミルのバカ!!」
 
「足、疲れたんだよおー!!」
 
「あんまり心配させないでよ……、まあ、いつもの事だけどさ……」
 
「悪かったよ……」
 
そう言いつつもジャミルも3人も漸く再会出来、お互いに一安心した
表情を見せた。4人は大通りの方へと再び歩き出す。
 
「とりあえず宿屋に行って話そうよ」
 
「けど、町の連中は?……本当に大丈夫か?」
 
「皆飽きて帰っちゃったみたいなの……」
 
「そっか、良かった……」
 
「あ、ジャミル……、もしかしてそれで今まで隠れてたのかい?」
 
「その事なんだけどな……」
 
 
ラダトームの宿屋
 
 
「そうだったんだ……、国王様がね……」
 
「良かった……、ゾーマが怖くて逃げだしたんじゃないのね……」
 
宿屋のロビーには、3、4人、人がいたが、昼間と違い静かな物で、
皆ジャミル達には見向きもしない。カウンター越しの店員は宿帳に
何か記入している。
 
「それで……、今後の事はどうするの……」
 
「そうだなあ、どうすっか……」
 
アイシャに聞かれ、椅子にもたれてジャミルが考える。
 
「おい、兄ちゃん達」
 
斜め先のテーブルでトランプをしていた男がジャミル達に近寄ってきた。
 
「旅行かい?この緊迫した時代に……、ハッ!」
 
ジャミルは少しムッとしたが何も言わず黙っていた。
 
「しかしまあ何だ、この世界も国もお終いだあな、国王まで逃げ出す始末たあ」
 
「……とりあえず……、昼間言った通り明日から暫くレベル上げしておこうよ、
2、3日は宿屋に泊らないといけないけど……」
 
「シカトか、ふんっ!クソガキ共め!」
 
ガラの悪い男は自分のテーブルに戻って行った。
 
 
それから3日後……。
 
 
ジャミル達はどうにか動く石像ぐらいは真面に相手に出来るぐらいに
LVを上げ、成長を遂げる。
 
「♪みてみてー、私、ドラゴラム覚えたのー!」
 
アイシャはそう言うと呪文を唱え、巨大な竜へと姿を変えた。
 
「おおーっ!!」
 
「えへっ!」
 
「ジャミルが浮気したら燃やしちゃえ!」
 
「……余計な事言うんじゃねえよ、バカダウド……」
 
「痛あーっ!」
 
「あ、僕もやっとべホマラー覚えたよ!」
 
「何それ?」
 
「これ一つでべホイミが皆に掛けられるんだよ」
 
これがあるのと無いのでは随分違う、本当に頻繁にお世話になる
重要魔法の一つである。
 
「すげえな、アル!!」
 
「……オイラは更に逃げ足が速くなってしまいました……」
 
「よかったね……」
 
「……」
 
「アルまでぇ、そんな目で見ないでよおー!」
 
「あ、俺も俺も!」
 
「ジャミルもかい?」
 
「ああ、やっとべホマ覚えた、ほら」
 
「わあ!これでもっと戦闘が楽になるね!」
 
アイシャが笑った。
 
「有難いけど……、やっぱりジャミルはなるべく物理攻撃に
回って貰った方が……」
 
「何でだよ!」
 
「そうよ、アルだって楽に戦えるじゃない!!」
 
「ただでさえ君はMPが少ないんだから……」
 
「あっ、そうか……、だよな……」
 
アルベルトに言われ、ジャミルが自分のMPの現実に気づき、少し項垂れる。
 
「多用してるとあっと言う間にMP終わっちゃうからもしもの時に
温存しておいて」
 
「あのー……、オイラ……」
 
「何?ゴキブリダウド君」
 
「ゴ……、ゴキぃ……!?」
 
「……ゴキブリみたいにガサガサ逃げ足が速いっちゅー事」
 
「ま、まあまあ……、ジャミル……」
 
「うわああーん、ジャミルがいぢめるう~……!!」
 
「……だから!気色悪ぃんだよ!いい歳こいて!!」
 
「オイラ何歳……?」
 
「……いくつだっけ……」
 
「僕に聞かれても困る……」
 
彼の実年齢は原作でも不明である。……ジャミルと同じ年齢なのか、
それとも年下なのか。
 
「……」
 
「……まあいいや、今日は宿に戻ろう……」
 
と、アルベルトが呟く。
 
「くそう……、オイラだって……、レミラーマ……!!……きゃーっ!?」
 
「!?ダ、ダウド!お前何してんだよ!!」
 
「……地面に何か埋まってないかと思ってえー!魔法で掘り起こしたら大量の
犬のうんち!!……あっ!人間のも混ざってる!」
 
「何でオメーはそうやって余計な事ばっかすんだっ!!バカダウド!!」
 
「きゃーっ!ごめんなさーい!!」
 
結局……、宿に戻る前にジャミル達はダウドが発掘した犬のフンを
掃除する羽目になった……。
 
「環境美化になってよかったねー!」
 
「……よくねーっつんだよ!」
 
「あいたっ!!」

夜までまだ時間が有る為、ジャミル達はラダトームの町で少し情報を
集める事にした。