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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 勝利をこの手に!編

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「ア……、アル……、本当……!?」
 
絶望に打ちひしがれていたアイシャの瞳がぱっと輝く。
 
「ああ、これぐらいなら何とかべホマを掛ければ大丈夫、
だけど……、傷が深いと詠唱に時間が掛かるんだ……」
 
「……そうはさせぬ……、丁度良い……、今、此処でお前達も
纏めて全員殺してくれようぞ……」
 
「……ゾーマの奴め……!!」
 
アルベルトが歯噛みする。今此処でゾーマに邪魔をされては
何もかも全てが終わってしまうのだから……。
 
「……アル、ジャミルが回復するまで私が食い止めるわ……」
 
「えっ……!?だ、駄目だよ!アイシャ、君一人じゃ無理だ……!」
 
「……私の事なら大丈夫、アル、お願い……、ジャミルを守って……」
 
「アイシャ……」
 
「……ダウドも……、これ……、お願い……」
 
アイシャが再びダウドに賢者の石を手渡す。
 
「アイシャあ~……」
 
「……」
 
アイシャが立ち上がり、ゾーマを睨む。その表情は
大切な人を傷つけられた怒りと悲しみが心から溢れていた。
 
「……糞じじい!よくもやってくれたわね!!」
 
「……」
 
「アイシャ……、性格豹変した……」
 
だが、怒りMAXでついにアイシャまでもが
壊れたのであった……。
 
「怒ったんだから……、もうっ!絶対許さない……!!」
 
「……」
 
「メラゾーマっ!メラゾーマっ!えいっ!おまけにもう一発!
メラゾーマっ!!えーいっ!飛んでっちゃいなさーいっ!
……イオナズーーンっ!!」
 
アイシャは重体のジャミルを少しの時間でもゾーマから距離を引き離し、
守ろうと自身のMPの残りも顧みず、魔法を必死で連呼する……。
 
「す、凄いよ、アル……、アイシャってばゾーマ押してる……、
……ゾーマが爆風で向こうに吹き飛んでいっちゃったよお……」
 
女は怖いとつくづく思うアルベルトであった……。
 
「ねえ、ジャミルは平気……?」
 
「うん、大分傷が塞がってきた……、もう少し……」
 
「……調子に乗るな……、小娘めが……」
 
「……きゃああああっ!!」
 
「アイシャっ!!」
 
ゾーマもアイシャを波動で弾き飛ばしアイシャはその場に倒れる。
 
「……アルうー!まだあ!?早くしないとー!!」
 
「ゴミ屑めが……、ヌッ?」
 
「……行かせない……、行かせないもん……、ジャミルの所には……、
絶対……、行かせないんだから……」
 
痛みを堪えてアイシャが立ち上がり再びゾーマの前に立った。
 
「……傷は完全に塞がったけど……、意識がまだ戻らないんだよ……」
 
「そ……、そんなあああ……」
 
「ダウド、ジャミルを頼む……、どうか守っていてあげて欲しい……」
 
「アル……?」
 
「僕もアイシャに加勢しなきゃ……、後は本人の生命力次第なんだ……」
 
アルベルトもアイシャの元へと走って行く。ダウドは涙目で
それを見つめる事しか出来なかった……。そして……。
小さな体でアイシャはゾーマに抵抗し、立ち向かい、必死で戦う。
 
「……邪魔だと言っておろうが!ゴミは消えてしまえ!!」
 
「ああっ……!?」
 
ゾーマは再びアイシャを弾き飛ばそうとする、だが……。
 
「メラゾーマっ!!」
 
「……グッ……!?」
 
「アルっ!来てくれたの……?」
 
「アイシャ、平気かい!?」
 
「フン……、邪魔なゴミがもう一匹増えたな……、
目障りな……」
 
「……私の事よりも……、ねえ、ジャミルは……、
ジャミルは大丈夫なの……?」
 
「うん、傷は塞がったよ、ただ……、意識がまだ……」
 
「アル……、私……、ジャミルの事……、信じてる……」
 
「アイシャ……」
 
「いっつも心配ばっかり掛けて、無茶ばっかりして……、でもね……、
約束は絶対守ってくれるもん……、だからきっと戻って来てくれる……、
絶対に4人で一緒に帰るんだって……、そうよ、約束したんだから!!」
 
