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zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 小悪魔の秘密

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(知ったこっちゃねえりゅ……、結構暑苦しい奴りゅ……)
 
「う……、ジャミル……、皆……、チ……、ビちゃん……、オイラ……、
なんで……?身体が……、身体が動かないんだ、自由がきかないん
だよお……、まるでオイラがオイラでなくなってるみたいだ……」
 
ほんの一瞬だけダウドが自我を取り戻しそうになるが……。
 
「ダウドっ!!負けんなっ!!自分を取り戻すんだっ!!」
 
「頑張るんだっ、ダウド!」
 
「お願い……、いつものダウドに戻って!……どうか負けないで……!!」
 
「ダウ~……」
 
(本当、うるさい連中りゅね……、……少し口塞いで
やるかりゅ……、またこいつの夢の中の時みたいに、
チビドラゴンが動くとやっかいりゅ……)
 
「……これでも、喰らえ……、……ラリホーマ……」
 
「うっ……!ダ、ダウ……、ド……、……ちくしょ……、う……」
 
小悪魔ダウドは更に強力な上級魔法を使い……、ジャミル達
全員を一発で深い闇の眠りへと叩き落とす……。
 
「……上級魔法で眠りの魔法しか使いたくないとは……、
折角力を貸してやったのに……、やっぱりこいつは臆病の
ヘタレりゅね、まあいいりゅ……、けど、心にまだ少しこいつの
意志が残ってるのかりゅ?」
 
自分の意志を洗脳され、小悪魔に取りつかれたままのダウドは
独り事の様にブツブツ呟く。そして、当然の如くチビも
眠らされたのである。
 
「さあ、ヘタレ……、お前の言っていた鍵とやらはどこりゅ?」
 
心で小悪魔がダウドに呼び掛けると、感情が無くなりレイプ目に
なったダウドは無言で船室まで歩いていく。
 
「ここかりゅ……、けけっ、これが鍵かりゅ?……一体この鍵が何なのか
お前の記憶から教えて貰うりゅよ……」
 
小悪魔はダウドの記憶から、竜の涙から変化した鍵と奇跡の
扉の記憶を探し当てた……。
 
「ふ~ん、……この鍵が……、異世界への扉のカギりゅ……、
けど、リトルは今はそんなとこ興味はないし行きたくないし、
どうでもいいのりゅ、こんな物いらんりゅ、目的はただ一つ……」
 
そう言って鍵をほおり投げ、再び休憩室へ……。
 
「……目的はこれだけりゅ……」
 
倒れているチビを抱え、船を後にする。
 
「けーっけっけ!けけけけ!……やっと、やっと……、
手に入れたのりゅ……、……この身体はどうすりゅかね……、
まあもう少しだけ利用してやるりゅ」
 
 
結局、トリオが魔法から解放され、目を覚ましたのは
夜遅くなってからの事であった。
 
「……やられたね……」
 
「ああ、ダウドの事ばっかり気にかけてたから……、油断し過ぎたな……、
クソっ……!また丸一日時間潰しちまったな……」
 
「どうしよう……、又チビちゃんが……、今度はダウドまで
連れて行かれちゃったわ……」
 
「諦めるのは早いよ、アイシャ、すぐに小悪魔を追いかけよう!」
 
「ええ!」
 
「いい加減であの小悪魔ともケリつけなきゃな!
何でチビを狙ってるのかこの際、はっきりさせてやる!」
 
「……だけど、どうやって後を追えばいいの?……」
 
「そうなんだよなあ……、大分時間立ってるしなあ、
今からじゃもう間に合わねえ……」
 
「……?ジャミル、ジャミル達の船室の方が光ってるわ……」
 
「えっ!?本当か?」
 
トリオが急いで船室に向かうと……、小悪魔がほっぽり出した
鍵が転がっていた。
 
「これか……、あいつ鍵を持っていかなかったのか……、
まあいいけど……」
 
そして、鍵はいつもの如く光を放ち、皆を救うべく、
旅の扉を作って進むべき場所へと導いてくれたのである。
 
「本当、毎回助かるわ……、……これですぐにダウド達の処に
行けるな!」
 
「急ごう!チビとダウドを助けに行こう!!」

小悪魔の記憶

(此処、何処……?)
 
