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zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 ドタバタ子育て

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尋ねてみる事が先決かも知れないよ……」
 
「……成程……」
 
「ええ、封印が解けた幾つかの塔や洞窟にまだドラゴンが
存在しているかも知れません……、ゾーマが生前に狙っていた様に、
この世界には普通のドラゴン達よりも強大な力を持つドラゴン達がいる筈です」
 
「そうだな、まずはドラゴン探しか……、変な依頼屋の前に
俺達が情報聞いて行ってみた洞窟にはいなかったよな……」
 
「行きましょ!、急がないとまた密猟者達が動き出すわ!」
 
「ダウドーっ、そろそろ行くぞー!」
 
「あ、はーい……」
 
チビを連れてダウドがぽてぽてとジャミル達の方に戻って来た。
 
「……チビを匿って貰おうと思ったけど、やっぱり今は
俺達と一緒にいる方がいいかな……」
 
「ええ……、この子は今が一番成長が大切な時期かと……、
その為にも皆さんの力が必要なのです……」
 
ルビスはそう言ってもう一度チビの頭を優しく撫でた。
 
「ぴーっ!」
 
チビがルビスに尻尾を振り、スリスリとお愛想する。
 
「皆さん……、どうかお気をつけて……、又何か困った事が
あればいつでも訪ねて来て下さい……」
 
 
……複雑に絡み合う糸を解く為、そして、チビの為……、
4人は新たな冒険の扉へと再び歩き出す……。


ケンカする程……

ジャミル達は船に戻り、今後の事を皆で話し合う事にした。
ダウドにはルビスから話して貰った重要な件の事は既に
伝えてある。
 
「竜の涙ね……、これが3つ揃うとどうなるんだ?虹のしずくの
時みたいにアイテムに変わるのかな……?」
 
「ねー、ジャミル、チビおなかすいた!」
 
「はいよ、んじゃ取りあえず飯にするかね……」
 
4人とチビは船内でいつもなら楽しい夕ご飯タイムへと
突入……、する筈……、なのだが……、今日は大騒動へと
発展してしまう……。本日は簡単に、街で購入した缶詰を
ベースに非常にシンプルな食事。
 
「……ぴ……」
 
「あら?チビちゃん……、駄目よ……、野菜もちゃんと食べないと……」
 
「ぴい……」
 
チビももう赤ん坊用ミルクを卒業し、歯も生えてきてあっという間に
すぐに普通の食べ物を口にする様になっていた。
 
「ん?何だ……?これは俺の分のコンビーフだから……、
お前さっき食ったろ?今日はもう駄目だぞ……」
 
「ぴい~……、やさい、いや……、チビもコンビーフ……、
もっとたべたい……」
 
チビがじーっと潤んだ目でジャミルの食べている食事を見ている……。
じっと見られるとどうしても、普段食べ物に卑しいジャミルもつい、
親馬鹿モードに突入してしまう……。
 
