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zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 ミニマム・カルテット編

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いつもと全然調子を掴めず、ジャミルは苦戦する。
 
「きゃーっ!?ジャミルーっ!!助けてーっ!!」
 
「アイシャっ!チッ……!囲まれちまってる……!待ってろ
今……、あ……!」
 
ジャミルもじりじりと軍隊アリに蟻地獄へと追い詰められていく。
 
「やだっ!あっち行ってったらっ!マヒャド……マヒャド!!」
 
しかし、身体が縮んでいる為か、アイシャの魔法力も半分になり
小さな氷程度しか出せない……。
 
「……ぐすっ……、何でこうなるのよう~……、もう……、
駄目だわ……」
 
軍隊アリの一匹がアイシャ目掛けて今にも針を
突き刺そうとした、その時……。
 
「おうっ、おうっ、おうっ!!」
 
「……!?」
 
アイシャがそっと目を開けると……。
 
「おう、嬢ちゃん大丈夫か!」
 
今の自分達と同じ大きさぐらいのむさ苦しい髭面親父集団が
目の前に集まっていた。アイシャを襲おうとしていたアリの
身体には槍が突き刺さっており、既にこと切れていた。
 
「お、おじさん達……、誰……?もしかして……、助けてくれたの?」
 
「おうっ、話は後だあ!取りあえずこのアリどもを片付けんぞ、お前ら!!」
 
「あ……」
 
小さい親父集団は慣れた手つきで武器を操り、次々と軍隊アリを仕留めていく。
 
「アイシャ!」
 
ジャミルが慌ててアイシャの元に走って来る。
 
「ジャミル!大丈夫だった!?」
 
「ああ、それにしても……、一体どうなってんだよ……」
 
親父集団が軍隊アリを半分ぐらい仕留めた処で、残りのアリ達も
退場していった……。
 
「おうっ、今日は大量だあ!」
 
リーダー格の髭面親父が軍隊アリの山を見てわははと豪快に笑った。
 
「あの……、おじさん達……、助けてくれて有難う……」
 
ドギマギしながらアイシャが親父集団にお礼を言う。
 
「……おうっ!?俺ら、おっさんじゃねえぞ!」
 
「きゃあっ!!」
 
リーダー格が急にドスの訊いた声をだした為、アイシャがびっくりして
ジャミルの後ろに慌てて隠れた。
 
「おうっ!特にオラあ、こう見えても、23だあ!まだ親父じゃ
ねえんだよ!嬢ちゃん!俺たちゃ、みんな30前のぴちぴちだぞ!」
 
「23……、て……」
 
リーダー格はどう見ても、23には見えず……、ジャミルの
目が点になった。
 
「ごめんなさい、まだお若いんですね……」
 
アイシャが慌てて謝り、頭をぺこりと下げた。
 
「おうっ!いいってこった!!」
 
リーダー格が又豪快に笑った。
 
「ところで、今日はやけに珍しい奴らとやけに会うな……」
 
「だな、人形みたいな顔の奴らだ……」
 
そう言って親父集団の仲間がジャミルとアイシャの顔をじろじろ見る。
 
「奴らって……、俺達の他にも誰かいたのかい?」
 
「ああ、片方は足を怪我してたんで、俺達のアジトで寝かしてるぞ」
 
「ジャミルっ!待って!!」
 
「ど、どうしたんだよ、アイシャ…」
 
「きっとアルとダウドだわ……、それしか考えられないもの……」
 
「!そうか、そういやそうだよな……」
 
ジャミルは思い切ってリーダー格に聞いてみる。
 
「あのさ、今、あんたらのアジトにいる奴らってさ、
それって、髪の色が金髪のと、あと一人、顔が困った様な
顔のタレ目の奴いなかったかい……?」
 
