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黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 31

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「オレが逃げられないように、広範囲に氷を展開したのは一見いい作戦に見えたようだが、愚かだったな。範囲を広げすぎたせいで威力が遮られてしまったようだな。『ガイア』でも簡単に防げたぜ」
 超神のエナジーを持ってしても、ロビンには通用しなかった。アレクスは屈辱の中にいた。
「まだです、まだ終わってはいません!」
 アレクスの戦意は喪失していなかった。
「やれやれ、ここまで力の差があるっているのに、まだ戦うつもりか?」
「当然です! 超神たるこの私が、闘霊なるものに負けるはずがありません!」
 アレクスは手をロビンに向ける。
『ハイパーチルドマウンテン!』
 巨大な氷の塊を作り出し。
『デンジャフュジョン!』
 爆発を起こして氷を無数の棘に変えた。
「はっはっ! 今度はどうです!?」
 回避はやはり、不可能であった。しかし、ロビンはこのような攻撃を前にしても余裕の表情のままである。
『スパイア・ケイク!』
 アレクスの氷の攻撃を前にして、ロビンが取った行動は、エナジーで巨岩を出現させることだった。
 超神の力で強化した氷と爆発のエナジーであっても、ロビンの作り出した巨岩の前には無力であり、ぶつかっては氷の方が砕けていってしまっていた。
「もう済んだか? なら今度はオレの番だ!」
 ロビンは、ソルブレードを振るう。
『ケイク・ブラスト!』
 ロビンは、数えきれない斬撃を巨岩にぶつけ、弾丸と化した岩をアレクスに打ち出した。
「そんなもの! 『テンペスト・スピン!』」
 アレクスは、岩の弾丸を大きな竜巻で打ち落とそうとした。しかし、竜巻では落とせないほど弾丸の推進力は強く、多くがアレクスに向かった。
「貫かれろ!」
 ロビンは、更にエナジーを強め、岩の弾丸の威力とスピードを上げた。
「くっ……!」
 最早地上には逃げ道が無いと判断したアレクスは、浮遊して空へと逃げた。
「バカめ、それで逃げたつもりか!?」
 ロビンは、ソルブレードにエナジーを込め、それが最大量になった瞬間、ソルブレードを振り上げ、振り下ろした。
『ラグナロック!』
 アレクスの頭上に、剣状のエナジーが出現した。
「なっ!?」
 アレクスが気付いた時には、すでにエナジーが当たった後だった。
「ぐあああ……!」
 串刺しこそ防いだものの、威力はとてつもなく、アレクスは、ロビンのエナジーによって地面に叩きつけられた。
「ぐっ、ぐぐ……!」
 アレクスのダメージは大きく、立ち上がれずにいた。
 そこへつかつかとロビンが歩み寄る。
 間合いへ入ると、ロビンはアレクスにソルブレードを突き付けた。
「ふっ、哀れだな、アレクス……」
 悪しき見る者全てに恐怖を与える赤い眼を向けるロビン。
 それは超神たるアレクスとて例外ではなかった。
「わ、私はゴッド・エクセッサーアレクス! この程度でやられるはずはないのです!」
 精一杯の強がりを言うアレクスであるが、恐怖のあまり、身動きを取ることすらできなかった。
「ははっ! すっかりビビって動けないくせに、口だけは達者だな!」
 ロビンは煽る。
「まあ、安心しろアレクス。そろそろ終わりにしてやるからな!」
 ロビンは手をかざした。
『バインドロック!』
 ロビンから二つの光輪が迸り、空と地に停止すると、剣の形になった。
「ぐふっ!」
 そして、それぞれがアレクスを突き刺した。しかし、これには大した威力は無かった。あくまでアレクスの動きを完全に封じ込めるだけのものだった。
