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zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 終わりなき戦い

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どうすればいいのか、ダウドを信頼し、ペースケにチビを預けるのを
許してしまったアルベルトも責任を感じて困り果て、頭を抱える……。
 
「……どうしよう、オイラ……、どうしたらいいんだよお……」
 
「ダウドばかり責めないで……、本当に悪いのは全部私なんだから……、
あの子を完全に信用しちゃったんだから……、だからダウドにお守を
お願いしたの……、それにしても、どうしてこんな酷い事するのよ……、
チビちゃん……」
 
ダウドを傷つけない様、フォローするが本当はアイシャもどうしていいのか
判らず俯き、ぽろっと涙を溢した……。
 
「ジャミルさん……」
 
おかみさんがそっと部屋のドアをノックする音が聞こえた。
 
「あ、今行くよ……」
 
すっ飛んで行って急いでジャミルがドアを開けた。
 
「あの方が、いらっしゃいましたけど……」
 
「そっか、わざわざ知らせてくれてありがとな、おばさん」
 
「いいえ……」
 
おかみさんはニコニコしながらロビーへと戻って行く。
 
「ジャミル……」
 
「俺がちょっと話してくるわ、アルは二人を頼む……」
 
「うん……、分ったよ……」
 
ダウドもアイシャも……、すっかりしょげた状態のままに
なってしまった……。
 
「……ったく、あんの糞ガキっ……!何かやらかすかと思ってたら、
案の定だっ!!」
 
怒りながら、ジャミルが廊下をドスドス歩いていく……。ロビーまで行くと、
早速、あの無精髭男が待っていたが……。
 
「ああ、ジャミルさ……」
 
「よお、おっさん……、ちょっと話があんだけどよ……」
 
唯ならないジャミルの機嫌の悪さに、男は眉を顰める。
 
「な、何か……、あったのですか……、随分と……」
 
「ああ、お二人とも、大事なお話なら、こちらへどうぞ……」
 
「はあ……」
 
おかみさんが機転を利かし、二人を個室へ通し、ジャミルは
男を睨んだまま、不機嫌状態で話を始める……。
 
「そうでしたか……、私の連れが、いや、本当に申し訳ない事を……、
どうお詫びしてよいか……、誠に申し訳ありませんでした……」
 
男は只管頭を下げ、謝罪するがジャミルの怒りは収まらない。
 
「謝って済む問題じゃねーんだよ!あんた、あのアホが行きそうな
場所とかわかんねーのか!?」
 
イライラが収まらず、ジャミルは側に置いてあった輪ゴムの束を
意味もなくびょんびょん伸ばしてみたり、引きちぎる……。
 
しかし、ジャミルに謝罪しつつも、男の腹では……。
 
(あのガキめ、やっぱり裏切りやがったか……、変な処で
智恵の働くガキだ……、フン、裏切り者の末路は……、即、
射殺だ……)

愛の逃走奇行

「もう、今日も半分以上時間が過ぎちゃったわ、此処で立ち止まっていても
チビちゃんがどんどん遠くにいっちゃうだけ……、皆は今夜の準備をして?
あの子とチビちゃんは私が探すわ……」
 
「アイシャ、君一人だけに任せるのは、負担掛け過ぎるよ……」
 
「大丈夫、チビちゃんの為なら例え何処へだって飛んでいくわよ……」
 
アイシャとアルベルトが話していると、そこへ不機嫌全開
バリバリのジャミルが部屋に戻って来る。
 
「どうだった……?」
 
「駄目だ、あの糞親父、申し訳ありません、私にも状況が
全然分らなくなって来ています……、だとよ……、んでもって
さっさとどっか行っちまったよ!今夜の事で用があって
来たんじゃねえのかよ!」
 
「そうなんだ……、困ったね……、本当に……」
 
「どうしよう……、いつもいつも、オイラの所為で迷惑掛けて、
本当にごめんよ……」
 
「ダウド、起きてしまった事は仕方ないよ、それよりも、
もう前を向かなくちゃ、落ち込むよりも今は最善の方法を考えないと……」
 
アルベルトが下を向いたままのダウドを励ました。
 
「……あ、ねえ、ジャミル……、鍵はどう?光ってない?」
 
思い出した様にダウドがやっとか細く、声を絞り出した。
 
「ん?ああ、鍵か!」
 
ジャミルが鍵を取り出してみるが……、今回は何の反応もない。
 
「……」
 
「光らないね……」
 
「マジで駄目だぞ……」
 
「今回は、鍵の力でも無理かなあ、竜の涙だった時も何回も
助けてくれたのに……」
 
再びダウドが向いて落ち込んでしまった……。
 
「そう何回もご都合主義じゃな、そんなに甘くないのさ……」
 
そう言ってジャミルは鍵を見つめると自身の腰のベルトに
着けているポーチの中に鍵を慎重そうにしまった。
 
「ジャミル、二人にも言ったんだけど、チビちゃんとぺー君は私が探すわ、
だから、ジャミル達には今夜の準備をして欲しいの……」
 
「だけど、お前……」
 
「私に探させて、お願い……、約束する、チビちゃんもペー君も
絶対見つけてみせるから……」
 
「皆さん、お集まりですか?」
 
おかみさんがドアをノックする。
 
「あ……、いるよ……?」
 
ジャミルが返事をすると、お盆にコーヒーとロールサンドを乗せて
おかみさんが部屋に入って来た。
 
「おばさん……」
 
「これ、召し上がって下さい、余計なお世話かとも思ったんですが、
皆さん朝も召し上がっていない上に、色々と大変な状況の様でしたので……」
 
「うう、おがみさあん……」
 
落ち込んでいたダウドの目から一気に涙が滝の様に流れ出る……。
 
「私達には、本当に何もお手伝い出来ませんけど、まずはお腹を
いっぱいになさって、元気を付けて下さいね、主人もとても皆さんを
心配してます、満腹は元気の元ですよ」
 
4人はただ、おかみさんの優しい気持ちが嬉しくて、おかみさんが
部屋を去るまでおかみさんに何回も何回も頭を下げた……。
 
「よしっ、腹減ってるから苛苛すんだなっ!」
 
「そうさ、そうだよ……!!」
 
「うわあ、美味しそうだな……、何か、本当に凄く嬉しいね……、
ううう~……」
 
「うんっ!これ食べて元気出さなきゃね!!密猟者も何のそのよっ!」
 
4人はおかみさんからの優しい励ましと美味しい食事で再び活力を
取り戻したのだった。
 
 
一方、……チビを誘拐し、逃走中のペースケは……。
 
「ここ、どこだろう?おれ、どの辺まで走ったのかな……、
全然わかんない……」
 
「ぴ……、きゅ~っ!!あふああ~……」
 
状況を知らないチビが目を覚まし、呑気そうに欠伸した。
 
「お、おきたのかい?」
 
「……ジャミル……?違う、ジャミルじゃない……、ぺー?」
 
「そうだよ、おれだよ」
 
「チビ、いつまでお外にいるの?ここ何処……?誰もいないし、
ダウもいないよ……」
 
チビがバッグから顔を出してキョロキョロ辺りを見回す。
 
「うん、ダウ兄ちゃん、先に宿屋にもどったんだよ、もう少し
一緒に遠くまで遠出してきていいってさ……」
 
「ダウがそう言ったの……?」
 
「うん、……お前、何でそんなに悲しそうな顔してんだよ、おれといっしょに
遠くまで行けるんだぜ?うれしいだろ?」
 
バッグからチビを出し、ペースケがチビを高い高いする。
 
「……でも、チビ……、皆も一緒じゃなきゃ……、嫌だよ、さみしいよお……」