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zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 愛と恋とは違うのりゅ

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(……うわー!また言ったりゅ!う……、あめてくれりゅ……!!
ジンマシン……、ジンマシンが……!!)
 
「どうしたの?……顔、ずっと赤いわよ?」
 
「が、が……、ががががが!」
 
リィトがガクガク震えだした……。アイシャの言葉に
相当困惑し困っている。顔には大量の冷や汗が浮かんでいる。
そして、一体何故、自分がこんな状態になってしまうのかも、
中身はモンスターのリィト自身がまだ気づくワケも当然無かった。
 
「今日はかえりゅ……、じゃなくて……、か、帰る!」
 
猛ダッシュでリィトが宿屋を出ようとするが、アイシャが
リィトを呼び止めた。
 
「待って!リィト!」
 
「な、何……?」
 
「バイバイ!また、会おうね!」
 
アイシャがリィトに向って笑って手を振った。
 
「ふ、ふん……」
 
これ以上アイシャの顔を見ない様、小走りでリィトが
逃げていく……。振り返って又彼女の顔を見れば益々おかしく
なってしまいそうになったからである。
 
「さて……、話を戻そうよ、どうするの……?僕らも早く
船に戻らなきゃならないし……」
 
「でも、レナさんも心配だわ……」
 
「早い話……、戻ってダウドとチビを連れてくるか……」
 
「それで、……此処で暫く護衛するの?」
 
「でも、長時間チビちゃんにぬいぐるみの振りを
させるのは……、ちょっと無理よ……」
 
「……どうするか……」
 
トリオが結論を出せないでいると、厨房へ手伝いに行っていた
レナがミミを連れて戻って来てトリオに声を掛けた。
 
「皆さん、夕ご飯のご用意が出来ましたよ、食べて行って下さい、
ご主人も奥さんも是非と、お待ちしております、美味しいですよー!」
 
「今日のご飯はからあげでーす!お手伝いでミミが
味付けしましたー!」
 
「あら?もう一人のお友達は……?」
 
「あー、あれは友達じゃな……、いてっ!」
 
アイシャがジャミルの足を踏んだ。
 
「なんだよ……」
 
「先に帰っちゃったの!用事が有るみたい!」
 
「そうですか、残念ですね……、では皆さんだけでも……、
ご一緒に……」
 
「でも……、別の友人も待たせておりますので……」
 
「そうなんですか……、でも……、私、皆さんと色々
お話がしたいんです……、ご迷惑でしょうか、あの、ほんの
少しのお時間でも駄目ですか……?」
 
レナがそう言い出したのを見て、ジャミルはよし……、と、
独りで勝手に頷いた。
 
「あのさ……、びっくりしないでくれるかな……?」
 
「はい……?」
 
「……あんたを信頼して話すけど……、実は俺達……、
今、ドラゴンの赤ん坊を育ててるんだよ、チビって
言うんだけどさ……」
 
ジャミルがこっそりとレナに向かって話す。
 
「ジャミルっ……!」
 
アイシャとアルベルトが慌てるが……。
 
「この人なら……、大丈夫だって!」
 
「まあ、ドラゴンの……、赤ちゃんですか……?」
 
レナが驚いて手を口に持っていく。
 
「なーに、なーに?何のお話してるのー?ミミにも教えてー!」
 
ミミがレナの服の袖を引っ張って言う。
 
「玉に我儘で……、手を焼くこともあるんだけど、
頭は凄く良くて利口なんだよ……、その……、迷惑じゃ
なかったら……、此処まで連れて来ていいかな……?」
 
「もちろんですよ……!あっ、旦那さんと奥さんも
大丈夫ですよ!お二人ともとても優しい方ですから
事情を話せば分かって貰えますよ!」
 
「あの……、レナさん、チビちゃん連れて来て……、
本当にいいの……?」
 
アイシャがおそるおそる聞いてみると、レナはぱあっと
明るい笑顔を見せた。
 
「はい!私もチビちゃんに会ってみたいです!」
 
「……じゃ、じゃあ……、僕は急いで船に戻ってダウドと
チビを連れてくるよ!」
 
アルベルトが慌てて船まで戻って行った。トリオはレナの
心意気と、宿屋の夫婦の人柄の良さに心から感謝する。
 
 
そして一方、あの青白い顔の眼鏡の青年は宿屋を出た後、町を
ウロウロ徘徊していた。
 
「……負けるのは仕方ない、わかってた事だ、だけど……、
これで……レナさんにやっと近づける口実も出来たし……、
口も漸くきいてもらえた……」
 
青年は眼鏡を光らせ、そうぽつりと呟くと、目の前に広がる
果てしなき青い空を眺めた。


愛と恋とは違うのりゅ・4

4人は宿屋の夫婦の計らいで夕食に招待される事に。
 
「本当、すみません、オイラまで呼んで貰っちゃって……」
 
ダウドがてれてれ、照れ臭そうに頭を掻いた。
 
「いいんですよ、私も主人も賑やかなのは
大好きですから、ね?」
 
「ああ、明るいのは嬉しいねえ」
 
夫婦はまだ二人とも若く、見た感じ30代ぐらいの
感じだった。
 
「チビちゃん、静かにしててね?あまり騒ぐと、他に
お泊りしているお客さんに気付かれちゃうからね?」
 
アイシャがチビに、しーのサインを出すと、
チビは元気よくお返事をした。
 
「きゅっぴ!はーい!」
 
ちなみに、食事は厨房にあるテーブルで取っている。
 
「……凄いわ、この子……、本当にドラゴンの
赤ちゃんなんですね……」
 
レナがそっとチビの頭を撫でると、チビも嬉しそうに
レナの手にすり寄る。
 
「そういや、チビが俺達以外に、他の人間に触れるのって……、
今回が初めてだよな……?」
 
「うん、ルビス様は人間じゃないしね……」
 
「ねえ、アイシャお姉ちゃん……、ご飯すんだら、
チビちゃん少しかしてくれる?」
 
「うん、いいわよ、ミミちゃん!」
 
「やったー!早くご飯たべちゃお!」
 
早速夕食を済ませ、ミミが自分の部屋にチビを
連れて行こうとする。
 
「ミミ、くれぐれも……、他のお客さんに
見つからない様にするんですよ……」
 
「はーい!お母さん!」
 
「あっ、このバッグの中に入れてあげて、チビちゃんは
ぬいぐるみのフリが出来るからね」
 
「うん、アイシャお姉ちゃんありがとう、あれ?他にも
お人形が入ってるよ?」
 
「それはスラ太郎って言うの、良かったらこっちも宜しくね」
 
「はーい!」
 
ミミは喜んでチビを連れ、うきうきで自分の部屋に走って行った。
 
「でも……、本当に嬉しいです、私、此方の世界に
来てから……、不安な事ばっかりだったけど、とても
優しい方達に出会えて幸せです……」
 
顔を赤らめ、レナがぽつりと呟いた。
 
「ん?此方の……、世界?」
 
ジャミルがレナの方を見て不思議そうに首を傾げた。
 
「レナさんは上の世界からいらっしゃったんですよ」
 
食後のお茶をジャミル達に注ぎながら奥さんが答えた。
 
「……僕達も……、上から来たんですよ……」
 
びっくりした様にアルベルトも口を開く……。
 
「まあ、ジャミルさん達もなんですか……!?ああ、
嬉しいです、私達、一緒なんですね!」
 
「んーと、レナさんは何処の出身だい?」
 
相変わらず美味しい物には遠慮せず、残った唐揚げを
ひょいひょい摘みながらジャミルが話す。
 
「……ジャミルったら……、恥ずかしいんだから……、
もう……」