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zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 小悪魔の秘密

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それに、鍵を盗んだのがばれなければ、普通に又皆といつも通り
過ごせるんだから……」
 
そしてダウドはそのままジャミル達がいる船室へと向かった。
 
「夜は鍵をタンスにしまう筈だ……、まさかジャミルもオイラが
盗むなんて思わないだろうからね……」
 
覚悟して、船室に足を一歩踏み入れた、その瞬間……。
 
「ここだ……、このタンスの……」
 
「中に何か用か!?」
 
「!?いっ、ジャミルっ……!!」
 
突然部屋の明かりがついて、部屋の中にはジャミルとアルベルトが
突っ立っていた。
 
「そんな……、もう、ね、寝たんじゃ……!?」
 
「ちゃんと、お前を待ってたんだよ、寝たふりしてさ、心配だからな……、
アル……」
 
「うん、……ラリホー!!」
 
アルベルトがダウドにラリホーを掛けた。
 
「……そんなあっ!?二人とも……、ひ……ど……い……」
 
ダウドはパタッとその場に倒れ、寝てしまった……。
 
「ごめんね、一応……、念の為なんだ……」
 
……そして朝方……、ジャミルはチビが目を覚ます前に早く、
アイシャも起こして、自分達の船室に呼び、帰って来たダウドから
事情徴収する事に……。
 
「アイシャ、チビはまだちゃんと寝てるか?」
 
「うん、大丈夫よ……、ぐっすり……」
 
「なら心配ないな……、どういう事かきちんと説明して貰うからな……」
 
「……とほほ~、わかりましたよおお~……」
 
あぐらを組んでダウドが座ったまま下を向いた……。
 
(……ハア、やっぱり、敵わないよ、ジャミルには……)
 
