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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 アレフガルド編3

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案内のお姉さんは再び業務を始め、結局謎の笛はジャミル達がそのまま
引き取る事になった……。……後々、この笛はある重要人物を救う為の
重要アイテムだと判明するのである。しかし、一体何故、そんな貴重な
笛が風呂に沈んでいたのかは永遠の謎のままで。


漸くマイラに戻ってきたものの、あっち行ってこっち行ってで、忙しい
4人組は今度は精霊のほこらへ向かう為、又船の方へと戻った。
 
クラーゴンにも遭遇せず、暫く穏やかな中での航海が続く中……。
 
「この笛……、一体何に使うんだろうな?」
 
ジャミルは温泉で手に入れた笛が気になって仕方がない様子。
 
「試しに吹いてみたら?何か飛んでくるかもよ……、マグマ大使とか……」
 
ダウドが茶化す。……そんな物飛んで来られても困るだけである。
 
「うーん……」
 
ジャミルが笛の用途について只管考えている。
 
「ハア、お風呂の中に落ちてたのも訳わかんないよねえ……」
 
「考えれば考える程、頭が混乱する……、たかがこんな笛ぐらいで……、
くっそ……、……どうでもいい事なのによ!」
 
「ジャミルがあんなに頭を使って真剣に考えている……、何か悪い事が
起きる前兆の様な気がする……」
 
「……何だバカダウドっ!」
 
「みんなー、お茶にしよ!アルも舵休めてー!船止めてー!」
 
アイシャがお盆にお菓子とハーブティーを乗せ甲板に持ってきた。
 
「おー!わりィな、アイシャ!」
 
「……じゃあ、何処かに船を停泊……?」
 
アルベルトがそう言った瞬間……。
 
「……きゃあ!?」
 
「う……、うわ!ま、また!」
 
船体が大きく横に傾き、海からクラーゴンが三度目で姿を現した。
 
「……ぎゃあー!わ、悪い事当ったあー!」
 
「……出やがったな、クソタコ!!ここであったが100年目……!
今日こそ今此処でケリをつけたるわい!!」
 
「ああ……、お茶……、折角淹れたのに……、零れちゃったじゃない……!
もうっ!!」
 
アイシャがぷっと膨れてクラーゴンを睨んだ。
 
「ジャミル……、オイラも言うけど、タコじゃないってば、イカだよ……」
 
「う、うるせーな……」
 
「それに100年も会ってないし」
 
アルベルトが鼻を鳴らす。
 
「いいんだよ、いちいちうるせーぞ!」
 
「ま、どうでもいいや、行きますか!」
 
アルベルトが呪文の詠唱を始める。
 
「バギクロス!」
 
真空のかまいたちがクラーゴンに襲い掛かった。
 
「私もっ!べギラマ!!」
 
「へーへー、皆さんお強いですねーっと!」
 
「きゃあーーっ!」
 
「アイシャ!」
 
クラーゴンの触手がアイシャの身体を弾き飛ばし、ジャミルは慌てて倒れた
アイシャに駆け寄る。
 
「大丈夫か!?」
 
「うん、平気よ……」
 
アルベルトもキッとクラーゴンを睨んだ。
 
「大丈夫、頑張らなくっちゃ……」
 
アイシャがふらふらと立ち上がる。
 
「おい……、無理すんなったら……」
 
「……ジャミル、行こ」
 
アイシャはアルベルトの所へと戻る。
 
「ごめんね、アル、私ももう一回……」
 
「だ、駄目だよアイシャ!無理しちゃ!!」
 
「本当に私は平気よ……」
 
「駄目だっつーの!」
 
「……ジャミル……」
 
「これでケリつけるからさ、な、すぐ終わらせるから……、待ってろよ、な?」
 
「で、でも……」
 
(いいなあ~……、アイシャは特別待遇でさ……、オイラだって……)
 
