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zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 ミニマム・カルテット編

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腕組みをし、ジャミルが考えてみるが、何もいい方法が思いつかず。
 
「急がないとチビちゃんの所にまたベビーサタンが……、
時間ないよお……、オイラ達、間に合うのかなあ……、チビちゃん……」
 
「それにしても許せないのはあのベビーサタンよっ!あの手この手で、
卑怯な事ばっかりして……、絶対許さないんだからっ……!!」
 
両の手を拳にしてアイシャがキーキー怒る。
 
「……まさか、な……」
 
「ジャミル…どうかしたの?」
 
アルベルトが聞いてみる。
 
「いや……、珍しく考え事だけど……、くだらねえ事だから
別に気にしないでくれ」
 
「そう……?」
 
「……」
 
(……あの小悪魔と、リィトとか言う野郎……、まさか……、な、
んな事有る訳ねえか……)
 
それから一時間ぐらい時間が経過した頃……。
 
「お前達、食事だぞ、来い……」
 
別のドワーフが部屋に呼びに来た。
 
「おっ、飯だってよ!よかったあああ~、俺、腹減っちまってよ……、
皆行こうぜ!」
 
「私達もごちそうして貰えるのね!嬉しい!アルもダウドも行きましょ!」
 
「あっ、うん……」
 
「待ってよお!」
 
アルベルトとダウドも二人の後に続いた。……ドワーフに案内して貰い、
4人は集合食堂へ。
 
「まあ、適当に空いてる所に座れ」
 
スモールドワーフの連中は皆、顔が同じなので誰が誰だか
判別できず……、食堂に密集しているその数は200人以上は
わちゃわちゃいる感じであった。リーダー格だけは頭に兜を
被っているので何処にいてもすぐに判りやすかった。
 
「此処に座らせて貰いましょ!」
 
アイシャが良さそうな場所を見つけると、4人は一番奥の
空いている席に座った。
 
「……きょうわ、はんばーぐ……」
 
ジャミル達の席に目の小さいドワーフが食事の皿をコトリと置いていった。
 
「……美味しそう……」
 
目の前に置かれたハンバーグに思わずダウドがクンクン匂いを嗅ぐ。
 
「しっかし……、これ俺達が元に戻ったら物凄い小さいんだろうな……」
 
「おいしーい!何のお肉なのかしら!ちょっとプチプチしてるけど」
 
「本当だね、でもちょっと変わってる味だね……」
 
「美味しければなんでもいいよお!」
 
……材料がさっきの軍隊アリだと気付かず……、腹ペコの4人は
只管ハンバーグに舌鼓を打つ……。
 
「おう、お前ら、ちょっと……」
 
テーブルの下からいきなり、リーダー格がぬっとむさ苦しい顔を出した。
 
「!?び、びっくりしたあ~、妖怪かと思ったわ……、
たまがせんなよ……」
 
「おう、少々厄介な事になっちまってな……、少し手伝って
貰いてんだが……」
 
「なあに?私達で出来る事なら何でも手伝うわ!ね、皆!」
 
お節介なアイシャがやたらと張り切る。
 
「色々世話になっちまったしな、それぐらいはな……、
で、何だい?」
 
ジャミルも段々話に乗ってきた。
 
「おう、キノコがな……、増殖しちまっててよう……、困ってんだあ」
 
「キノコ?」
 
「おう、俺の部屋なんだがね、最近は湿っぽくてよう、
あっという間に毒マツタケが増殖しちまってさ、これがまあ厄介のなんの……」
 
「……毒マツタケですって!?生えてるんですか!?あなたの部屋に……!!」
 
アルベルトが椅子からガタンと立ち上がった。
 
「おう、わりんだが、数が多いんで……、刈るの手伝ってくんねえか?」
 
「もちおっけー!!」
 
4人は揃ってぴっと親指を立てた。
 
「おう、そうか……、んじゃわりいけど、飯が終わったら
おれんとこまで来てくれ、待ってるからよ」
 
そう言ってリーダー格は再びテーブルの下に姿を消す。
 
「ラッキーだったねえ、こんなとこに毒マツタケって生えてるんだあ~、
どうりで……、誰にもわかんない筈だよねえ~」
 
椅子にもたれてダウドがうんうんと頷く。
 
「これでやっとチビちゃんの所に行けるわ!後はどうにかして
元の大きさに戻るだけよ!」
 
「けどさ、毒マツタケって、相当小さいんじゃね、俺ら元に戻ったら……、
豆粒ぐらいしかキノコの大きさがねえとか……」
 
「……」
 
4人はまた黙り込んだ……。
 
「とにかく……、まずはリーダーさんのお部屋に行ってみなくちゃね……、
じゃないと始まらないわ」
 
「はんばーぐ、おいしかったですか?」
 
アイシャも椅子から立ち上がる。するとさっきのドワーフが
再び4人の皿を片付けに来た。
 
「あっ、ご馳走様でした……、とても美味しかったです」
 
ドワーフに気づいて、最初に椅子から立ち上がった
アルベルトが頭を下げ礼を言う。
 
「そうですか、よかった、きょうのありのお肉はとてもしんせんで
いきがよかったから……、おいしくたべてもらえてよかった、うふーふ」
 
 
「……え……っ……?」
 
 
4人は自分達の現状を漸く理解したのだった……。
 
 
場所変わり……、再び山竜の塔……
 
「……誰だい……」
 
足音が……こつこつと山竜の側に近づいて来た……。
 
「こんにちは、山のドラゴン君……」
 
「……どうやって、結界無視して此処まで来たんだい?」
 
「そんなに怖い顔しないでくれる?僕は君達竜族の友達、
仲間で味方なんだからさ……」
 
「……味方……、だって?」
 
「そう……、地竜に預けておいた大事な子がいなくなってしまって
ずっと探していたんだ……、もう卵から孵っている頃だとは
思っていたけど……、やっと会えたね……」
 
「……フン、そんなの見ただけで判るのかい?」
 
「……判るよ、卵の時代に僕と一緒にいた時に……、卵の中から
感じていた気と同じだ……」
 
謎の声は静かに眠っているチビを見つめた。
 
「……けれど……この子は……僕が探していた子ではない!?
……どう云う事だ……?……どうしてだい……、感じる気は
同じなのに……、どうして光の力の方が強いんだ……?」
 
「あんた、言ってる事がさっぱり判らないんだけど……、
説明してくれる……?」
 
「……どうして……」
 
謎の声は山竜の元から一瞬で姿を消した……。
 
「……次から次へと……、訳が分からない奴ばっかり来るよ……、
……もっと結界を強くしておいた方がいいんだろうか……」
 
ぶつぶついいながら山竜は隣で眠るチビを見つめ、自身も身体を
休める為の眠りについたのだった。

再び塔へ

「おうっ、ここが俺の部屋だあ!」
 
リーダー格が少しドアを開けただけで部屋から凄い臭いが
漂ってきた……。
 
「……ま、待って、リーダーさん、あなた……、きちんと
お部屋のお掃除してるの……?」
 
顔をしかめながらアイシャが聞くとリーダー格は大口を開け、
豪快に笑いだす。
 
「おう?しねーよ、俺たちゃ元々地下人だあ、そんなもん必要ねえさ!」
 
「……だからって……、う……、ただでさえ臭いのに……、うえっ……、
これ、足の裏が発酵して腐った臭いだよ、ついでにオイラ……、さっきの
アリハンバーグ思い出しそう……」
 
「……言うなっつーの!」
 
ジャミルがダウドの頭をこづいた。