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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 アレフガルド編3

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「もういっちょ!」
 
「イカが何だか弱ってきたよお!」
 
「もう少しよ、ジャミル!」
 
「おうっ!」
 
(頑張れ俺……、もう少しだとさ……!)
 
「……マヒャドーーっ!!」
 
アルベルトとアイシャが声を揃え、同呪文でクラーゴンの触手を凍らせ
固まらせる。
 
「とどめーーーっ!!」
 
会心の一撃でジャミルがクラーゴンの本体を突き刺す。……遂に止めを
刺した……。
 
「……終わったあ……」
 
力尽きたクラーゴン……、その巨大な身体は海へと沈んでいった……。
 
「……」
 
「ハア……、今回はやけに長かったねえ……」
 
疲れ切ったダウドが甲板に座り込む。
 
「一回きりじゃ勝負つかなかったしね……」
 
「疲れたわあ~、もう私もMPが尽きる寸前でギリギリよ……」
 
「ま、いいや……、やっと倒したんだし……、刺身でも当分イカは食いたく
ねえや……」

それから只管、船で南へと下り、ガライが情報を教えてくれた
ほこらが見えて来たのだが……。トンチンカンのガライが場所を
間違って教えたらしく実際はメルキドから歩いて行ける距離に
ほこらはあったのだった……。
 
「あー!疲れた、疲れたっと!……何やってたんだろうな……、
バカだな、俺達……」
 
ジャミルが溜息と欠伸と背伸びをした。……分からない様についでに
おならも落とした。
 
「やっぱり地図できちんと確認しないとね……、ほら、こっち側の
ほこらと……、ガライさん勘違いしたんじゃないのかな……」
 
「遠回りしちゃって大変だったけど……、LV上げも出来たから
良かったと思わなくちゃね……」
 
「けど、ほこら回りも結構疲れるねえ……」
 
「早く中に入ろうぜ」
 
「あ、ジャミル……」
 
先頭をきってジャミルが張り切って中に入って行く。
 
「こんちわー!」
 
「あなた達は……」
 
中には妖精の様な……、エルフの容姿の様な女の子が一人でいた。
 
「俺達、大魔王ゾーマを倒す旅をしてんだ」
 
「まさかあなた達が……、バラモスを倒したと云う伝説の……」
 
「へへっ、でも伝説にはまだ早……」
 
「私は精霊ルビス様にお仕えしておりました、妖精です……」
 
「精霊ルビス……?」
 
「お願いします……!」
 
「わわっ!?」
 
「!!」
 
妖精はジャミルに抱き着いてくる。……妖精は身体は小さいものの、
アイシャと比較する様に、意外と胸は巨乳であった。
 
「どうか……、どうか……、ルビス様をお助け下さい……!!」
 
「ちょ、ちょっ……、うわー!」
 
「……」
 
「ルビス様は……、このアレフガルドの大地をお創りになった、云わば
この世界の創造主です!!」
 
「……ひ……、ひひひひ……、く……、くすぐってぇーっ!」
 
妖精の胸がジャミルの身体に当るのでそれが異様にくすぐったいらしい。
 
「……」
 
「ですが、ルビス様の力を恐れたゾーマがルビス様を……、マイラの
西の塔に閉じ込めてしまったのです!!」
 
「……」
 
「ああ、あなた!?」
 
「えっ?な、なあに?」
 
先程からボケッと様子を眺めていたアイシャ。はっと我に返ると妖精が
アイシャをジロジロ見ていた。
 
「そのカバンの中に入っている物は何ですか!?」
 
「……ス、スラ太郎の事?」
 
「違います、その笛です!」
 
笛はいつの間にかスラ太郎の入っているショルダーバッグに
押し込められアイシャが管理していたのだった。
 
「この笛はマイラの温泉に沈んでいたの」
 
「ちょっと見せて頂けますか?」
 
「あっ、はい……、どうぞ」
 
「……あああ……、やはり……」
 
じっと笛を見ていた妖精はやがて感極まり、涙を溢し始める。
 
「?」
 
「あなた達は……、ルビス様のおっしゃっていた選ばれし者なのですね……」
 
「は、は……?」
 
「この笛は妖精の笛といいます……、これを見つけられたと言う事は……、
やはりあなた達がルビス様を救って下さる救世主様達なのですね!?」
 
「よくわかんねえけど……」
 
「妖精の笛があれば……、石像にされたルビス様の呪いを解く事が
出来る筈です……」
 
「ん?石像……?もしかして……、石にされちまったのか!?」
 
「ええ……、ああ……、ルビス様……」
 
「待てよ……?」
 
 
もうすぐ私の心も完全に石になってしまう……、それまでに全てを
あなたに伝えます……
 
 
「……もしかして……、あの声……」
 
「どうかなされたのですか……?」
 
「いや、実は……」
 
ジャミルは夢で聞いた声の主の話を妖精に伝える。
 
「まあ……!間違いなくその声はルビス様ですよ……!!ルビス様が
あなた方に助けを求めていたのですね……」
 
「はあ……」
 
「どうかお願い致します……、ルビス様をどうかお助け下さい!!」
 
「分ったよ……」
 
ジャミルは妖精に向ってこくっと頷いた。
 
「……勇者様!!ああ、光の救世主様!」
 
「わーっ!!」
 
妖精はまたもジャミルにしっかり抱き着いてくる。うっかりすると、
ドサクサに紛れ、この妖精はジャミルに接吻をしかねない勢いである。
 
「……ぴきっ……」
 
そして、……等々アイシャが噴火寸前に……。
 
「ルビス様からお預かりした大切な物があるんです、もしも勇者達が此処を
訪れたなら、渡して欲しいと……」
 
そう言って妖精は一本の杖をジャミルに差し出す。
 
「雨雲の杖です、私の思いを込めて……、どうか受け取って下さい……」
 
「それって……、ゾーマの城へ渡るのに必要なアイテムの一つだよね?」
 
ダウドがジャミルの肩越しに横からぬっと割り込んでくる。
 
「はい」
 
「後は聖なる守りだけか……」
 
「まあ……、太陽の石もお持ちなのですね……、凄いわ……、流石は
勇者様ですね……」
 
「あん?い、いや……」
 
「……用事済んだ!?私、先に船に戻ってるからね!」
 
今まで黙っていたアイシャが急に大声を上げた。
 
「な……、何怒ってんだ……?」
 
「プッ……」
 
「じゃあ、俺達そろそろ……」
 
「行かれるのですね……」
 
「……ああ」
 
「勇者様、お気をつけて……、どうかご無事で……」
 
そして男衆も船に戻るが。アイシャの機嫌は悪いまま。ちなみに。先程、
アイシャはジャミルが妖精に抱き着かれた際のあそこの尖り具合もしっかり
チェックしていたのである。
 
「なあ……、さっきから何怒ってんの!アイシャあ!!」
 
「知らないもん……、それに別に私……、怒ってないよ……、おっきい胸と
スケベなジャミルになんか怒ってないったら怒ってないのよう……」
 
誰がどう見ても明らかにアイシャは機嫌が悪く、焼きもちを焼いて
膨れているのだが。
 
「……これは……、ちょっとやそっとじゃ収まりそうにないね……」
 
「ねー……」
 
アルベルトとダウドがヒソヒソ話をする。
 
「あーあ、折角なあ、今度一緒にたこ焼きでも食いに行こうと
思ってたのになあー!」
 
「行くわよ……、もうお腹破裂するまで食べてあげるんだからね、ヤケ食い