まるで見た事のない景色の中をゆっくりと……、精神体だけになった
ダウドは歩いていく。
 
(そう言えば、オイラ……、小悪魔に取り込まれたんだっけ……、
何かもう、どうでもいい様な気がしてきたよ、何もかも……)
 
 
リトル……
 
 
(声が聴こえる……、リトル……?)
 
やがて……古い大きな廃屋屋敷がダウドの目の前に現れる。
 
「リトルっ、リトルっ!」
 
(なっ!?)
 
顔も真っ黒で服もボロボロだが、容姿は何とあのリィト、
その姿、そのままの少年が何故か小悪魔と一緒にいるのである。
 
(あの男の子……、リィトじゃん……、それにどうして、
小悪魔と一緒にいるの……?)
 
「お前は何でリトルに近寄ってきたのりゅ?怖くないのかりゅ?
リトルは悪魔族の偉大なるプリンスりゅよっ!そこにひれ伏せりゅっ!」
 
「どうして?別に全然怖くないよー!ふふっ!」
 
「おかしな奴りゅね、人間つーのは皆何処か頭がおかしいのりゅ」
 
「そんな事ないよー!」
 
少年はそう言ってぴたっと小悪魔にくっつき抱き着いた。
 
「こ、こらっ!離れろりゅ!あっち行けりゅ!……ヌッ殺すぞりゅ!」
 
「やだよー!あはははっ!!」
 
(……何なんだよお、この光景、小悪魔とリィトがじゃれてる……、
それに……、小悪魔、嫌がってる割には凄く楽しそうな……、
あんな顔見た事ない、これはオイラに一体何を見せようとしてるの……)
 
「……ごほっ……」
 
急に少年が苦しそうに胸を押さえてしゃがみ込んだ。
 
「……お前、どうしたりゅ?何処か苦しいのかりゅ?」
 
「大丈夫……、いつもの発作だよ、すぐに治まるよ……、
僕、生まれつき、持病があるから……」
 
「フン、そうなのりゅ、まあリトルには知ったこっちゃねえりゅ……」
 
(……なんつー態度だよ……、相変わらずむかつく奴だなあ……、
でも……)
 
「ねえ、リトルはどうして人間界に来たの?」
 
「リトルは以前から魔界を離れて、あっちこっち、人間界と魔界を
行き来してたりゅ、リトルが魔界に戻って来た時、……父上はすっかり
ヘタレ化していたりゅ、ゾーマが消えてから、父上はもう人間界なんぞと
関わり合いになりたくない言って引き籠ってしまったのりゅ……、
最近では悪魔族も一歩引いてしまって……、このままではイカン思って、
リトルはもう一度、本格的に修行の旅に出て来たのりゅ、未来の魔界の
栄光の為に……、人間共を怯えさせ、いずれは魔界のキングとなる、
このど偉いリトル様に全ての人間共はひれ伏すのりゅー!」
 
……と、長い台詞で、小悪魔はこれまでの自分の足跡を少年に
丁寧に説明した。
 
「そうなんだ……、はあ~、凄いねえ、リトルに出会えて嬉しくて……、
僕、少し興奮しすぎちゃったかな!」
 
少年がリトルに向けて笑顔を見せた。
 
「お前……、医者には見せてるのかりゅ……?早く医者行けりゅ……、
じゃないと、もしもリトルの所為で興奮して死んだらなんて、こっちが
後味わりィりゅ……」
 
「お父さんとお母さんはもう死んじゃっていないから、お金もないし、
……僕一人だし……、あちこち移動しながら、此処の古いお家見つけて、
今はこっそり住んでるんだよ」
 
「フン、お前の素性なんか知ったこっちゃねえりゅ……」