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黄金の太陽THE LEGEND OF SOL30

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 微笑みかけるアレクスとは対称的に、メアリィは睨み付けた。
「何故そのような目を向けるのです? 私と貴女の仲ではないですか」
「……貴方の同族だと思うだけで、身の毛がよだちますわ!」
「ひどい言い種ですね。私は貴女からそんなに嫌われていたのですか? 貴女がその気なら、私の妻とし、新たな女神としてさしあげようと思っていたのですが……」
 アレクスは、どこまで本気か分からない笑みを浮かべていた。
「そんな提案に、私が乗るとでも思っているのですか!?」
 メアリィの答えを聞いて、アレクスは本心からか分からぬが残念そうに両手を広げた。
「やれやれ、ここまで嫌われていたとは……」
「貴方のしてきたことを思い出しなさい! 目的のためなら平気で人を殺めて、その上デュラハンに加担していたではありませんか!? そんな者、どうして味方できましょうか!?」
 メアリィは、心の底からアレクスを憎んでいた。
「そうですか、それは残念ですね。では私の新世界創造の糧としてさしあげましょう!」
 アレクスは、指先からエナジーの光線を放った。
「危ねえメアリィ!」
「きゃっ!」
 ジェラルドがメアリィを突飛ばし、光線の身代わりとなった。
「ぐ……!」
 光線はジェラルドの左肩を貫通していた。傷口はえぐれ、血が滴っていた。
「……大丈夫か、メアリィ……?」
「私でしたら大丈夫です。すぐに回復を……」
「それは無駄ですよ、メアリィ」
「無駄だとは、どう言うことですか!?」
「超神のエナジーを、単なるエナジストのものだと同じに考えられては困りますね。私のエナジーは全てを破壊する。いくら貴女の治癒エナジーを持ってしても、回復には時間がかかるでしょうね」
「そうであっても私の力なら……!」
 メアリィはエナジーを発動した。
『グレイスフル・ウィッシュ!』
 輝く水のベールがジェラルドの肩を包み込んだ。
「うぐ……ぐぐぐ……!」
 メアリィの治癒エナジーを受けても、ジェラルドから痛みが引くことはなかった。
「ジェラルド! 苦しいのですか!? 私のエナジーでも治癒できないなんて……!」
 メアリィは、ショックを受けた。
「虹の翼よ!」
 イリスは翼を広げた。そしてジェラルドに向けて再生の力を与えた。
「暖けぇ……痛みが引いていくぜ……」
 イリスの不死鳥の翼であれば、ジェラルドの痛みを抑えることができた。
「さすがはソルに導かれし虹の女神様。貴女の力なら治癒できないことはないようですね」
 アレクスは想定の範囲内であった。
「……アレクスと言いましたね? 超神などとはよく言ったものです。人間の身でそこまでの神気を宿すとは……」
「お褒めいただき、ありがたく思いますよ、イリス。貴女は、天界で最強を誇る女神である事は知り及んでいますよ」
「自分で言うのもなんですが、いかにも私が最強を謳われる虹の女神です。そんな私を前にして貴方の目的はなんですか?」
 アレクスは小さく笑った。
「クク……決まっているでしょう? 貴女を倒し、天界、いや、全ての世界の神として君臨するのですよ。貴女にはその糧となってもらいます!」
 アレクスは、先ほどジェラルドを穿った光線を放った。
 イリスは難なくその光線をかわした。
「見事、ですがこれくらいでやられては期待はずれというもの……」
「アレクス、貴方の望みは分かりました。このイリス、天界で最強の力を以て貴方と戦います!」
 最強の力を持つ女神と、神を超えた超神との戦いの火蓋が切って落とされた。
「イリス、一人で戦うつもりか?」
 ロビンが訊ねた。
「正直なところ、皆で束になってかかっても勝てる見込みは薄いです。私の力でもやっとの勝負なところです。そんな戦いに皆さんを巻き込むことはできません」
 超神を名乗るアレクスの力は、天界で最強のイリスに匹敵するほどだった。
 デュラハンなど足元に及ばない相手であり、そのデュラハンと戦った経験のあるイリスは、相対しているアレクスの力がデュラハンを圧倒的な差があるの分かっていた。
「それにロビン、貴方はあのデュラハンを圧倒していました。私を超える力を持っているのは明らかです」
「だったら、尚更一人で戦うよりもオレと共闘した方がよくないか?」
「いいえロビン、貴方は私が敗れた時のための切り札的存在です。アレクスと戦うまでに力を温存していて欲しいのです」
「イリス……」
「お話しは終わりましたか?」
 アレクスは、二人の話しに割り込んで来た。
「ええ、お待たせしました。私一人でお相手いたしましょう!」
「それは話が早くていいですね。私の目的はイリス、貴女を倒して全ての世界に君臨すること。そのために、貴女にはここで消えてもらいましょう!」
「来なさい! 天界最強の力、全力で当たらせてもらいます!」
 イリスとアレクスの世界を賭けた戦いが始まった。
『アルカン・エクス・フレア!』
 イリスは、初めから全力のエナジーを放った。
『バリアアンシル』
 対するアレクスは、最大級の防御エナジーで応戦した。
 虹色の炎と分厚いエナジーの盾がぶつかりあった。
 イリスとアレクスのエナジーは、激しくぶつかった後、二人のエナジーは相殺した。
「私の全力を相殺するなんて、やりますねアレクス」
「貴女の方こそ私の最大の盾を破壊するなんて、正直見くびっていましたよ」
 アレクスは余裕の表情である。
「今度はこちらから攻めさせてもらいます! 『ハイパーチルドマウンテン!』」
 アレクスは、凍てつく巨大な氷を放った。
『フレアウォル!』
 イリスは炎でやって来る氷を溶かそうとした。
 しかし、炎で溶かした氷が再凍結し、イリスに襲いかかった。
「そんな……!?」
 イリスは、予期せぬ事態に驚きながらも、空へと逃れた。
「今のをかわすとは、やはり、イリスは面白い相手だ……!」
 こうなる事を予想していたアレクスは、不敵な笑みを浮かべていた。
「くっ、『ファイアボール!』」
 イリスは続けざまに、かわしきれないほどの炎を放った。
『アクアストライク!』
 アレクスは、いくつもの水柱を上げて、襲いかる火球を消し去った。
『イラプト・ヴァルカン!』
 イリスは、火柱を上げてアレクスの水柱に応戦した。
 再び二人の攻撃は相殺した。
 二人の戦いは一進一退の体をなしていた。
「やりますね。ここまで食らい付くとは。ですが、まだまだ本気ではないでしょう、イリス?」
 神の力を持つイリスは、自分の属するエレメンタル以外のエナジーを使うことができた。
「貴方の言う通り、まずは私のエレメンタルのエナジーを使って様子を見ていました。それがバレているなら、ここから先は本当の全力を出してさしあげましょう!」
 イリスは、両手を地面についた。
『スパイア・ストーン!』
 エナジーの輝きが一瞬光ると、地面が隆起し、土が槍と化してアレクスに向かった。
『アイスホーン!』
 アレクスは、氷の槍を放った。土の槍と氷の槍が相殺しあった。
『スパーク・プラズマ!』
 イリスは、連続する雷を発現させた。回避は不可能な雷の連続でアレクスはなす術がないように思われた。
 『アクアクラウド!』