二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

zoku勇者 ドラクエⅢ編 完全版 勝利をこの手に!編

INDEX|7ページ/9ページ|

次のページ前のページ
 

……成すすべの無くなった4人はじりじりとゾーマに
追い詰められていく……。

「……よしっ、イチかバチか……、こいつに賭けてみっか!」
 
「な、何するの……、ジャミル……」
 
また変な事を考えているんじゃないかと、不安そうにダウドが
ジャミルを見た。
 
「……この剣に俺の残りのMPと……、ギガデインの魔法力を
剣に全部注入して……、ゾーマをもう一度叩き斬る……、これが
俺らに残された最後のチャンスだ……」
 
「えっ……、ちょ、ちょっと待って……、そんな事したら……」
 
「無茶だよお!」
 
「無茶でも何でも、もうこれしか方法がねんだよ!」
 
「……や、やめて……、ジャミル……、お願い……」
 
「君のMP全部使っちゃうんだよ!?」
 
「……まーた、アイシャを泣かす気なの!?いい加減に
しなよお!」
 
……ダウドにまで怒られるジャミル。
 
「何だよ、何だよ!まるで俺が死ぬみてー!」
 
「だけど……」
 
「……えっと……」
 
他の3人の顔を覗いつつ、ジャミルが頭を掻く。
 
「ま、確かに……、当たればでかいけど、外れたら大損だあな、
それで俺達終わりだ……」
 
手をぴらぴら振ってジャミルがおどけてみせる。
 
「もう……」
 
「けど……、少しでも希望があるなら……、それに
賭けてみるしかねえだろ、なっ?」
 
「……分ったわ……」
 
アイシャがそっとジャミルの手に触れた。
 
「私もついてる……、絶対大丈夫だよ、ジャミル!」
 
「オ、オイラだって……!!」
 
アルベルトもジャミルの顔を見て黙って頷いた。
 
「……皆……、ありがとな……」
 
「よくもまあ此処まで屑が頑張ったものだ……、だが、
それももう終わりだ……」
 
ゾーマの最後の凍える吹雪が今まさに放たれようとしていた。
 
……ふと何処からか……、ルビスの声が聞こえてくる……。
 
 
皆の気持ちを一つに……、信じるのです、ジャミル……
 
 
「ルビス様……」
 
ジャミルは最後にもう一度仲間一人一人の顔をじっと見据えた。
 
俺……、最初は……勇者なんてとんでもねえモン
押し付けやがってなんて……そう思ってばっかだったけど……、
皆と旅が出来て……、凄く楽しかったよ……
 
 
……こんな俺について来てくれて……、今まで……本当にありがとう……
 
 
「死ね……!!虫ケラ共……!!」
 
「……精霊ルビスよ……!!」
 
「何っ……!?」
 
「我に力を……!邪悪な者を打ち倒し力を……!!」
 
「……何だと……!?」
 
「……ああああ……!くううううっ……!!」
 
全身全霊の力を込めてジャミルが王者の剣に自身の全MPと
ギガデインの魔法力を注ぎ込むが、王者の剣から溢れでる
凄まじく強い魔法力にジャミルは耐えられず剣を手放しそうになるが
……その手を仲間達が支え一緒に強く握る。
 
「……ジャミル、大丈夫だよ、僕らもいる……」
 
「私達、最後まで……、ずっと一緒よ……」
 
「……諦めないよお!」
 
「……皆……、くっ……、も、もう少しだっ……!
……ああああーーっ!!」
 
「これですべて終わりにしてくれるわーーっ!!滅びよ
人間共めがーーっ!!」
 
「滅びるのはてめえだーーっ!!……闇に帰れゾーマっ……!!
だあああああーーっ!!」
 
王者の剣から流れ出る凄まじい電撃剣がゾーマの身体を貫いた……。
 
「……まさか……こんな……小僧に……この闇の大魔王が……、 
……グゥォォォォォォーーーっ!!」
 
電撃はそのまま更にゾーマの身体を包み込んでいく……。
 
「……くうっ……!」
 
ゾーマは力尽き、そのまま床に倒れた……。
 
「……っ!!」
 
「ジャミルっ!!」
 
「こ、こっちもだよお……!!」
 
「うそ……、ジャミル……、約束したよね……、4人で一緒に
帰るって……、ねえ……」
 
「……だ、大丈夫だ、アイシャ……、だから……、もう
泣かねーでくれ、頼むから……」
 
ふらふらする頭を押さえながらジャミルが立ち上がり、
安心させる様にアイシャの頭をポンポン叩いた。
 
「……ジャミル……、良かった……」
 
アイシャが震えながらジャミルにぎゅっと抱き着く。
 
「だから……、MPが一気に減ったから……、急にくらっと……、
けど、悪いな……、マジで心配ばっか掛けてさ……」
 
「……これで……、本当に……、本当に……
終わったんだよね……」
 
「アル……、ああ……、終わったんだな……」
 
「でも、これでやっと帰れ……!?う、うわああああーーっ!!」
 
「どうした!ダウド!?……あっ……!!」
 
「……きゃあ!!」
 
「いやだいやだーーっ!!取って取ってーーっ!!」
 
息絶えたはずのゾーマの手がしっかりとダウドの
足首を掴んでいる……。
 
「……目ぇつぶってろ、ダウドっ!」
 
「ひいっ……!!」
 
速攻でダウドの足首を掴んでいる手を斬り落とす。
 
「……ひえええええーーっ!!」
 
「……ジャミルよ……、よくぞこの儂を倒した……」
 
床に這い蹲った姿勢のままゾーマが静かに喋る。
 
「……」
 
「だが、儂には見えるのだ……、遠い未来が……、光もある限り、
闇もまたある……、いずれまた何者かが闇から現れよう……、その時は
流石にお前も年老いて生きてはいまい……、フ、フフフフ……」
 
……それだけ喋り終えるとゾーマは完全に事切れ完全に
動かなくなった……。ジャミルは無言で王者の剣を背中の
鞘にしまう……。
 
「ま、今は何も考えたくねーや!やーっと終わったんだしさっ!」
 
いつもの調子で明るく皆に笑ってみせる。
 
「さあ皆、急いでここから……」
 
アルベルトがそう言った途端、城が軋む音がしだした……。
 
「……やべ、崩れるっ!!」
 
「は、早く……、逃げないとお~!大変だよお!!」
 
「急ごう!!」
 
4人は出口目指して走り出そうとするが……。次の瞬間……、地面に
亀裂が走り地割れが4人を飲み込む……。
 
 
……折角……、ゾーマ倒したってのに……、こんな処で
死んじまうのかよ……、くそっ……
 
アイシャ、俺……、泣かせてばっかで……本当……
何もしてやれな……んんっ!?
 
           
       ……わあああああっ!?
 
 
4人は……、ゾーマの城からいつの間にか見覚えのある
場所へと放り出されていた……。
 
「……な、何がどうなって……?」
 
「私にもさっぱり……」
 
「……いちちちち……」
 
他の3人が首を傾げる中、ジャミルが腰を押さえた。
 
「ねえ、この地割れの穴って……、確か勇者の盾が
あった洞窟の……、だよね……」
 
「ゾーマの城から此処に繋がってたのか……?訳わかんねえな……」
 
「……何でもいーよお~、助かったんだしい~……、オイラもう
へとへとだよお……」
 
「ジャミルっ!!」
 
「おわっ!?」
 
アイシャがジャミルに飛びついた。
 
「ここが盾のあった洞窟なら……、私達、本当に
帰って来れたのね……!ゾーマの城から……!!」