ダウドの例え方が酷い……。
 
「おうっ?確か、そんな様な感じの奴らだったかな……?」
 
「きゃーっ!やっぱり!アルとダウドよ、ジャミルっ!!」
 
喜び勇んでアイシャがジャミルに飛びつく。
 
「一緒にあんた達の住処まで連れてって欲しいんだよ、頼む!!」
 
「おうっ!いいぞ、ついてこいや!!」
 
仲間と一緒に軍隊アリの死骸を担いでリーダー格が歩き出した。
 
「ジャミル、おじさん達について行ってみましょ!」
 
「ああ!」
 
「……おうっ!おじさんじゃねえっていってるべや!?」
 
抗議の印なのか、リーダー格はプップと屁をこきながら歩いていく。
 
「きゃー!おじさん、ごめんなさーいっ!!」
 
再びアイシャがジャミルの後ろに隠れた。
 
「……はあ、誰がどう見たって40過ぎのおっさんだよなあ……」

黒幕、始動す……

「おうっ、此処通りゃすぐに俺達のアジトだ!」
 
岩の下に小さいトンネルの様な穴があり、ジャミルとアイシャは
親父集団の後に続き不安に駆られながらも穴の中を通る。穴の中の
先はちゃんと人が生活出来る、不思議な居住空間であった。
 
「こんな地下に住んでるんだ……、まだまだ俺達の知らない
世界ってあるんだなあ……」
 
「おうっ、何もねえところだがゆっくりしていきな!」
 
「あの、その、えーと、おじさ……、えっと、リーダーさん達は
昔からずっと此処に住んでるの?」
 
すぐにおじさんと言いそうになる為、アイシャは慌てて
自分の口を押える。
 
「おう?俺たちゃずっと同じとこに居る訳じゃねーぞ、そうさなあ……、
一年に一回は引っ越しすんだあ!」
 
「そ、そうなの……、こんなにお部屋を作ってですか……?
何だか勿体無いなあ……」
 
「…ヤドカリかよ……、けど、どこ見てもむさ苦しいのばっかで……、
可愛い女の子とかいねーのな」
 
むんむん汗臭い空気にどうしても我慢出来ず、つい、ジャミルが本音を……。
 
「ん?ジャミル、どうかした?」
 
「……なんれもない……いれれれれ!」
 
ニコニコと笑顔を見せつつ、アイシャがジャミルの頬を
引っ張った。
 
リーダー格はジャミルとアイシャをアルベルト達がいるらしき
部屋の前まで案内する。
 
「おう、この部屋に今日連れて来た奴らがいるぞ、行ってやれや」
 
「リーダーさん、ありがとう」
 
「おう、んじゃ、またな!」
 
アイシャが頭を下げた。リーダー格はジャミルとアイシャ、二人を
部屋の前に残すと、のそのそ何処かへ歩いて行った。ジャミルが早速
部屋のドアを開けると……。其処にはアルベルトとダウドの姿が……。
 
「……あっ!ジャミル……、アイシャ……、あはっ!良かったよおおお~!」
 
ダウドが慌ててベッドから降りようとする。
 
「……ジャミル、アイシャ……、二人とも無事だったんだ!!」
 
二人の姿を見るとアルベルトも急いでこちらに駆け寄ってきた。
 
「よお、元気だったかい?」
 
「……ダウド、アル……、良かった……、私……、もう
心配で……心配で……、又会えて本当に良かった……」
 
それぞれの無事を確認し……、安心したのか又アイシャが
ぐしぐし泣き出した。
 
「俺らも上でアリに困ってる処をおっさん達に助けて貰ったのさ!」
 
「ジャミル達もだったんだねえ!オイラも最初はちょっと
びっくりしたけど……、凄くいい人達だよね!」
 
「僕ら、再会出来たのは本当、良かったんだけど……、
まだ問題が全然解決した訳じゃないんだよね……」
 
二人と無事再会出来、さっきまで喜んでいたアルベルトが顔を曇らせた。
 
「とりあえず、この大きさをどうにかしないとな……、けど、
どうすりゃ元に戻るんだか……」