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zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 終わりなき戦い

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「おかしいなあ……」
 
「あ、また何か考え出したな、よせよ、アル……、
頼むからさ……」
 
「何て言うか……、段々変な感じがして来たんだよ……、
その……、今はとても会いたくない物に出会ってしまう様な……、
そんな変な悪寒がするんだよ……」
 
「……おいおい、この間の俺じゃねえんだぞ、ガライ以上のモンが
待ってるっつーのか?」
 
「ねえ、もう空家に着くんだけど、あのおじさん……、
途中で会わなかったよねえ……?」
 
「……」
 
ダウドが貰った地図を見ながら、困った顔をする。
 
「とにかく、今は行ってみるしかねえだろ……」
 
「そうだね……」
 
「何だかなあ……」
 
男衆は空家に足を踏み入れた。内部は既に廃墟の為、
恐ろしいほど静かである。
 
「何だ……、誰もいねえけど……、やっぱりあの親父、
まだ来てねえな」
 
 
♪のね~のねのねのねのね~……
 
 
「のね……?」
 
「……のね……?」
 
「……」
 
「ガキ共、会いたかったのね~、嬉しいのねー……」
 
「!?お、お前らは……!!」
 
「ああああっ!!」
 
「……?」
 
男衆が声のした天井の方を見上げると、上にいたのは……。
ボロボロの天井の柱にぶら下がった基地害馬鹿トリオだった。
 
「誰だっけ……?」
 
「さあ……?」
 
「知らないよお……」
 
馬鹿トリオは激怒して天井の柱から飛び降りる。
 
「こ、この馬鹿野郎共め!この顔を忘れたとは言わせねーのね!」
 
「のねえー!」
 
「なのねー!」
 
ジャミル達は首を傾げて、暫くの間……、誰だったか考えていたが、
暫く立って漸く顔を思い出した様だった。
 
「ああ……、糞馬鹿トリオか、ふ~ん……、て、何でお前ら
此処にいるんだよ!炭鉱で働いてたんじゃねえのか!!」
 
「あんなとこ、僕らがいつまでも大人しくいると思うのね~?」
 
「隙を見て逃げ出してやったのね~!」
 
「ねええ~!!」
 
「はあ、そう言う事かよ……、たく……」
 
ジャミルがこめかみを押えた……。
 
「お~ほほほほほ!なのねー!」
 
馬鹿トリオは揃って足を上げ、肩を組み、フレンチカンカンを
踊り出す……。
 
「ぼくらは、今はお偉いさんの処で働いてるのねー!」
 
「とてもエライ人達なのねー!金になるモンスター達を殺して殺して、
殺しまくって牙を売り飛ばして金銭に替えたり、色々お仕事したり
してるのねー!!」
 
「おほほほのほ~!なのねー!!」
 
「ん……?金銭に替えて……?」
 
「お前達……!今度はもしかして密猟者側についたのか……!?」
 
事実に気づいたアルベルトが怒りを顕わにし、声を大にする。
 
「ごめいとうさーん!なのねー!」
 
「のねー!」
 
「ねー!」
 
「ど、どう言う事だよ……」
 
「何がなんだか……、わかんないよお……」
 
「ジャミル、これは罠だよ、僕ら、嵌められたんだ……」
 
「はあ…!?」
 
「僕の推測が正しければ……、こいつらは囮で……、僕らを
足止めする為に此処に派遣されたんだ……、密猟者達が本当に
狙ってるのはチビの方だ……!!」
 
「ま、待てよ……、俺ら、あの親父が言った密猟者組織と
なんか面識ねえだろ?何でチビの事知ってんだよ、おかしいだろ……?」
 
「もしも……、あの……密猟者ハンターが……、黒幕だったと
したら……?」
 
「そ、そんな事ないよお……、だって……」
 
「……そういや、あの親父……、思い出してみると何か行動が
挙動不審過ぎるしな、此処にも来ない処を見ると……、俺、信頼して
チビの事とかべらべら喋ったし……、もし本当にそうならこりゃ、
やばすぎるな……」
 
