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zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 ドタバタ子育て

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「……駄目なの……?私達……、分かり合えないの……?」
 
悲観に暮れアイシャの心は悲しみで溢れ、絶望的になる……。
と、その時……。
 
 
「けっけっけ~、けっけけ~、ケツの穴~、りゅ~」
 
 
「りゅ……?」
 
「……りゅ……???」
 
突如聞こえてきた変な声にジャミル達4人は首を傾げる……。
 
「……待たせたな、りゅー!未来の魔界を統べる魔界の王子、
リトル・デビル様登場りゅ~!」
 
「……ベビーサタンっ!!」
 
4人が同時に一斉に叫んだ。
 
「ナンダ……、ザコノコアクマデハナイカ……」
 
急に出て来て雰囲気をぶち壊したベビーサタンに海竜が
呆れた様に項垂れる。
 
「こんなとこまでまあ……、ご苦労さん……、けど、誰も
お前なんか待ってねーぞ?」
 
「うるせーりゅ!バカ猿!又お前らの船まで行ったら
お前らいねーし、変なワープルートが出来てたから
入ったら此処に来たのりゅ」
 
「あっそ、俺ら忙しいんでさ、構ってらんねーの、じゃっ」
 
「そうか、それは残念りゅ……、じゃあ帰りゅます……、
って……、そうじゃねーりゅ!!」
 
「どうする……?」
 
アルベルトも皆の顔をちらちら見ながら……、
困り顔をする。
 
「……相手してる暇なんてねーんだけどなあ……、ったく……」
 
「おっ、あれは……」
 
ベビーサタンが海竜の側で倒れているチビに目をつける。
 
「好都合りゅね~、いい子でおねんねしてるりゅ~!」
 
「やめて……!チビちゃんに近づかないで……!あなた一体、
本当にチビちゃんの何が目的なのよっ!!」
 
「お前らに話す必要なんかないのりゅ、オラ!メス猿っ!
そこどけりゅ!!」
 
「……ニンゲンニモ……、マゾクニモ……、ダイジナワガ
ドウルイハワタサン……」
 
「あっ!?チビっ!!」
 
「チビちゃん!!」
 
海竜の力により、眠っているチビが再びふわふわ
宙に浮きあがる。
 
「あーん?でけえドラゴンりゅね~、ふーん……、けど……、
ドラゴンが一辺に2匹……、こいつは美味しすぎるりゅ……!!」
 
「ザコヨ、タチサレ……、ワルイコトハイワヌ……」
 
「あーん?雑魚はおめーりゅ、雑魚竜の癖に威張られて
リトルは気にくわんりゅ!!」
 
ベビーサタンはそう言うと持っているフォークから電撃を
海竜に向けて発した。
 
「どいつもこいつも……、ど偉いリトル様をなんだと
思ってやがるのりゅ!!」
 
「……!!グッ……!キサマ!ナ、ナニヲスル……!!」
 
「海竜さん!!」
 
「電撃びびび~、りゅーっ!!そのまま黒焦げりゅーっ!!
それーっ!糞ドラゴン丸焦げの巻りゅーっ!!けーけけけけ!」
 
ベビーサタン……、性悪小悪魔が発した凄まじい電撃に包まれ、
海竜はもんどりうって苦しむ……。先程まで海竜と一触即発
寸前だったジャミル達も、あまりの無残な光景に怒りを覚える。
 
