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zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 ドタバタ子育て

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落ちた涙は宝石へと姿を変える……。
 
「あっ……、竜の涙……」
 
ジャミルが慌てて宝石に変わった涙をささっと回収する。
 
「オマエタチハ……ホントウニ……シュゾクヲコエタ……、
フカイキズナデムスバレテイルノダナ……」
 
「正直……、善悪とか俺には良くわかんねえ、だけど……、
これだけは言えるよ……、チビは俺達の仲間だし、俺達は育ての親だ……、
何があっても絶対チビを守るよ……、約束する……」
 
じっと……、海竜の瞳を見つめてジャミルが言った。
 
「……ワタシハコレマデ……、ニンゲントカカワリ、フコウニナッタ
ナカマヲタクサンミテキタ……、タエラレナカッタノダ、
コレイジョウ、オナジナカマガキズツクノヲ……」
 
「……」
 
「チビスケ、ヒトツダケ……、キイテモヨイカ?」
 
「ぴい、なあに?」
 
「……オマエハ……イマ、シアワセナノカ……?」
 
「♪ぴいっ!」
 
チビが笑顔で嬉しそうに返事を返す。
 
「あの……、海竜さん……、チビちゃんのこれからの事は……」
 
アイシャがおずおずと尋ねた。
 
「オマエタチニ……、スベテマカセヨウ……」
 
「それじゃ……!認めてくれるのか……!?俺達の事……!!」
 
「……オマエタチヲシンライシヨウ……、コレカラモ……、
チビスケノコトヲヨロシクタノム……」
 
「やったーーっ!!」
 
「チビちゃん、これからも……、ずーっと一緒だよお!!」
 
「うん……、良かったね、チビ……、本当に……」
 
海竜にも信頼を得、4人は手を取り合って喜ぶ。
 
「いっしょいっしょ!チビ、ずーっとみんなといっしょ!」
 
「あ、処で……、これ、どうするの……?」
 
ダウドが気絶してひっくり返っているベビーサタンを指差す。
 
「……仕方ねえな、一緒に船まで連れて帰って海に流すか……、
そうすりゃ暫く追いかけて来ねえだろ……」
 
「あはは……、ちょっとそれ酷いかもしれないね……」
 
アルベルトが笑った。海竜に別れを告げ、4人はもう一度
旅の扉を通り、船へと無事帰還する。
 
「オイラ達が戻ってきた途端……、旅の扉……、消えちゃったね……」
 
「ああ……」
 
「ドラゴンさん……、ありがとう……」
 
アイシャがドラゴンの形見の竜の涙をそっと握りしめた……。
 
 
そして、夜……。
 
「いい?もういちどチビうたうね、♪ぴぴっぴぴぴ~、ぴい~…」
 
「ぴーぴぴぴぴぴーびい~、ぶりっ……」
 
壮大なチビの音楽教室が始まっていた……。
 
「ちがうよお!ジャミル、うたへた!いい?こうだよ、
♪ぴぴっぴぴぴ~、ぴい~…」
 
「……変わりねえじゃねえか……、びびっびびびーっ!びい~……」
 
「ちがうよおおお……!!」
 
「……チビちゃん……、またオイラの真似上手くなったね……、
むにゃ……、zzzz」
 
「たく、どうしようもないんだから……」
 
本を読みながらアルベルトが顰め面をした。
 
「皆、お茶にしよ?お菓子も持ってきたよ」
 
「助かったよ、アイシャ……、スパルタなんだもんなあ、
けど……、チビが俺の事、歌下手糞だっつーんだぜ?ひでーよなあ……」
 
「今朝、ジャミルだってチビの事……、音痴って言ってたじゃないか……、
お互い様だよ……」
 
「あう……」
 
「……そうよ、事実なんだからしょうがないでしょ、はい、
チビちゃんには甘いぬるめのホットミルクよ、ハチミツも
たっぷり入ってるからね!」
 
アイシャがチビにウインクした。
 
「ぴいい~!」
 
チビが嬉しそうにホットミルクに口をつけ、ゴクゴク美味しそうに飲む。
4人は、心から、今、この瞬間……、チビと一緒にいられる幸せを
改めて噛みしめる。……例え、この先に待ち受けている者が何であろうと。
 