「……しょうがねえな……、んじゃ、もう少しだけ俺のをやるか……」
 
「♪ぴっ!」
 
「駄目よ、ジャミル!甘やかしちゃ……!まだチビちゃん小さいんだから
そんなに食べたらお腹壊しちゃうでしょ!」
 
「……おいおい、小さいったってチビはドラゴンだぞ……?
そりゃ人間と身体の構造違うだろうし、俺らの倍、腹も
減るんじゃねーか?」
 
「だったら……、先に野菜を全部食べないと駄目よっ!
チビちゃんっ!?」
 
「いやっ!やさいきらいっ!……アイシャもきらいっ!あかんべー!」
 
「……ちょっ!チビちゃん!!何処行くのっ!?待ちなさいっ!!」
 
「ぴっきゅぴーぴーぷー!……ぷっ!」
 
チビは腹癒せにおしっこと小さなおならをすると休憩室から飛んで
逃げて行ってしまう……。
 
 
「……どうにもこの頃……、チビは反抗期だよね……」
 
「うん、仕方ない時期なのかもね……、人間の子供と同じだよお……」
 
「大体、アイシャもカッカカッカし過ぎなんだよ……、もっとさあ、
のびのび育ててやりゃいいじゃん……」
 
「……もうっ!全然いう事聞かないんだからっ!一体誰に似たのよっ!」
 
男衆が項垂れていると、アイシャがブリブリ怒りながら
休憩室に戻って来た。
 
「おーい……、何で目線が俺の方見てんだよ……」
 
「別に見てないわよっ、ジャミルの顔なんか!」
 
「……あー!?おい……、なんかとは何だよ!?」
 
「だから……!別に見てないって言ってるのよ!
関係ないでしょ!?」
 
「八つ当たりすんなよな!?チビの面倒見てんのは
おめーだけじゃねえんだぞ!?」
 
「何よ……!大体ジャミルがいつも甘やかすからチビちゃんが
わがままになるんじゃないの!!」
 
 
「あーあ……、こっちはこっちで夫婦喧嘩
はじまっちゃったよお……」
 
「どうにもならないね……、この頃これが
しょっちゅうだもの……」
 
……揃って溜息をつくアルベルトとダウド。
 
 
「……頭きた!おらあもう寝るかんな!!」
 
「勝手にすればっ!」
 
「……あああ~……、事態の悪化……」
 
ますますこじれてきた雰囲気にダウドがオロオロしだす。
 
「アルもダウドもっ!見てないで食器の後片付け手伝ってよっ!」
 
「は、はい……」
 
「でも、アイシャ……、最近少し苛々し過ぎじゃないのかな……、
何だかアイシャらしくないよ……」
 
「あ……、アルっ……!!」
 
「何よ……、アルまでそんな言い方するのね……、
分ったわよっ、もうっ!」
 
アイシャも怒って休憩室を飛び出し自分の船室に
走って行ってしまう。
 
「アルう~……、も、もう……、オイラ知らないよおお~……」
 
「……はあ……、困ったなあ……」
 
4人はこれまでで最悪の険悪の雰囲気になってしまった……。
 
 
そして、夜……、不貞腐れ、アルベルト達よりも早く
床についたジャミルの寝床へ訪問客が……。
 
「たく、アイシャの野郎……、うるさ過ぎるんだよ……、
ギャーギャーギャーギャー冗談じゃねえやい……」
 
「……ぴいー?」
 
「ん……、何だ、チビか……?一緒に寝るか?」
 
「……ぴいい~……」
 
チビが申し訳なさそうにちょこんとジャミルに頭を下げた。
 
「ごめんな……、さい……」
 
「あ?」
 
「チビのせいで……、みんなケンカしちゃう……、
ごめんね……」
 
「いいんだよ、んな事はな、お前が産まれる前から俺らに
とって日常茶飯事なんだって」
 
ジャミルがぐしぐしチビの頭を撫でた。
 
「ぴ?にじょうちゃーはん?」
 
「……よっぽど腹減ってんだな、お前……」
 
「あした、チビ、アイシャにちゃんとごめんなさいして、
やさいたべるね……、そしたらもうアイシャ、おこらない……?」
 
「うーん……、でもあんまり気遣わなくていいぞ……?」
 
「いや、ごめんなさいする……」
 
チビがジャミルに甘え、スリスリする。
 
「分ったよ……、んじゃ、ちゃんと明日は野菜食えよ……?」
 
「♪ぴいっ!」
 
 
その頃……、アイシャは甲板に出て一人、暗い海を見ながらしょげていた。
 
「……わかってる……、わかってるのよう……、私だって
ムキになり過ぎだって……、だけど……、本当に
チビちゃんの事が大好きだから……、心配なんだもん……、
でも……、私……」
 
アイシャはそう呟くと手元の竜の涙を見つめた。
 
「ねえ、ドラゴンさん……、あなたは本当にチビちゃんの