「何て事を……!!」
 
「ひどいよおおーっ!」
 
「……ググググググ……!!オノレ……!!」
 
激しい電撃を浴びながら海竜がベビーサタンを睨む。
面食らった海竜は力を落し、解放されたチビも地面に落下する。
 
「あー、電撃びびび楽しいなあーっ、りゅーっ!?」
 
「……やめてーーっ!!」
 
咄嗟にアイシャがベビーサタンに掴みかかりフォークを
奪おうとする。
 
「いたた、こ、コラ……!何するりゅ!はなせ、放せ!
あいたたたた!!」
 
「放さないわよっ!!早くその変なフォークをこっちに
よこすのよっ!!」
 
「……あああ~!アイシャあー!!ジャミルーううう!!
アイシャがあああー!!」
 
ダウドがあたふた動き回り、ジャミルに救いを求める。
 
「……まーたあんのジャジャ馬め……!くそっ!どうして
こう暴走すんだよ!」
 
ベビーサタンもアイシャに顔を縦に横にと引っ張られ、引っ掻かれで
あたふたし、電撃のコントロールが出来なくなっていた……。
 
「クソッ……、メースーざーるーめえええー……、りゅ?」
 
「えっ……?」
 
「りゅーーっ!あああ、電撃のエネルギーが……!セーブ
出来なくなったからパワーが暴走してりゅ!!」
 
「そんな……!止めなさいよっ!何とかしなさいっ!!」
 
ベビーサタンにごつんごつんゲンコしながらアイシャが叫ぶが
危険を感じ、咄嗟にベビーサタンから逃げる。
 
「知らねーのりゅ!元はお前が悪いのりゅ!バカ女めーっ!!」
あ……、あっちいりゅーっ!止まらないーーっ!!ぎにゃああああーーっ!!」
 
抑えが利かなくなり暴走した電撃はベビーサタンの方へ逆流して流れ、
電撃を浴びたベビーサタンはコテンと倒れ気絶……。主が気絶し、
そして更に勢いが増した残りの電撃エネルギーは幅を広げ広がり、
チビと海竜目掛け流れていく……。
 
「……チビちゃーーーんっ!!」
 
「んなろーーーっ!!」
 
「ジャミルっ!!」
 
海竜の前にジャミルが立ち、勇者の盾の力で電撃エネルギーを
すべて打ち消した……。
 
「……はあ、間に合った……」
 
「ジャミル!大丈夫かい!?」
 
「俺は平気だよ、アル……、けど……、もう少し遅かったら……、
チビが丸焦げになる処だったぜ……、たく、この馬鹿め……」
 
フォークを握りしめたまま気絶しているベビーサタンを
一発ポカリとジャミルが殴った。
 
「チビちゃん、チビちゃん……!!」
 
「チビちゃあーーん!!」
 
アイシャとダウドがチビに駆け寄り、チビの無事を確かめた。
ジャミルのお蔭でチビには怪我も何事もなく、ぐっすり、
すやすや眠っていた。
 
「……チビちゃん……、よかった……、よか……、った……」
 
アイシャが眠っているチビを抱きしめ、頬にすりすりする。
 
「……ぴ?」
 
「あ、チビちゃん……、目覚ましたよお!」
 
「……ジャミル……?アル……?ダウ?……アイシャ……?
みんな……いるの……?」
 
「こら、ネボスケ!やーっと起きたなあ……?」
 
「ジャミル……、チビね……、ずーっとゆめみてたの……」
 
「夢?」
 
「ジャミルと、アルと、ダウと、アイシャと……、みんなで、
おおきいおにくたべてた、でも……、チビね、いっぱいおにく
たべたかったから、チビひとりでみんなたべちゃった……、それで
チビおなかこわしたの……、ぴいー、ごめんなさい……」
 
「……あー、欲張りだなあ!チビは……!ずりいぞっ!」
 
「少し頂戴よお!」
 
「二人とも……、チビの夢の話でしょ……」
 
空想の中でも意地汚いジャミルとダウドにアルベルトが呆れた……。
 
「もう、チビちゃんたら……、ふふっ……」
 
「ぴいー!」
 
「あはははは!」
 
4人が声を揃えて笑った。
 
「そうだ、海竜……」
 
「……ナニヲ……、スルキダ……」
 
アルベルトは海竜の側に近寄って行くと、無言でべホマを掛け、
海竜の傷付いた身体を癒す。
 
「……ワタシガ……、ホントウニマチガッテイタヨウダ……、
スマヌ……」
 
「海竜……」
 
「海竜さん……」
 
海竜はジャミル達に向かって深く首を足れると一筋の涙を探す。