「ああ……、触手だか……、足なんだか……、こんがらがってきた……、
しっかし邪魔だな……、マジでどうするか……」
 
「何とか本体だけ攻撃に集中出来れば……」
 
「うわぁぁぁーっ!!」
 
「!?」
 
「ダウド!!」
 
クラーゴンが今度はダウドを触手で捕獲する。
 
「ぎゃー!!おろせえええー!高いのやだーーっ!!」
 
「たく……!何やってんだよ……!!」
 
「は……」
 
ジャミルがはやぶさの剣で素早くスパッと、ダウドを拘束している触手を
斬った。
 
「助かったああー……」
 
……しかし、斬った処から又ニョキニョキと触手が生えてくる。
 
「……チッ!やっぱ本体叩かねえと駄目みてえだな……!」
 
「あうあうあうう~!!」
 
ダウドが甲板に這いつくばった。
 
「このままだとみんな海のもずくだよお……」
 
「……藻屑でしょ……、だったらこいつを倒すしかないよ!?」
 
「よし、連携だ!連携!」
 
「あのね……」
 
「いいじゃねえか!こっちはよう……、連携システムに組み込ま……
アウアウ!」
 
「……ゲーム違うから!頼むから大人しくしてて!!」
 
「やだっ!!誰が大人しくするか!!」
 
 
           パンッ!!
 
 
「……っつう~……」
 
「はあ~……、でも何かすっきり……、暫く叩かなかったから……」
 
アルベルトがmyスリッパにいい子いい子した。
 
「この野郎!お前……、スリッパに絶対何か入れてんだろう!!」
 
頭を叩かれ涙目になるジャミル……。
 
「わかる……?ちょっと改造して鋼鉄製にしてみたんだよ!」
 
「……お~いっ!?」
 
(……知らない間にアルがどんどん凶悪になるわ……)
 
「あっ……」
 
「どうした、アイ……」
 
「うぎゃーーーーっ!波ーーーっ!」
 
「うわーーーーーっ!!」
 
ダウドも皆も絶叫す……。ブチ切れたクラーゴンが高波を起こし船ごと
飲み込み4人はモロに大波の中へ……。
 
「……しょっぺー……、ペッペッ!!」
 
「く、苦しかったあ……」
 
「もう……、溺れちゃうかと思ったわ……」
 
「う……、ゴホッ……」
 
漸く船と共に大波から抜け出し4人が安堵の吐息を洩らした。
 
「…もう!遊んでる暇はないんだよ!判ってんの!?えー?ジャミルっ!!
ギャースギャース!」
 
ジャミルに説教を始めるアルベルト。
 
「へいへい、悪うござんしたよー!」
 
「ふふ……」
 
「……笑ってんじゃないっ!ダウドもだよっ!!」
 
「ごめんよお……」
 
(でも……、アルも少し悪いと思うわ……)
 
と、思うアイシャであった。
 
「んじゃ、気を取り直してっと……、ぼちぼち本番いくかなー!」
 
「僕らが触手と足を何とかする、ジャミルは本体を!」
 
「私ももう大丈夫よ!」
 
「おう」
 
(んー……、結構むずいな……、切り落ちた触手やら足が又生えてくるまでに
……本体にダメージを与えるってか……、こりゃ大仕事だな、俺……」
 
「オイラもがんばろーっと!」
 
「いくよ……、ベギラゴンっ!!」
 
「イオラ!!」
 
アルベルトとアイシャが呼吸を合わせ同時に魔法でクラーゴンの足を
焼いていく。
 
「おいしそう……、焼きイカだあ……」
 
「ダウド、君は薬草でジャミルの回復のフォローを!……頼んだよ!」
 
「あっ、うん!」
 
「もらいーっ!」
 
ジャミルは何度も生えてくる足に注意しながら素早く動き、本体へと
ダメージを与え、少しずつクラーゴンの体力を削る。
 
「3ヒットーっ!」
 
「べギラゴン!!」