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zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 愛と恋とは違うのりゅ

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眼鏡を掛けた青白い顔の青年が突然……、ジャミル達の
前にぬっと現われる。トリオは既に忘れてしまってはいたが、
此方も昨日、軽食屋で悶えていた兄さんであった。
 
「な、何だよお前……、邪魔だな……」
 
「……君達には関係ない……、レナさんは……、
レナさんは……、僕が助けるんだ……、頼むから
邪魔しないでくれ……、邪魔なんだ……」
 
「……はああ!?」
 
青年はそう言うとチンピラの処まで一目散に走って行く。
 
「ジャミル、早く止めないと……!大変よ!」
 
「見る限り……、その……、あれなんだけど……」
 
「……助けるってんだから、案外強いんじゃね?任せようぜ……」
 
「もう~!」
 
 
「……どうすれば、許して頂けますか……?」
 
「そうさなあ、姉ちゃんが俺といい事してくれたら、
そのガキはいらねーや、さあ俺と愛の巣へ、ラブホ行こうぜ!」
 
「……っ!?何をするんですっ!!」
 
チンピラが、少女レナの胸に触り、胸をむにゅっと掴んだ……。
 
「……お姉ちゃん!やめて、やめてよ!!」
 
「うるせーな!クソガキ!!」
 
「あっ!?」
 
「……ミミちゃんっ!!」
 
チンピラが子供を突き飛ばし、子供は地面に転がる……。
 
「……いたいよう、いたい……」
 
「……こんな小さな子に何て酷い事をするんですか!!」
 
「うるせー!てめえはだまって俺に侵されりゃ
いいんだっ!来いっ!!」
 
「……やめろっ!レナさんに……、レナさんに……、
手を出すんじゃないっ……!!」
 
「あーっ!?」
 
眼鏡の青年がチンピラの前に立つ……。
 
「何だ?おめえ……?」
 
「どなたか存じませんが、危ないですっ!……早く、
早く逃げて下さい……!!」
 
レナが必死で叫ぶが……、青年はチンピラに
殴りかかって行き……。
 
「……ウ~ン……」
 
「……きゃあああっ!!」
 
そして、ノックダウンした……。
 
 
「……バカだな……」
 
「……バカだね……」
 
「もうっ!ジャミルもアルも……!そんな事
言ってる場合じゃないでしょ!!」
 
(バカりゅ……)
 
「やれやれ、結局は俺達が出て行かなきゃなんねーじゃん、
手間掛けさせんなよな……、たく……」

愛と恋とは違うのりゅ・3

「……?」
 
「お姉ちゃん!お兄さんが目を覚ましたよ!」
 
「……此処は?」
 
「町の宿屋です、良かった……」
 
「はあ……、っ……つう!」
 
「あっ、まだ動いては駄目ですよ……!お怪我をされて
いるんですから……!」
 
「すみません、僕の眼鏡……、何処でしょう……、
あれがないと何も見えないんです……」
 
「はい、どうぞ……」
 
「すみません……」
 
青年がレナから渡された眼鏡をかけ直し、間近のレナの顔を
じーっと見つめた。
 
「あの、何か……?」
 
(夢じゃない……、本物だ……、憧れのレナさんが……、
僕の……、今、僕の側にいる……)
 
「こちらの方たちが助けて下さったんですよ」
 
「はあ……」
 
「暴走兄さん目覚ましたのかい?」
 
青年が目を覚ますのを待っていたらしき
ジャミルがレナに聞いた。
 
「ええ、先程……」
 
「あの……、どちらの方が……、僕を……」
 
アイシャとアルベルトが無言でジャミルを指差した。
 
「え、え……」
 
「あの変なのはジャミルがボッコボコに殴って
追い返したからもう大丈夫よ!」
 
「まーた、ストレスも溜まってきたからな、
丁度すっきりしたわ!」
 
(……嘘だ……)
 
「……そうですか、ご迷惑お掛けしてすみませんでした、僕、
今日はこれで失礼します……」
 
青年が怪訝そうな表情をしながらベッドから
降りようとする……。
 
「まだ寝ていなくては駄目ですよ……」
 
レナが青年を止めようとするが。
 
「いいえ、動けますので……、大丈夫です」
 
「ですが……、あまりご無理なさらないで……」
 
「レナさんは此処のお住まいで……?」
 
「……私は……、事情がありまして……、今は此処の
宿屋のご主人と奥さんにお世話になって住まわせて
貰っています、あ……、この子は此処の宿屋の娘さんの
ミミちゃんです」
 
「ミミだよー!」
 
「……耳ちゃんですか、ハア……、あの、又……、
遊びに来ても……、宜しいですか?」
 
「あっ、はい……」
 
「では……」
 
眼鏡の青年はそれきり振り返らずにのそのそと宿屋を出て
何処かに歩いて行った。
 
「……何だよ……、俺達には礼も言わねえでさ、
見向きもしねえで……」
 
無視されたのか気に入らないのか、ジャミルが膨れっ面をする。
 
「あんた達は視界に入ってないみたいだよ?目的が
違うんじゃないの……?」
 
「……」
 
「な、何……?」
 
「お前……、いつまでいるんだよ?」
 
トリオがじ~っとアップで近づき、少年を見た。
迫られて恐怖を感じたのか、少年は後ろに後ずさる……。
 
「いや、何となく……、面白そうだった……、から……」
 
「ところで、あなたまだお名前聞いてなかったわよね?
ね、なんて言うの?」
 
今度は更にアイシャが少年に詰め寄る。
 
「え?えーと……、リトル……、リ……、ト……、
リィト……」
 
「?」
 
「リィト……」
 
少年は咄嗟に思いついたいい加減な名前を適当に
アイシャに述べた。
 
「リィト?ふーん……、判ったわ!宜しくね、リィト!」
 
満面の天然笑顔をアイシャが少年に向ける。……途端に
少年の顔がぼ~っと火が付いた様に真っ赤になる。
……何故赤くなったのか、本人は分かっていない様だが。
 
「はあ……」
 
(うわー……、調子が狂うりゅ……、本当……、
マジでこの天パ女苦手りゅ……)
 
ちなみに、ここでの天パとは、天然パー……、
髪の事ではなく天然ボケを指す……。
 
「別に宜しくなんかする事ねーぞ、アイシャ!」
 
(そして……、この馬鹿猿は動物園に寄贈してやりたいりゅ……)
 
「いいじゃない!私達、もうお友達だもの!ね?」
 
「……はあ……」
 
一体いつ友達になったんだよと、少年バージョンの
小悪魔……、リィトは困惑する。
 
(何でそうなるのりゅ……、ジンマシンがでそうりゅ……)
 
「ねえ、そろそろ僕らも戻らないと……、チビも心配だし……」
 
「だけどさ、少しやばいかもしんねーんだよな……」
 
「何がさ?」
 
「何がよ?」
 
「こう……、ワンパターンだとさ、大概は仲間ぞろぞろ
引き連れて……、あとで仕返しに来るとか……」
 
「さっきの……、チンピラ達かい……?」
 
「ああ……」
 
「オチが見えてるね、レナ?……彼女、絶対連れていかれるよ……」
 
慌てて表情をツンデレ顔に戻し、ぼそっとリィトが口を開く。
 
「……だから、オメーいつまでいるんだよ!」
 
「リィトだっけ?君、何だか段々敬語使わなくなってきたね……」
 
半眼でアルベルトも(中身はベビーサタンの少年)……リィトを見た。
 
「あら?その方がいいわよ!だって、私達、もうお友達だもの!」
 
「ハア……」