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zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 小悪魔の秘密

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寝っころがっていたダウドが起き上がり、リィトの方を見る。
 
「ふふん……」
 
「それよりもリィト、君もいつまで散歩してるの……?」
 
「ふ、ふん……、もう帰るよ……」
 
(……意外と突っ込んでくる奴りゅ……)
 
「ねえ……」
 
「な、何り……、何だよ……!」
 
ダウドがいきなり、リィトの服の袖を掴むと同時に真剣な
表情で彼を見る。
 
「もう、もしかしたら……オイラ……、皆の処に戻れなくなるかも
知れない……、そうしたら……、リィト……、それでも君だけは
オイラと友達でいてくれる……?」
 
(気持ち悪いりゅ……)
 
「……あ、あんたと友達になった覚えはないよ……、悪いけど……」
 
またジンマシンが吹き出そうになるのをリィトが必死で堪える。
 
「そっか……、それならそれでいいよお……」
 
「……」
 
「まあ……、取りあえず……、検討を祈ってるよ……、何するか
知らないけど……」
 
ダウドは再び黙りこくり、リィトはその場から姿を消した。
 
(大丈夫、誰も判ってくれなくても……、チビちゃんがオイラの側に
ずっといてくれるなら……、オイラは大丈夫……)
 
 
そして結局そのまま時間はまた巡り、あっという間に夕食の
時刻になった。
 
「お湯は入れた、3分立ったら食ってくれよ、頼む」
 
「カップラーメンかい?」
 
「ジャミル……、手抜きしたわね……?」
 
「だってさ、気力がねーんだよ……、勘弁してくれや、とりあえず、
メーカー品だぞ……」
 
「わあい!チビ、カップラーメン大好き!」
 
「チビちゃん、何て偉い子なの……、でも、成長期のチビちゃんに
インスタントばっかり食べさせる訳にいかないわ!明日は私が
夕ご飯の食事当番だから、うーんと美味しい物作ってあげるわね!」
 
「チビ、クイズだ、朝、飯作るの失敗したのだーれだ?」
 
「きゅぴ?アイシャ!」
 
「正解!」
 
「……なあに?ジャミル、何か言ったかしら?」
 
「くくっ……」
 
アルベルトが急に笑い出す。
 
「何だよ……」
 
「……いや、大分前にダウドが食事当番の時、手抜きでインスタント
カレー出した時あったろ?……やっぱり、性格は全然違うけど、君達は
コンビなんだなあと思ってさ……」
 
アルベルトが笑いながらジャミルの方を見た。
 
「フン……、似、似てねーっつーの……!何処がだよ……!」
 
「ふふっ、そうよねえ……、のほほんとしてて……、意外とダウドも
玉に頑固な処、あるしね」
 
アルベルトに釣られてアイシャも笑いだす。
 
「ぴゅぴ……、ねえ……、ダウの分のラーメンもちゃんとある……?
ダウ、もうずっとご飯食べてないよ……」
 
どんな時でもダウドを心配する優しいチビ。
 
「心配すんなよ、あるよ、ちゃーんと、あいつの分もさ」
 
「きゅぴ!良かったー!」
 
「但し……、あいつには罰だ……、新製品の……、甘ーい苺ミルク
味噌味だ……、うひひっ……、それとも、生クリーム風味
焼きそばがいいかなあ……」
 
「……悪魔……、やっぱり君達はデビルコンビだ……」
 
「アルに言われたくねーのっ!」
 
 
しかし、チビと皆の心配を背中にダウドは夜遅くなっても
まだ戻らなかった……。
 
「出来た……」
 
そんな中、アイシャは夜の休憩室で一人、黙々とある作業をしていた。
 
「アイシャ、まだ寝ないのか?」
 
アルベルトも先に寝てしまい、こっそり甲板でダウドを
待っていたジャミルが休憩室に顔を出す。
 
「ジャミルこそ……、まだ寝ないの?」
 
「中々な……」
 
「……ダウドが心配なんでしょ?」
 
「べ、別に……、全然!心配じゃねーよ!」
 
顔を赤くしてジャミルが横を向いた。
 
「もうっ!変な処で意地張らなくていいんだったら!
……二人とも、本当にいいコンビで、おかしなコンビよねえ……」
 
呆れつつも、アイシャが笑う。
 
「チビは、寝たのか?」
 
「うん、……眠る直前まで凄くダウドを心配してたけど……、
きゅぴ~、ダウは?ダウはまだ帰らないの……、って……」
 
「そうか……」
 
「これ、お豆腐のドーナツ……、作ってみたの、
もしもダウドが帰って来たら食べて貰える様にと思って、
油で揚げてないからカロリーも控えめでヘルシーなのよ」
 
「ふーん……、また塩と砂糖間違えてないだろうな……」
 
そう言ってジャミルが横からひょいっとドーナツを摘み口に入れた。
 
「あっ……、幾らカロリー控えめだからって……!
それにジャミルはちゃんと夕ご飯食べたんだから!もうっ!」
 
「ん~っ!意外とうめえ……!お前、本当に上手い時と
下手な時に差が出るな……」
 
ドーナツをもぐもぐ頬張りながらジャミルがアイシャの顔を見た。
 
「……失礼ね!意外とって言うのは何よ!あ、朝は気分が
落ち着かなかっただけよ……」
 
「あー、うまかった!さて、俺ももう寝るわ、お前も早く寝ろよ……」
 
「うん、明日にはきっと……、ダウド、帰ってくるわよね……」
 
「どーだかな、じゃっ!」
 
背を向けてアイシャに手を振り、ジャミルが船室へ戻って行く。
 
「……私ももう寝よう……、悪い事ばっかり続かないわ、
きっと大丈夫……」
 
作ったドーナツに手紙を添えてアイシャも船室に戻って行った。
 
 
そして深夜……。
 
「……流石にもう皆寝てるよね……、大丈夫かな……」
 
自分達の船なのに、ギスギスしながらやっとダウドが戻ってきた。
 
「……なんか、甘い匂いがする……、もふ……」
 
お腹の空いたダウドがついふらふらと……、匂いに釣られて
休憩室に入って行く。
 
「うわあ、ドーナツだあ、おいしそう……」
 
堪らず、ドーナツにダウドが一つ手を出した。
 
「……おいしい……、暫く何も食べてないんだもん……、
お腹ぺこぺこだよお……」
 
幸せそうにダウドがドーナツをぱくつく。
 
「……でも、凄く美味しいのに、何でだろう……、
何だか美味しくない……、どうしてだろう……」
 
 
どうして皆で食べるご飯てこんなに美味しいのかなー?
チビだけで食べても全然美味しくないのにね、ふしぎ、ふしぎー!!
 
 
途端にチビの言葉がダウドの頭の中を過った……。
 
「……チビちゃん……、ん?手紙……?」
 
 
※ダウドへ……、お腹空いちゃうからドーナツを作りました。
カロリー控えめドーナツだから少しだけなら夜遅く食べても
大丈夫よ、でも、ご飯もちゃんと食べなきゃ駄目よ!
……それから……、チビちゃんが凄く心配しています……。
明日にはちゃんと元気な顔を見せてあげてね……。
もちろん、アルも私も……、ジャミルも……、凄く心配です……。
どうか早く機嫌を直してまた笑顔を見せてね。おやすみなさい……。 

アイシャより
                   
 
 
「……今更、なんだよお……、もうオイラはやるって決めたんだもん……、
考えは曲げないよ……、あの鍵さえなければ……、鍵さえ無くなれば……、
チビちゃんとずっと一緒にいられる道が出来るかも知れないんだ、