二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 さよなら、チビ

INDEX|4ページ/5ページ|

次のページ前のページ
 

そして、翌朝……、ラダトームの皆とも別れの時が来た……。
 
「それじゃあ、皆、俺達もう行くよ、色々本当に有難う……」
 
「お気をつけて……、どうか皆さんもお元気で……」
 
「又、いつでも来てくれよ、儂ら皆で又会える日を待ってるよ……」
 
ペースケが最後にじっと4人の顔を見つめる……。
 
「あばよ、兄ちゃん達、チビも元気でな……」
 
「きゅぴ、ぺー、ペー……、またね……、いっぱいチビと遊んで
くれてありがとうね……」
 
チビが名残惜しそうにペースケの顔を触った。
 
「……へへ、だから、鼻の穴に爪突っ込むなって……、
広がっちゃうよ……」
 
「ぴきゅ……」
 
この頃は、鼻の穴に爪を入れてみるのがチビのマイブームの
様であった……。
 
「本当に、お世話になりました……」
 
「ううう~……、又絶対来ますよお~……、うわあーーん!」
 
「おじさん、おばさん……、ペー君も元気でね……、ペー君……、
ちゃんとおじさんとおばさんの言う事聞いてね?」
 
「うん、姉ちゃんもな、今度会う時までに……、胸がもう少し
大きくなってるといいな……、はは……、ブラジャーが
似合うぐらいにペチャパイ卒業しろよ……」
 
若干9歳にして既に大物、これである……。
 
「ちょ……、余計なお世話よっ……、プンっ!……もうっ!!」
 
アイシャがぷうっと膨れ、……見ていたジャミルは吹きだし、
一発ブン殴られるのであった……。
 
「んじゃな、名残惜しいけど……、皆……、またな!」
 
「「お元気でーー!!」」
 
 
そして、4人とチビは、一路ゾーマ城の跡地へと向い、船を走らせる……。
 
「……はあ~、もうすぐかあ……、いよいよなんだね……」
 
「♪きゅぴきゅぴきゅっぴ~」
 
「……」
 
ジャミル達はこれからの事を何も知らず、いつも通り甲板で
呑気に歌を歌うチビを見つめた……。
 
「……この船も大分お留守にしちゃったからね、私お掃除するわ!」
 
掃除道具を持ってアイシャが甲板に上って来る。
 
「おい、もうすぐ……」
 
「ジャミル……」
 
アルベルトが舵を取りながらジャミルに声を掛けた。
 
「……体、動かしてないと、落ち着かないの……、何かしてれば
気が休まるから……」
 
「アイシャ、オイラも手伝うよ……」
 
「あ、ダウド……、ありがとう!」
 
「僕も手伝うね……、ちょっと舵止めるよ……」
 
「ぴいー、チビもお掃除のお手伝いするー!」
 
歌を歌っていたチビがちょこちょこ皆の側まで来た。
 
「あはっ、チビちゃん、ありがとうね!」
 
「きゅっぴ!」
 
「何か、集団掃除屋みたいになっちまったな、しゃーねえ、
俺もやるか……」

さようなら……

ジャミル達はチビを連れ、かつて大魔王が蔓延っていた地へと
再び足を踏み入れた……。
 
「ここだ、……玉座があった場所だ……」
 
見てみると、地下への入り口は無くなって塞がれており、内部には
入る事は出来ない様である。
 
「本当に、此処に奇跡の扉が有るの……?嘘……、
なんじゃないの……?……だったらいいのにな……」
 
「また往生際座が悪いぞ、ダウド……」
 
「だってえ……」
 
ダウドがアイシャに抱かれたチビの方を見る……。
 
「きゅぴ?ダウ……?お鼻にはなくそついてるよ、きゅぴ~、
チビが取ってあげる!」
 
「え?ええっ!?」
 