アイシャが目を見据えてゾーマを睨んだ。
 
「アイシャ……、うん、そうだね!僕も信じるよ!」
 
「アル……」
 
「信じよう、ジャミルはきっと戻って来てくれる……!」
 
「うんっ!目覚ましたらお仕置きしちゃうんだから!
ほんとうにも~!心配ばっかり掛けて!!」
 
「アハハ……」
 
「しつこいゴミ共め!!」
 
ゾーマが再び凍える吹雪を二人に向けて放とうとする。
 
「フバーバ!!」
 
「そんな物では無駄だと言うのが判らぬか!頭の悪いハエめ!」
 
「……くっ!!」
 
「ドラゴラム!!」
 
アイシャがドラゴンへと姿を変えゾーマへ炎のブレス攻撃をする。
 
「……無駄な事を…!!」
 
アイシャとアルベルトは気力を振り絞り戦い続けた。
だが二人のMPはもう限界に近かった……。
 
 
一方……、目を覚まさないジャミルを見守り続けるダウドは……。
 
「……ジャミルう~……、いい加減目を覚ましてよお……、
お願いだからあ~……、このままじゃ皆やられちゃうよお……、
もう話が半分真面目になっちゃったじゃん……、こんなのオイラ
耐えらんない……、い、いつものお気楽な話に戻してよお~、
……だからジャミルが早く起きて馬鹿やってくんないと……、
ううっ……、ば、馬鹿ジャミルーーーっ!!」
 
 
           ……ごっつん!!
 
 
「……誰が馬鹿だ……!ああ~んっ!?」
 
「いった……!ジャ、ジャミル……!!」
 
「さっきから何、人に向かってギャーギャー喚いてんだよ、
ったく……、あれ?そういや俺……、どうしてたんだっけ……」
 
「うわあーーん!!……じゃみるううう~!!
びええええーっ!!」
 
ダウドは意識を取り戻したジャミルに突進し抱き着き、
大泣き状態であった……。
 
「な、何……?ちょ、ダウドやめろよ!首絞めんなってば!!
いたたたた!」
 
「ぐすっ……、ひっく……、ゾーマに…、マ、マヒャド喰らって……、
意識不明の……、……ぐえっく……、大重体だったんだからさあ……、
ひっく……」
 
「そっか……、全然覚えねえや……、そうだ!アイシャ達は……!?」
 
「あ、こんな事してる場合じゃないよお!大変なんだよお!」
 
「何!?」
 
「目ぇ覚まさないジャミルを守ろうとして二人だけでゾーマと
戦ってるんだよお!!」
 
「!!」
 
「行こ、二人の所へ!!」
 
 
 
「……くうっ!!……」
 
アルベルトが手を床についてしゃがみ込む。
 
「どうした?ゴミが、もう終わりか?」
 
「……ま、まだ……、戦える……、ジャミルが戻って来るまで……、
頑張んなきゃ……」
 
「まあ、ゴミはゴミなりによくぞ頑張ったのう……、褒めてつかわそう……」
 
「……うあっ!!」
 
もはやボロボロで動けないアルベルトをゾーマが蹴り飛ばし、
ほくそ笑む。
 
「フン……」
 
「……ま、負けるもんか…」
 
「おや……、頭上の小うるさいハエももはや限界の様じゃぞ……」
 
「わ……、私、もう……、駄目みたい……」
 
「……アイシャっ!!」
 
MPが無くなり力尽き、元の姿に戻ったアイシャは地面へと
急降下で落下していく。