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zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 ミニマム・カルテット編

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「何を訳の分からない事言ってるんだよ、ジャミル……」
 
次に目を覚ましたアルベルトも頭を横に振って気分を
すっきりさせる。
 
「だって、見てみろよ、あれ……」
 
「……本当だ、何でだろう?凄く大きいです……ね」
 
アルベルトが首を傾げた。
 
「な?」
 
「ふにゃ……、寝すぎちゃった……」
 
「ん~、気持ちいい、チビちゃんと一緒に水風呂に
入ってる夢見てたわあ、ふわあ……」
 
続いてダウドとアイシャも目を覚ました。
 
「おかしいだろ、絶対、テーブルだけじゃねえぞ、
ドアまででかくなってる……」
 
「この部屋にある他の物もよ、どうしたのかしら……」
 
「幸い、ドアは開いてるから、外出られるぞ、行こう」
 
 
4人は休憩室から廊下に出てみるが……。
 
「……でけえ、とにかくでけえ、何もかも……」
 
「とにかく、甲板に上がってみよう、船の舵も
取らなきゃだし……」
 
「階段が……」
 
「……」
 
明らかに階段まで大きくなっている為……、今の4人には
到底登れそうにない……。
 
「んな事言ってる場合じゃねえ、とにかく登るんだっ!」
 
「……のーぼーれーなーいーよおお……」
 
ダウドが早速階段から滑り落ちた……。
 
「ダウド、頑張って……、ほら……」
 
アルベルトがダウドに手を差し伸べる。
 
「じぬ……ああああ……」
 
「……これって、いいダイエットにもなるわよね、頑張るわ……」
 
何とかアイシャも踏ん張って皆で階段をヒーヒー登る……。
4人は甲板へと続く巨大化した階段をロッククライミング状態で
約10時間掛けて漸く登り終えた……。
 
「……も、も~駄目……、一体何でこんなことに
なってるのお~……」
 
一番最初に登り終えたのはジャミルだったが、一番最初に
倒れたのはやはりダウド。
 
「あ……、朝になっちゃってるわ……」
 
アイシャも甲板にしゃがみ込んだまま動けなくなっている。
 
 
……りゅ、りゅ、りゅ、りゅ、り~~ゅ~~う~~う~~う~~……
 
 
「あの声は……、ベビーサタンだな、又しつこくきやがったか……」
 
「……こんな時にぃ~……、オイラ筋肉痛で動けないよお……」
 
「何だか今日はやけにスローな声ね……」
 
「うん、お相撲さんが喋ってる様な声だね……」
 
 
……どっすん!!
 
 
「……うわっ!?」
 
「きゃ!?」
 
続いて……、物凄い地響きと巨大な足音がして、4人は何かに
跳ね飛ばされて甲板を転がる。一瞬、又動く石像でも乱入して
来たのかと思う4人であった。
 
「……アイテテテ、たく……、何なん……」
 
ジャミルが頭上を見上げると……、其処にいたのは
動く石像でなく……。
 
 
「……り~~ゅ~~う~~……」
 
 
巨大化したベビーサタンが甲板に突っ立ち、4人を
見下ろしているのである……。
 
「……マジで……?冗談っしょ……?」
 
「ジャミル……、落ち着こう、……えーと……、この
現状から察するに……、えーと……」
 
「あんだよ、アル!早く言えよ!」
 
「えーと、つまり……、この船の物が巨大化
したんじゃなくて……」
 
「……」
 
「……僕らが小さくなっちゃった……って、事……かな……?」
 
「……バ~カ~が~ちーいーさーくーなーって~る
りゅ~~……、ぬ、ほ、ぬ、ほ……ぬ、ぬ……ほ、ほ、
ほ、ほ、ほお……お!!」
 
ベビーサタンがグリーンジャイアント状態で
ほほほほ笑う……。
 
「……うるせーな!バッキャロめ!!……そうか、分ったぞ!
てめえが俺らに変な魔法掛けやがったんだな!?」
 
確かに、仕組んだのは根本的に人間の時の小悪魔で、
どっちみち小悪魔がやった事には変わりないのだが、
まさか貰った飲み物が原因とは4人は全く気付か
ないのであった……。
 
「おい、チビドラゴンは何処りゅ?隠すんじゃないりゅ、
早く教えろりゅ!」
 
(スロー声はやかましいので、普通に喋らせます……)
 
「誰があんたなんかに教えるもんですかっ!!」
 
「……小娘め……、生意気な口聞いてられるのも
今のうちだけりゅよ……、ん?あれは……」
 
「まずいっ……!!やばいぞっ!!」
 
ベビーサタンは甲板に出来た旅の扉の存在に気づいてしまう……。
 
「前回は確かあんな様な処から、ドラゴンの処に行けた……、
つまり……、ここを通れば又違うドラゴンの処に通じてりゅのね、
ふんふん」
 
「やめろっ……!……その先には行かせねえぞ……!!」
 
「その慌てっぷり……、ふふん……、やっぱりりゅ、
チビドラゴンもこの先に……、ふふん……」
 
「いないよお!チビちゃんなんかいないから……!
だからどっか行ってよおお!」
 
ダウドも必死に叫んでチビを守ろうとするが……。
 
「……そんなミニマム状態で何ができりゅーっ!お前ら
もう邪魔!どっかとんでけりゅーーっ!!
 
「……あ、あああああーーーっ!!」
 
 
4人はベビーサタンの風魔法で小さくされたままの状態で
船から遥か遠くに飛ばされてしまい最悪の事態を迎えたのであった……。
 
「フン……、やーっと邪魔者がいなくなったりゅ、
バカにしてたけど……、あの魔法薬剤師の薬の効果は
半端じゃなかったのりゅ、ふふふ……」
 
小悪魔はそう呟くとほくそ笑み、目の前の旅の扉を見つめた……。

ドワーフの国で

……み……ん……な……
 
 
「……」
 
 
チビ……、はなれててもいつもみんなといっしょだよ……
 
 
「チビ……」
 
 
だから……あきらめないで……
 
 
「ジャミル……」
 
「……アイシャ……か……?」
 
「良かった……、目を覚ましてくれて……」
 
意識を取り戻したジャミルの姿を見て安心したのか
アイシャが涙を溢す。
 
「……真っ暗な世界でチビが俺を呼ぶ声が……、微かに聞こえたんだ……」
 
そう言ってジャミルが自分の体を起した。
 
「私もよ……、きっとチビちゃんが励ましてくれたのね……」
 
「アルとダウドは……?」
 
ジャミルが訪ねるとアイシャは黙って首を横に振る。
 
「私が気が付いた時には……、二人の姿が見当たらなくて……」
 
「……そうか、けど、生きてりゃまたきっと会えるさ……、信じよう、
あいつらの無事を……」
 
「ええ……」
 
「前にチビがブレスでベビーサタンを吹き飛ばしたろ?あの時と逆で
まさか今度は俺らが飛ばされるとはな……」
 
ジャミルが苦笑する。
 
「それにしても……、私達、どこまで飛ばされたのかしら?状況が
全然掴めないのだけれど……」
 
アイシャが回りを見回すが、周囲は自分達の背丈と同じぐらいの
草が邪魔をし、まるでジャングル状態である。
 
「本当、草ばっかで何も見えねえな、まあ海にでも落ちなかっただけ
マシだよ」
 
ジャミルが身体についた泥を払って立ち上がった。
 
「そうね……、運が良かったと思わなくちゃね!」
 
「行くか……、ここでじっとしててもしょうがねえ、一刻も早く
元の大きさに戻って毒マツタケ手に入れて山竜の処まで戻らねえと、