「こら、チビちゃん!駄目でしょ、もう~!近頃、やたらと
鼻ばっかりいじりたがるのよね、どうしてかしら……?」
 
「ぴきゅ、ぴきゅ……」
 
アイシャが注意するが不満そうなチビ……。
 
「鍵はどう?反応しない?」
 
「……鍵か?」
 
アルベルトに言われ、ジャミルが鍵を取り出してみる。
 
「うわ!?あっちっ!!」
 
ジャミルが慌てて鍵を地面に落とした。
 
「ど、どうしたの、大丈夫……!?」
 
「鍵が急に……、熱くなってる、どうなってんだよ……」
 
「鍵が……、光ってる……」
 
ジャミルが地面に落とした鍵が光を放ち……、
水晶色の空間が出来た……。
 
「これは……」
 
「これが……、奇跡の扉……、なの?」
 
「此処を通れば……、遂に上の世界へ……、だけど……、
オイラ……、やっぱり……」
 
「ぴいい~?」
 
息を飲み、出来た空間を見つめる4人……。チビはそんな4人の顔を
不思議そうに眺めていた……。これから先、何が起こるのかも知らずに。
 
「若き冒険者達よ……」
 
「誰だっ……!?」
 
突然、不思議な声がジャミル達の耳に届いた……。
 
「私は時空の扉を管理する者……、よくぞここまで辿り着いた……」
 
「管理?……管理人か?」
 
「そうだ……、さあ強く願え……、お前達の行きたい場所に……、
そしてこの空間を通るが良い……」
 
姿は見えないが、ジャミル達4人は微かに声のする方向を見た。
 
「本当に……、この空間を通れば思った場所に出られるんだな…?」
 
「そうだ、但し……、お前達、皆の心を一つにしなければ……、
失敗してしまうぞ……」
 
「それって……」
 
「次元の狭間に放出されるかもしれんぞ、それでも覚悟は
出来ているのか……?」
 
「あうわ!……あわわわわ!」
 
やはりダウドが一番先に慌てる……。
 
「だとさ、どうする……?」
 
ジャミルが他の3人を振り返る……。
 
「僕は、大丈夫……」
 
「私もよ、皆を信じてる……」
 
「お、オイラは駄目だよお……、だって、ぐす……、
やっぱり……嫌だ……、……本当は……離れたくないよお……、
チビちゃん……」
 
「ダウド……、気持ちは皆同じなのよ……、私だって怖いわ……、
チビちゃんと離れ離れになる事……」
 
「……アイシャ……」
 
アイシャが項垂れて座り込んでしまったダウドを支える……。
 
「ダウ~?チビ、ここにいるよ?」
 
「チビちゃん……」
 
チビがダウドを安心させる様、優しく……、ペロッと顔を舐めた……。
 
(遠く離れても……、心はいつも……)
 
ダウドが立ち上がり、皆の顔を見る……。
 
「大丈夫だよお……」
 
ダウドの返事にジャミル達も頷く……。
 
「もう一つ、念を押しておくが……、通常は上の世界から又、
此処に訪れるのであればギアガの大穴を通れば間違いなく
来れるが……、今後は下の世界に訪れる事が不可能になるかも
知れぬぞ、よく覚えておくが良い……」
 
「それって……」
 
「間もなく……、上の世界と下の世界を結ぶギアガの大穴が
完全に閉じる日が訪れる、さすればどんな手段を使っても二度と
お互いの世界を行き来出来くなるのだ……」
 
「その日はいつになるんだ……?」
 
「明日になるのか、今日かも知れぬ……、そのタイミングは
誰にも判らぬであろう……」
 
「……そうか……」
 
「さあ、今こそ奇跡の扉を通り、強く念じた場所へ……」
 
「行こう、皆で念じるんだ……」
 
ジャミル達4人は心を一つにし、気持ちを通い合わせる……。
 
 
……竜の女王の……城へ……!!
 
 
「……此処は……?」