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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 アレフガルド編5

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お勘定っ!お客さーんっ!」
 
「ウーン!」
 
「お客さーん……!!もしもーし!?」
 
 
              ……バキッ!!
 
 
「……うわーっ!!寝ぼけてテーブル破壊しやがったーっ!!」
 
「やるよ!?」
 
「……何がやるよだ!金払えーっ!!角女あーっ!!」
 
「宿屋のご主人……、泣いてるわ……」
 
「……ハア……」

リムルダールでもぐもぐデート?

騒動の中、ジャミルとアイシャは漸く宿屋の外に出る事が出来た。
 
「結局……、俺達二人だけだけど……、ま、いいよな」
 
「えっ?う、うん……」
 
二人は夜の街を歩いてみる事にした。夜だけは街にも
街灯が付くので外も少しは明るい。
 
「遅いわねえ、あの人!」
 
「何やってんだろ、あいつ!」
 
待ち合わせをしているらしいカップルに出くわす。が、二人とも
すぐ近くに来ているのにお互い気が付かないらしい。
 
「見てるとおもしれえな……」
 
「駄目よ、教えてあげましょ」
 
「ちぇっ」
 
「あの……」
 
「あら?何か御用かしら、娘さん」
 
「やあ」
 
「ん?何か御用ですか、坊や」
 
二人はアベックの片割れそれぞれに、相手がすぐ近くに
来ている事を教える。
 
「えっ!」
 
「あっ!」
 
「……」
 
「ごめーん、気が付かなかったー!」
 
「すぐ近くにいたのねー!」
 
「……プ……」
 
「ありがとう、二人とも!」
 
「それじゃあね、行きましょう!」
 
無事会えた二人は手を繋いで何処かへと歩いて行った。
 
「……」
 
「私達もそろそろ行こう」
 
「ああ……」
 
「……色んな天然な奴らがいるんだな……」
 
「本当ね……」
 
「……」
 
アイシャはジャミルの横顔をじっと見つめた。
 
(何だか……、今日のジャミル見てると何か変……、
胸が苦しい……、ドキドキするよ……)
 
「アイスクリーム……」
 
「え、えっ!?」
 
色気より食い気のジャミルはアイス屋を見つけるなり
走って行ってしまう。
 
「……本当にムードないんだから……、ジャミルのバカ……」
 
アイシャがぷっと膨れた。やがてジャミルが走って戻って来る。
 
「ほれ!」
 
「きゃ!?な、何!?」
 
「……何ってアイスクリームじゃんか……」
 
「あっ、ありがとう……」
 
「けど、俺そんなに金ねえし、一つしか買えなかった、先食えよ」
 
「こ、これって……、関節……、キ……、キ……、
きゃあああーっ♡」
 
「?」
 
「どーしよーっ!どーしよーっ!でも何回もしてるじゃないっ!
でもっ……、キャー!!」
 
「……いらねえの?」
 
「食べるーっ!!」
 
二人は一つのアイスを半分こ。突っ立ったまま、美味しそうに食べた。
 
「……」
 
「ママー!あれ、アベックだあーっ!ふたりでいっしょにアイス
食べてるーっ!」
 
「ジロジロ見ちゃいけません、失礼ですよ」
 
「アベックーっ!」
 
「ほらほら、こっち来なさい……」
 
(親がいなきゃ一発叩いてやる……)
 
「お、美味しかったよ、ごちそうさま……」
 
……アイスを食べ終えたアイシャ。……顔から煙が吹き出て
ショートしている。
 
「そうか、良かった……、んじゃ、次んとこ、行ってみるか」
 
「うん、そうだね……」
 
暫く街をふら付いていると、池の側で座り込んでいる
おじいさんに出くわす。アイシャが早速ご挨拶。
 
「こんばんは……」
 
「あんたら……、勇者オルテガの行方、その末路を知っているかね……?」
 
おじいさんは如何にもジャミルを待っていたとばかりに、ぼそぼそ喋り出す。
 
「……えっ!?」
 
「じいさん……、いきなり何だよ……」
 
「哀れな男よ……、勇者オルテガ……、魔の島に渡る術を
知らず……、そのまま海の藻屑へと消えたそうじゃ……」
 
「死んだのか……?」
 
「あくまでも……、噂じゃがの……」
 
「あの……、ジャミル……」
 
アイシャがジャミルの顔を不安そうに見た。しかしジャミルは
オルテガの話になっても今までと違い、吹っ切れた様に
明るく喋る。
 
「ま、ゾーマの所まで何とか辿り着けりゃ真相も
はっきりすんだろ!だけど……、貰った3つの
アイテムの使い道がな……、どうすりゃいいんだか……」
 
「この街で出来る限り情報を集めてみましょ、それしかないわ……」
 
「そうだな……」
 
「ええ!」
 
「とりあえず肉まんでも食うかな!」
 
「……まだ食べるの……?」
 
二人は肉まんをぱくつきながら更に夜のリムルダールを
歩いた。金に余裕がない為、肉まんも半分こである。
 
「次は何処に行こっか?」
 
「そうだなあ……、大体は見て回ったなあ、何か
他に面白い場所ねえかな?」
 
「……あ、ジャミル見て見て!ここ、占いの館だって」
 
ぽつんと街の片隅に建っている、いかにもな怪しいテント状の小屋。
 
「占いか……、俺、あんまりそういうの興味ねんだよな……」
 
「えー、面白いよ!」
 
「うーん……、じゃあ……、入ってみるか」
 
「すいませーん、占って下さーい!」
 
アイシャが早速中に入って行く。
 
「いらっさいませ」
 
占い師はまだ若い男だった。
 
「へえー……、大抵はじいさんとかばあさんとかが
経営してんのにな、珍しいな……」
 
「恋愛運、金運、その他、何でも占いますよ」
 
「わあー、私は何占って貰おうかしら……」
 
「ちょっとそこのお兄さん!」
 
「え?俺か?」
 
「ハアー……」
 
「な、何…?」
 
占い師はジャミルの顔をジロジロ見る。
 
「あなた……、もう手遅れですよ……」
 
「……なっ……、病気か!?」
 
「……はい……、それも重症です……、僕、こういう仕事
何年もやってますから……、顔を見ただけですぐ判るんです……、
お気の毒に……」
 
「嘘でしょ……、占い師さん……!」
 
「マジかよ……」
 
「……あなたの病気はアホバカ病と言って……、
100万年に一度に一人の極度の究極のア……」
 
 
        ……すぱこーーん!!
 
 
「……いった~っ……」
 
「俺もう帰る……!あったまきたっ!!」
 
ブン剥れてジャミルが館を出ようとする。
 
「あっ、待ってジャミル!」
 
「だから占いなんか嫌なんだよっ!!」
 
「いやーん!行かないで下さーい!今度こそちゃんと占います!!」
 
占い師が嫌々をする様にジャミルに縋りつく。
 
「……」
 
「今のはちょっとしたぱふぉーまんす!本番はこれからです!」
 
「やれやれ……」
 
「あ、きちんとお金は払ってね、ちゃんと占いますので」
 
「疲れんなあ……」
 
「そこの椅子に座って下さい」
 
「座んのか?」
 
「それじゃ、いきます……!!」
 
「……」
 
「はうあー……、キタキタキター!!」
 
「……何が来たんだか、……で?」
 
「でました……」
 
「なあに?」
 
「あなた達の求める物が……、この大陸の更に
南に位置する地のほこらにあるそうです、いんじょ」