「……」
 
海竜がそっと海から顔をだし、4人が乗った船を静かに見守り、
見送ったのだった……。
 
「……あの……、リトルはどうなりゅのりゅ……?
このまま島流しりゅ……?ちーくーしょーーー!
おーぼーえーてーろー!!……りゅ……」


愛と恋とは違うのりゅ・1

ジャミル達は又買い出しの為、今度はドムドーラへと立ち寄る。
チビはぬいぐるみのふりが平気で出来る様になった為、
買い物も何の心配も要らない様になっていた。
 
「竜の涙も後1個でいいんだし、案外楽勝だよな!」
 
「……そう上手くいかないのが世の中だよ……、判る?」
 
アルベルトがジャミルにつめ寄り冷めた顔をする……。
 
「相変わらず、トゲを刺すのが上手いねえ、アルさんはよ、
ふんっ!」
 
「……ねえ、チビ……、うんちでる……」
 
アイシャのカバンの中のチビがブルブル震え始めた。
チビはまだ一人で排泄が上手く出来ないので、排泄の
サポート係はアイシャなのである……。
 
「え?えええっ!?ど、どうしよう……!!」
 
「……アイシャ、公衆便所だ!早く!」
 
「行って来まーす!」
 
「うんちー!」
 
チビを連れ、アイシャが慌ててトイレまで走って行った……。
数分後に、ほっとした様な表情のアイシャが戻ってくる。
 
「……はあー、何とか間に合ったわ……」
 
「おなかすっきり!」
 
「ねえ、大概の物はもう買ったよね、オイラ疲れた、
休憩したい……」
 
買い物メモを見ながら荷物持ちのダウドがぼやいた。
 
「此処、確か軽食屋あったよな、じゃあ、行こうぜ!」
 
「ちょっ、待ってジャミル……」
 
アルベルトが声を掛けようとするが、ジャミルはどんどん
歩いて行ってしまう。
 
「アル、休憩嫌なのかい?」
 
「いや、そうじゃないんだけどさ……」
 
「早く船に戻って、買った本読みたいんでしょ?」
 
アイシャがアルベルトを見た。
 
「……いや、その……」
 
「図星……?」
 
「分ったよ、はあ……」
 
ジャミルを追って3人も軽食屋へ……。皆はオーダーで
好き勝手な物を注文。やがて、頼んだスイーツがやってくる。
 
「あー幸せ♡おいしーい!」
 
プリンパフェを一口、口に入れてアイシャが幸せいっぱいの
顔をする。
 
「……」
 
チビがじーっとバッグの中からアイシャを見つめている。
 
「チビちゃん、どうかした?」
 
「……チビも……、プリンぱへ、たべたい……」
 
「ごめんね、此処じゃちょっと目立つから駄目なのよ……」
 
「……たべたいたべたい!びーっ!!」
 
チビが大声で発狂しだし、周囲に声が漏れそうになり、
ジャミルが慌てる。
 
「うわ……、おい、アイシャ!!」
 
「……そんな事言ったってえ~!あーん!チビちゃんお願いだから
静かにしてよー!」
 
「だから、早く帰ろうと……」
 
「……アイシャ、一口だけでもあげたら?」
 
ダウドがこそっとアイシャに話しかけた
 
「しょうがないなあ、はい……、チビちゃん……」
 
スプーンで一口、プリンを掬って、こっそりとバッグの中の
チビに食べさせる。
 
「きゅっぴ!……ぱへおいし♡」
 
チビもほや~んと幸せそうな顔をする。見ていたアイシャは……。
 
「……チビちゃん可愛いわあ……、どうしよう……」
 
「おいおい……」