「はあああああ!」
 ロビンはソルブレードを脇に構え、気合いを込めていた。
 気合いが最も充実した瞬間、ロビンは放った。
 それは、ソルブレードの力を受け、『ラグナロック』を遥かに凌ぐ大きさとなった剣状のエネルギー体であった。
『オデッセイ!』
 ロビンは、ソルブレードを振るってエネルギー体をアレクスに向けて放った。
「やめ、止めるのですっ!」
 アレクスは、制止もむなしく、剣状のエネルギー体に突き刺された。
「おおおおお……!」
 ロビンは叫びながら、振り放ったエネルギー体でアレクスを貫いたまま走った。
「くたばりやがれぇ!」
 ロビンは、エネルギー体を振り切った。
「ぐっ、あああああ……!」
 アレクスは、解き放たれたエネルギー体の勢いでもんどり打って倒れた。
「すごい……!」
 イワンが呟いた。
「ああ、全くだぜ。オレの天眼でも計り知れないほどにな……」
 シンが応える。
「アレクスは死んだのか!?」
 誰にともなくジェラルドが訊ねた。その答えはすぐに分かることになる。
 倒れたアレクスは、地面の砂を掴みながらなんとか起き上がった。
「あれをくらってまだ立ち上がるとは、超神は厄介だな……」
 ロビンは一瞬、渋い顔をしたが、すぐに笑みを浮かべた。
「いや、もう虫の息か。いっぺんに楽にしてやれなくて申し訳なかったな、アレクス」
「…………せん」
 嗄れ果てた声で、アレクスは何かを言った。
「何だって、アレクス?」
 ロビンは聞き耳を立てる。
「……もう許しません、ロビン」
 アレクスは静かな、それでいて激しい怒りを表していた。
「許さないからってどうするつもりだ? そんなヨレヨレな体で」
 ロビンは言った。
「出でよ、ウィズダムストーン!」
 アレクスは、天に向かって手を上げた。するとアレクスの手から光線が走り、天へと伸びていった。
「何だ!?」
「何かが降ってくる……!?」
 アレクスが放った光の中に、漆黒に輝く石がゆらゆらと揺れながらその姿を露にした。
 やがて漆黒の石は、アレクスの手の中に収まった。
「フハハ、これで終わりです。ロビンとその仲間達……!」
 アレクスがウィズダムストーンと呼んだ石が手に入ると、アレクスの傷は全て回復した。
「回復しやがったか。だが、無駄だ。もう一度、今度は完全に息の根を止めるまでだ!」
 ロビンは構えた。
「さて、今度はそううまく行きますかね?」
 アレクスは、漆黒の石を手元でゆらゆらさせ、不敵な笑みを見せていた。
ーーアレクスの奴、様子がおかしい。何か企んでいやがるのか……?ーー
 ロビンは、ひとまず様子を窺う事にした。
「フハハ、この賢者の石、ウィズダムストーンは無限の可能性を秘めた石! そう、最強の闘霊たるロビン、貴方さえも超える力を発揮することもできるのですよ!」
「オレを超えるだと? 強大な力を持つドラゴンを唯一屠れるドラゴンスレイヤーのオレの力を上回ることが本当にできるのか?」
「ふっ、ならば見せて差し上げましょう。ウィズダムストーンによる奇跡を!」
 アレクスは、ウィズダムストーンをその身に取り込んだ。次の瞬間、アレクスの身に変化が起きた。
 デュラハンから奪った能力、竜化の能力をウィズダムストーンを媒体とし、発揮した。
 アレクスは、巨大なドラゴンに変身した。その大きさは小山に匹敵するほどで、ロビンなど文字通り足元にも及ばなかった。
「グワアアア!」
 四つの翼を持つドラゴンと化したアレクスは、咆哮を上げた。
「ドラゴンスレイヤーの前でドラゴンになろうとは、形振り構っていられないようだな、アレクス!」
 ロビンは、嬉々として戦闘態勢に入った。
『その矮小な体でどこまで戦えますかね?』