そう心で思うダウドの表情は……、硬い表情が崩れ、いつの間にか
普段の様に綻んでいた。


消えたダウド

ジャミル達はダウドから延々と事情聴取をする……。
 
「……んで?この鍵がなきゃ、上の世界へ戻れなくなるから……、
チビとずっと一緒にいられると思ったのか?」
 
「そうだよお!……悪い?」
 
怒られるのをもう覚悟しているのか、ダウドが開き直って
ジャミルの方を見た。
 
「バカだなあ、お前……、いや、バカなのは判ってるけどさ……」
 
怒るどころか……、開き直るダウドにジャミルは呆れる。
 
「どうせオイラはバカですよ……、ジャミルだって……、
バカじゃん……」
 
「よし、バカを怒ってもしょうがねえや、朝飯の準備すっか、
チビが起きねえうちにな」
 
「私も手伝う!」
 
「僕も手伝うよ」
 
「?ちょ、みんな……、オイラの事何で怒らないの……!?
それだけ……!?」
 
「ん……」
 
「え……?」
 
お前も来いと言う様にジャミルがダウドの方を見、顎をしゃくった。
 
「……何で……」
 
そして、4人は休憩室に移動し……。
 
「またあ……」
 
ダウドの目の前に……、大量の玉葱の山……、しかも前回の
3倍の量であった……。
 
「ほれ、後1時間で6時になる、それまでにこれ全部切れー!以上、
7時までに朝飯の準備を終わらせるんだ、分ったか?」
 
「……とほほ~、何でこうなりゅの~、……うう~、小悪魔みたいに
なっちゃったよお~……」
 
ダウドが唸って首を曲げた……。
 
「ダウド……」
 
アイシャがダウドの側にやってくる。
 
「あっ、アイシャ……、あの……、昨夜はドーナツ……、
ありが、と……、美味しかったよ……」
 
照れながらダウドがアイシャにお礼を言う。
 
「……もうっ!私達もチビちゃんもどれだけダウドの事心配したと
思ってるのよっ!!二度と勝手な事しちゃ駄目だからねっ!
……バカバカバカっ!!」
 
「……とほほ~、アイシャにまで……、うーん、結構傷つくなあ……」
 
「でもね……、ダウド……、ダウドの気持ち、判るの……、
本当は私だって……、チビちゃんとお別れしたくないもの……、
それが正直な気持ちなの……」
 
「アイシャ……」
 
ダウドの方を見ず、俯いたままアイシャが喋り終える。
 
「本当に……、チビちゃんにとって、どの道が一番幸せに
なれるのか……、……それはこれから私達が真剣に考えないと
いけないのよ、限られた時間の中で……」
 
「……チビちゃんの……、本当の幸せ……」
 
そして、無事に朝食の準備も終わり、ジャミルがチビを
休憩室に連れてくる。
 
「さあ、陛下、あなたの大好きなフーテン召使いのお帰りですぞ、
何なりとお申し付けるがよいぞ!」
 
「……何なんだよお、その口調……、それにフーテン召使いって……」
 
「きゅぴ?あっ!ダウだっ!」
 
「……チビちゃん……、ただいま……」
 
「わあい!ダウっ!ダウっ!お帰りーっ!」
 
「……チビちゃん……、そんなに……、オイラを待っててくれたの?」
 
チビは喜んでダウドに飛びつき、顔を舐め、とびきりの愛情表現をする。
 
「ぴい~っ!」
 
「有難う、チビちゃん……」
 
「ダウドも、玉葱切りご苦労様……、疲れたろ?さあ、座って、
一緒に朝食を食べよう」
 
アルベルトがダウドの肩に触れる。
 
「アル……、うん、有難う……」
 
4人と一匹が席に着き、いつもの顔ぶれが揃い……、これで
いつもの通り元通りの様になり、喧嘩騒動も終わるかの様に
見えたが……。
 
 
駄目りゅよ……、もうお前は決めたのりゅよ……?約束は
ちゃ~んと守れりゅ……、けっけけけ……
 
 
「……あうっ……!?」
 
「ダウド……?」
 
突然ダウドが頭を抱え、屈み込む……。
 
「頭……、頭が……いたいよ……」
 
「ダウドっ!!どうしたのよっ!!」
 
「……ダウド、どうした!?……おい!返事しろよっ、
おいってばっ……!」
 
ジャミルが必死にダウドに声を掛け、呼びかける。
 
「……オイラは……、もう決めたのりゅ……、チビは……
連れて行く……」
 
「きゅぴっ……、ダウ……?」
 
「りゅ……?その変な口調!まさか……、おいっ!ダウドっ!」
 
 
少しだけ……、お前に力を貸してやるりゅ……、早くチビドラゴンを
連れていくりゅ……
 
 
「……」
 
「ジャミルっ!ダウドは何かに洗脳されてるっ!!近寄っちゃ駄目だっ!!」
 
アルベルトが必死で叫び、ダウドを助けようとしたジャミルを
止めようとする。
 
「ご名答りゅ、……こいつの身体は乗っ取ってやったりゅ、
けけっ……」
 
「その喋り方……!?やっぱテメエ、小悪魔かっ!!」
 
「……ダウ~、ダウ~……?」
 
チビも心配してダウドに近づきそうになるのをアイシャが
必死で止める。
 
「チビちゃん……!駄目っ!!あれはダウドだけど
ダウドじゃないのよ!」
 
「きゅぴい~……、放して~、アイシャー!ダウが……、
ダウが……」
 
「最近のあいつの様子がおかしかったのはもしかして……、
テメエが何か唆したのか……!?」
 
「フン、簡単に気を許してアホみたいにやたら色々とベラベラと
喋ってたりゅよ?……こいつは本当に悪の素質があるのかも
知れないりゅね……」
 
「……んな事ねえよっ、ちょっと臆病で気が弱ええから……、
隙を見せただけだっ!!誰よりも優しいんだよっ、ダウドは……、
オメーなんかに何が判るんだっ!!」