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zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 勝利をこの手に!編

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「アイシャーーーっ!!……も、もう……駄目だっ!!」
 
 
(……ジャミル……、皆……ごめんなさい……)
 
 
しかし、次の瞬間……、アイシャが地面へと叩きつけられる寸前……、
彼女を受け止め抱きとめる温かい手があった。
 
「……ジャミルっ!!」
 
アルベルトも思わず叫ぶ。……気絶しかけたアイシャが
うっすらと目を開けると……、其処にはいつもの……、
大好きな人の変わらないいつもの笑顔。
 
「……ジャミル……?」
 
「よっ、御無沙汰!」
 
「ジャミル……、……ジャ……」
 
アイシャの目がみるみる潤み涙目になり……。
 
「ごめんな、心配かけ……い……、いででででで!!
こらやめろっ!!」
 
ジャミルのほっぺたを掴み思い切り横に引っ張った……。
 
「あでででで!やめろってば!頬が伸びちまうよっ!」
 
「……バカ!バカ!バカっ!ジャミルのバカっ!!
心配ばっかり掛けて……!!本当に死んじゃえ……!!
もうっ!絶対許してあげないんだからっ……!!」
 
アイシャはジャミルの首っ玉に噛り付いてわんわん泣き喚く。
 
「……ごめんな……、最後の最後まで……、俺、お前の事……、
泣かせてばっかりだ……、アホでどうしようもねえな……、本当、
ごめんな……」
 
「お帰りなさい……、ジャミル……」

「……良かった、本当に……」
 
アルベルトもほっとし安堵の溜息を洩らした。
 
「アルーっ!大丈夫ー?今回復するよおー!」
 
ダウドもパタパタと走って来る。すぐにアルベルトに
賢者の石を翳し、傷ついた体を癒す。
 
「ダウド、有難う……」
 
「おーい!」
 
アイシャをお姫様抱っこしたままジャミルも走って来た。
 
「……しかし……、ちょい重いなあ……」
 
「何よ!そんな事言うなら降ろしてよっ!ジャミルのバカバカ!」
 
「いててて!」
 
「……全くもう……、本当に心配ばっかり掛けて……、
大変だったんだからね……」
 
腰に手を当ててアルベルトがジャミルを横目で見た。しかし、その表情は
いつもと変わらないジャミルの姿を見て、心から安心した表情に満ちている。
 
「みんな、本当ごめんな……、心配掛けて悪かったよ……、
って、俺、よく考えたら悪くねえじゃん……、やったのは
ゾーマじゃんよ……!」
 
「……」
 
「何か……、腹立ってきた……」
 
「……フン、ゴミ共が……、ゴミ共が集まって粗大ゴミに
なっただけではないか……」
 
「てめっ、ゾーマっ!……さっきはよくも……!!」
 
「そろそろカタを着けようではないか……、この世界の支配者は
闇の国の王、このゾーマ様こそがふさわしいのだ……」
 
「……でも……、どうしよう……、私……、もうMPが残ってないの……」
 
「僕もだよ、どうしたら……」
 
「だけど、どうしてかしら……、MPが無くなっても
どうにか身体が大丈夫なのよ、不思議ね……、もしかしたら
ルビス様が守ってくれてるのかしら……」
 
「……二人とも……、そんなになるまで戦って
くれてたのか……、ごめんな、俺の為に……」
 
ジャミルが悔しそうにぎゅっと唇を噛んだ。しかし、
そんなジャミルを見てアルベルトは首を振り、ジャミルの肩に
そっと手を置いた。
 
「いいんだよ」
 
「アル?」
 
「友達だから……」
 
