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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 アレフガルド編4

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「……このまま預けようか……、もしかしたら改心するかもしれないし……」
 
「……だと、いいけどな……」
 
多分、改心は無理だと思ったものの、ジャミル達は馬鹿トリオを
炭鉱夫達に任せ、親父とロボットを連れてマイラに戻る事にした。
 
「モウ、クサクナイ!クサクナイ!」
 
「またな、坊主ども!」
 
「何年掛かるか判んねえが、必ずトンネルを開通させるぞ!
そん時は是非立ち寄ってくれよな!」
 
「ああ、頑張ってくれよ!」
 
「……ボクら~……、一体なんでこんな事してるのね……」
 
「はたらくのキライなのね~……、とほほ~……」
 
「腕がいたいのねえ~……、もう、いやなのね~え……」
 
「真面目にやれオラッ!!さもねーと、ツルハシで頭かち割んぞ!?」
 
「……きゃー!こわいのね~え……」
 
「おしっこもうんちももれちゃいそうなのね~……」
 
「こんな生活……、もうイヤなのね~……」


ジャミル達はマイラへ戻り、王者の剣の最後の調整と鍛冶を
道具屋に頼んでもう一晩をマイラで過ごす事にした。
4人にとって、最後の温泉浸りでもあった。
 
「……明日はいよいよルビス様を助けに行くんだねえ……、う~ん、
過ぎて見ればこの村で過ごした時間も……、
あっと言う間だったよお……」
 
「マイラの村の皆ともお別れなのね……」
 
「今夜はしっかり休憩をとっておこう……、明日から又大変になるからね……」
 
「あら?ジャミルは……?何処行っちゃったのかしら……」
 
「……!?」
 
お湯しぶきを上げてジャミルが勢いよく風呂から飛び出した。
 
「何してんの……、ジャミル……」
 
「……急に消えたと思ったら……、何処かに流されちゃったのかと思ったよお」
 
「シンクロの練習」
 
「……しかし、相変わらず、緊張感無いね……、君は……」
 
「ほっとけっての!」
 
今日の夜は宿屋には泊まらず道具屋の家でお世話になる事に。
夕ご飯は魚や野菜を衣に漬け、油で揚げたジパング特有の珍しい料理、
テンプラをお腹いっぱい頂く。
 
「本当に皆様……、有難うございました……」
 
親子は揃って皆に何度も何度も頭を下げた。
 
「……やめてくれよ……、元々は俺らの所為なんだからさ、本当、危険事に
巻きこんじまって……、こっちこそ
申し訳ないよ……」
 
「いいえ……、今のご時世です……、こんな商売やってる以上、
いつ何処で何が起こるか……、それは我々も
覚悟はしているのです……」
 
「おじさん……」
 
アイシャは改めて親父の頭部を見る。アルベルトにべホマを掛けて
治療して貰ったものの、頭部には魔法では完全に消す事の出来ない、
殴られて負傷した際の生々しい傷跡が残ってしまった。
 
「でも、本当にすげえよ、このロボット……、いや、最初は正直……、
どうしようかと思ったけどさ……、こいつのお蔭で本当、助かったよ……」
 
「……ピクッ……」
 
ロボットがジャミルの方を見て首を傾げ反応しだす。
 
「クサイ……」
 
「え……、えー!?」
 
「ガス漏れ確認……、危険なニオイ……、排除シマス……、クンクン……」
 
「どさくさに紛れて……、まーたおならしたね……」
 
アルベルトが横目でジャミルを見る。……さっきから異様にロボットを
ベタ褒めしていたのは、これを誤魔化す為だったのかとも思いつつ。
 
「やめろよー!こ、コラ!やめろっ!!」
 
「排除!排除!有毒ガス排除!」
 
ロボットがジャミルを追い掛け回し、困ったジャミルは家の外まで
逃げて行ってしまった。清潔なロボットはしつこく後を追い掛ける。
 
「これじゃうっかりおならも出来ないね、ジャミル……」
 
「やだもう……」
 
「……野獣がいない隙に!チャンス!」
 
ジャミルが逃げ回っている隙にと、ダウドは、がつがつテンプラを食べ捲る。
 
「ぎゃははははっ!兄ちゃん、ばか!」
 
ジャミルを追い掛け回すロボットを見て子供がゲラゲラ大声で笑いだした。
 
「……はははははっ」!」
 
「ふふふふっ!」
 
道具屋の夫婦も笑い出す。その夜、道具屋の家では久しぶりに
楽しく明るい笑い声が響き渡った。
 
次の日の朝……。
 
「……勇者様……、大変お待たせ致しました……、漸く、王者の剣……、
此処に今、完成致しました……」
 
親父はそう言って光り輝く剣をジャミルに差し出す。
 
「これが……、完全に焼き上がった王者の剣なんだね……」
 
「はえー、改めて見てみると……、本当凄いねえ……」
 
「素敵っ!」
 
「いよいよ……、来る処まで来たって感じだ……」
 
ジャミルは王者の剣を手に取り、手ならしに試しにブンブン振り回してみる。
 
「持ってみた感じはどんな感じだい?」
 
「うーん、伝説の剣て言うぐらいだから、使い心地は結構重いのかなと
思ってたけど、案外そうでもねえや……」
 
「へえ……、本当に凄い剣なんだね……、流石……」
 
「いいなあ~、ジャミルってば……」
 
戦うのが好きでないダウドも、王者の剣のカッコよさを見て
ちょっぴり羨ましくなるのであった。
 
「とにかく今後はこれで強敵とも有利に戦えそうだ……、おっさん達、
長い間本当にどうも有難うな!」
 
「いえいえ……、此方こそ……、お役に立てて本当に嬉しいです……」
 
「兄ちゃん達……、いよいよ行っちゃうんだね……、頑張ってね……、
怪我には気を付けてね……」
 
子供が淋しそうにジャミル達を見上げる。
 
「ああ、また遊びに来るからな!」
 
「うんっ!」
 
「……何かありましたらどうぞいつでも立ち寄って下さいね、私達は
いつでも皆様をお待ちしております……」
 
奥さんも心からのお礼の言葉をジャミル達に述べた。
 
「……いつでもセイケツ……、コレ、一番デス……、クサイのは排除です……」
 
「うわ!?」
 
ぬっと現われたロボットにすっ飛び上がるジャミル。
 
「……何びびってんのさあ……、ジャミル……、気が小さいなあ~」
 
「ヘタレのダウドにびびるとか言われたくねーっての!」
 
「……ふ~んだ!」
 
「あはっ、ロボットさんもお見送りに来てくれたのね!有難うー!」
 
「あっ!」
 
「……!!」
 
アイシャがロボットにチュウをした。……ロボットは興奮したらしく、
身体中からぷしゅ~と煙を吐き、噴気している……。
 
「感謝感謝……、いいニオイ……、最高デス~……」
 
「……ロボットの癖に……、くそっ……」
 
「嫉妬は駄目だよ、ジャミル……」
 
含み笑いをしながらアルベルトがジャミルを突っつく。
 
「……あ、ああ~!ほら、もう行くぞ!お前ら!!」
 
「はいはい……」
 
マイラの村とも別れを告げ、次はいよいよ、西の小島の塔へと、
ルビス救出へ向かうのである。


ジャミル達は船に乗って北西の小島の塔へ……。早速、塔の中に入ると
既に何人か人が集まっていた。
 
「お、兄ちゃん達もこの塔へ来たんか?」
 
「おっさん達は何してんの?」
 
「……わしらにも何か出来る事がなかんべかと、ルビス様を助けようと