「そんなあ、オイラ達……、利用されただけなの……?酷いよお~……」
 
「チビを連れているペースケが危ない……!!」
 
「冗談じゃねえぞ!後を追ったアイシャもだよ……!!」
 
「い、急がないとだよ……!!」
 
「……こらあ!ぼくらを無視するんじゃないのねえ!!」
 
「のね~!!」
 
「のね~!!」
 
踊っていた馬鹿トリオが踊るのをぴたっと止めた。
 
「お前らは此処で、じ、えんどおお~なのね!」
 
「のね~!」
 
「なのね~!」
 
「……相変わらず、ウゼー奴らだなあ!邪魔ばっかしやがる…!
アル、ダウド、とっとと倒しちまうぜ!!」
 
「うるせーのね!今回のぼくらは一味違うのね……!
やるのね、子分A、B!!」
 
「やっちゃうのね!」
 
「のねー!」
 
子分AとBが再び、天井の柱の上に上った。そして……。
 
「この空家をアホで満たすのねー、それっ!」
 
「それーっ!!」
 
天井から子分共がジャミル達に向けて、謎の粉をばら撒く……。
 
「う、うええ!?な、何だこれ……、う、グッ……!」
 
ジャミルが慌てて粉を吸わない様、口を押えるが……。
 
「……く、くさいよおお!」
 
「だ、駄目だよ……、うっ……、吸っちゃ……!うう……」
 
「幸せのエキスなのねー!これ吸ったら、皆幸せになるのねー、
ぼくら兄弟が共同開発したのねー!特許出願中なのねー!」
 
「……何がだよ、なのね……、……!?」
 
「ジャミル……?」
 
「しゃ、喋り方が何か変なのねー?……あ、あれ……?
オイラも変……???」
 
「……うぎゃああああー!!じょ、冗談じゃねーのねーっ!!」
 
頭を抱え、絶叫するジャミル……。
 
「い、嫌だよお、なのねーーっ!?」
 
「……と、言う事は、僕も?嫌なのねーっ!!あ……」
 
「これからは、馬鹿セクステットで仲良くやるのね、よう兄弟!」
 
リーダーがジャミルの頭をポカリと叩いた。
 
「……冗談は顔だけにしとけなのね、んなろ……、あああ~っ!!
ちくしょーっ!何か調子がでねえのねーーっ!!」
 
「ジャミル……、僕、この状態であんまり今喋りたくないんだけど……、
どうも、魔法の調子も良くないみたいで……、出があんまり……」
 
「あ?」
 
試しにアルベルトがメラを出してみると……、魚のボラが出た……。
 
「ね……?」
 
「さらに、この薬の素晴らしいところは……、段々と脳波も
ぼくらと同じ、いい感じに満たされていくのね……、幸せすぎて
終いには頭にお花が咲いちゃうのね……」
 
「うん、そうなのね……、オイラ……、頭が何かぽわ~んと
してきたのねえ……」
 
「ダウド……?お前……」
 
「こ、これ……、や、やばいよ、ジャミル……、
の……ね……」
 
恥ずかしいので声を最小限に抑えたくて、アルベルトが
必死で何とか小さく喋る。
 
「……お~ほほほほほ!オイラはダウドなのねええええーっ!!」
 
遂に頭に毒が回り、ダウドが新たな馬鹿兄弟の一員として、
覚醒してしまったのだった……。
 
「……バーカーダーウードおおおおーーっ!!」
 
ジャミル再び絶叫す……。そして、男衆が足止めを喰らっている頃……。
 
「そうだったの、あのおじさん、正体は密猟者組織の
ボスだったのね、何てこと……、優しそうな顔してたからって……、
私達油断し過ぎてたわね……」