そして、アルベルトが笑った。
 
「……アル……」
 
「ま、世話の焼ける困った友達だけど……」
 
「……なにいっ!?」
 
「ジャミルっ!」
 
「アイシャ……」
 
「えへへ~♪」
 
ジャミルの手を取ってアイシャも笑う。
 
「大好きだよ、ジャミル……」
 
「な、何だよ……、いきなり……、たく……」
 
……嬉しい癖に相変わらず素直になれず、顔を赤くしてジャミルが困る。
 
「きゃー!ちょっとお!ずるいよお、みんなして!オイラも、
オイラもーっ!!」
 
そして、焼きもちダウド……、ジャミルに覆い被さるのであった。
 
「……こらーっ!上におっかぶさるなーっ!……重いなあーっ!
このバカダウドーーっ!!」
 
「♪えへへ~!だよお!」
 
「だから、絶対に帰ろう……?皆で一緒に……!!」
 
「アル……、よおーーしっ!」
 
ジャミルが再び王者の剣を強く握りしめ、気合いを入れ
元気を取り戻す。
 
「……最後の悪あがきは終わったか……?こうして待っていて
やるのだから儂も優しいものだ……、蕁麻疹がでるわ!死ね!
皆殺しにしてくれるわ!!」
 
「うるせ、バーカバーカ!クソじじい!てめえにだけは絶対負けね!」
 
「……マヒャド……!!」
 
「……おっと、同じ手は食うかよっ!」
 
ゾーマが再びジャミルに向け、マヒャドをぶつけようとするが、
とっさに素早く避けてマヒャドをかわす。
 
「すんごい運動神経……」
 
「勇者の盾……、もう要らないんじゃ……」
 
「ぐぬう……、小生意気な!!」
 
「ヤッ!!」
 
「……何っ!?」
 
ジャミルはゾーマの正面まで迫り、思いっきりゾーマ目掛け
王者の剣を振り下ろす。
 
「……くう……、やるな小僧……、さすがルビスに
選ばれただけの事はあるな……、やはり貴様は只の
ゴミではなかったか……」
 
……ジャミルに斬られた胸を押さえ、呻きながら
ゾーマが呟いた……。
 
「今頃判ったか、バァーカ!」
 
鼻を擦りジャミルが満面の笑みを浮かべた。……直後。
 
「……ふんっ!」
 
傷ついたゾーマの身体が一瞬で元に戻ってしまう……。
 
「……そんなっ!」
 
「え~……?そんなの……、あり……?ずるくない……?」
 
アイシャが叫び、ダウドの口が開いたままになる。
 
「フフフ……、フフフフ……」
 
「くそっ……!フライングだぞ!糞じじいーーっ!!」
 
再びジャミルがゾーマに立ち向かい斬り掛る、しかし……、
何度斬りつけてもゾーマの身体はすぐに元に戻ってしまう……。
 
「……ちくしょう……!」
 
「ククク……」
 
ゾーマは流石のジャミルが焦り出したのを見て、自身の勝利を
確信したのか不気味な笑いを浮かべた。
 
「我とて……、こんな屑剣にいつまでも怯えてはおられぬ……、
3年の歳月を費やし……、王者の剣を破壊したのち……、
……剣に対抗出来る新たな力を身につけたのだ……」
 
「……さ、3年も……?前の王者の剣……、破壊するまで
そんなに掛かったの……?」
 
「じゃあ……、あの変なトリオに当然壊せる訳ないよね……」
 
「何だ……、あん時心配して損した……、クソッ……」
 
「もう諦めよ……、貴様らにはもう残された手立ては
残っておるまい……」
 
「絶対諦めねえぞ……、負けるもんかよ……!」
 
「……も……、もう終わりだぁ~っ……」
 
「縁起でもねえ事言うな!ダウド!」
 
「あうう~……、だってぇ~……」
 
「諦めたら負けだ……、そこで本当に終わっちまうんだぞ……」
 
「……そうよっ!私達はしぶといんだからっ!」
 
「……キングヒドラ戦の時の勇気を思い出すんだ、ダウド……」
 
「アル……、だけど……、もう本当にどうしようもないよお……」