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zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 英雄達の帰還

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「良かった……、チビちゃんたら……、本当にいつまでたっても
甘えん坊さんなんだから……」
 
アイシャが指で涙を擦る……。
 
「あははっ、もしもジャミルがチビちゃんにきつい事言ったら、
あたい、もう、ブン殴ってやろうかと思ったよ!」
 
「……何か……、後ろで恐ろしい言葉が聴こえるんですけど……」
 
そして、チビは皆に見守られながら幸せそうに今日の眠りについた。
 
「寝ちゃったわ……」
 
「ねえ、このままチビちゃん、此処に置いといたら駄目なの……?
世界を守る力とかさ……、もうどうでもいいじゃない、だって、もう
平和になったんだから……」
 
ファラがジャミルの顔をちらっと見る。
 
「……そういう問題じゃねえんだよ、チビだっていずれは
大人になるんだぞ……」
 
「だけどさ……、こんなに幸せそうな寝顔見てると……、
可哀想じゃない……」
 
「とにかく、もう一度……、女王の城に行かないとな……」
 
「や、やっぱり……、返しちゃうの……?チビちゃん……」
 
折角また会えたのに、再びチビと別れなければならないのかと思い、
ダウドが涙目になる。
 
「今後の事を、ちゃんともう一回、ホビットのおっさん達と
きちんと話合うんだよ、警備の事についても、なーんかなあ、
のほほんとしてるし……、どうにも奴らは心配で……」
 
「そうだね……、故郷に帰ろうと思ったけど、そんな場合じゃ
なくなったね、もう一度僕も一緒に行くよ……」
 
「うん、逃げてちゃ駄目よね、これからも私達とチビちゃんの
交流を許して貰えるのなら……、それならチビちゃんも平気よね……」
 
「……やっぱり、行っちゃうんだね…、あたいを置いて……、
や~っと戻って来たと思ったのにさ~……、……あたいも付いて
いっちゃおうかな~、チラッ……」
 
ファラがジャミルを横目で見る……。
 
「おいおい、ファラ~……」
 
「嘘嘘、冗談だよ、あたいは健気な待つ女の役目だもん、行っておいでよ、
今回は魔王討伐とかじゃないもんね……、だから、大丈夫だとは思うけど……、
また数年も掛る様だったら……?」
 
「ひいっ!ちゃんと早目に帰りますっ……!!」
 
「よろしい、皆……、この馬鹿の事、くれぐれも頼むよ、お願いね……」
 
「たく……、馬鹿馬鹿言うなよ、ンモ~……」
 
 
そして、翌朝……。
 
「きゅぴ~」
 
「あら?……チビちゃん可愛いー!そのリュックどうしたの?」
 
「ファラに貰ったの、これにおやつを入れるの、ほら!」
 
チビが背中に背負ったリュックをくるんとアイシャに見せた。
 
「あはは、似合うでしょ?元はお人形のだけど、背負わせて
みたら可愛くて……」
 
「わーっ!やっぱりチビちゃん可愛いわあー!」
 
「たく……、あれじゃ完全に幼稚園の遠足だよな……、
呑気な奴らだなあ……」
 
そう口では言いつつ、何となく、女の子達のやり取りに頬を
緩ませるジャミルであった。
 
「ねえ、チビにはちゃんと、僕らが又お城に行く事を話してあるの?」
 
「ああ、おじさん達に黙って出て来てごめんなさいするとさ……、
一度は逃げたけど、あいつも段々、自分の本当の居場所を取り戻して
いけるかも知れないな……」
 
「そう……、それで…、僕らのこれからの進路も、問題が
山積みなんだけど……」
 
「面倒くせー事は……、あっしはあんまり……」
 
アルベルトから顔を背け、ジャミルが耳を塞ぎたがる。……が、
アルベルトはそんなジャミルを見て、のしのし迫って来た……。
 
「とにかく聞いて、まずは此処から再スタート、女王のお城に
行く場合には……、ルーラじゃ行けないから、又ラーミアの力を
借りなきゃいけない……」
 
「うえ……」
 
「でも、ラーミアはもう恐らく、レイアムランドの神殿に
帰ったと思うし……、神殿まで行くには、船が必要で……、でも、
船はナイトハルト様に借りっぱなしのをあのまま放置したままだし……、
また、新しい船をお借りする為にまずは徒歩でポルトガへ向かわないと……」
 
「待てよ、ポルトガぐらいなら……、大概一度行った場所は……、
お前のルーラで行けるだろ……?」
 
「僕のMPを大量に消費する事になります、嫌です、節約するんです!
それに、全部の場所にルーラで行ける訳じゃないんだよ、苦労して
目的地に辿り着くのもまた旅の醍醐味でしょ……?ゴールド節約の為、
キメラの翼も駄目だよ!」
 
今度はアルベルトがジャミルから目線を反らし、そっぽを向いた。
 
「……頑固だな、このシスコンめ……、俺もMPあんまり多様出来ねえし……、
ま、仕方ねえか……」
 
「大体の話聞いたよお!まずは新しい船を借りにポルトガだね!」
 
ダウドが二人の会話に割り込んでくる。
 
「おい、お前、やけに張り切ってんなあ……」
 
「ホント……、生き生きしてるね、どうしたの……?」
 
「だってねえ、またチビちゃんと一緒にいられるんだもの、
嬉しいよねーえ!」
 
「ぴっきゅ、ダウ~、大好きー!」
 
「やれやれ、又、親馬鹿炸裂野郎か……」
 
 
それが4人の新しい旅への始まりだった……。

装飾品にはご注意を……

「……ファラちゃん、ファラちゃん!!」
 
急に外の方からやたらと甲高い声がした。
 
「……やべえ、近所の家の糞ババアだ!チ、チビを何処かに
隠してくれ、頼むっ!」
 
「あたいが応対するから、アイシャ、チビちゃんを直ぐに
あたいの部屋に……!」
 
「うんっ!」
 
アイシャがチビを抱え、慌ててファラの部屋へと隠れ、
何を焦ったのか、アルベルトとダウドも何故か慌てて
一緒に部屋へ……。
 
「はあ~っ、ファラちゃん、あんたんとこのジャミルちゃん、
やっと帰って来たんだって……?良かったじゃないの!」
 
「あはは、おばちゃん、ジャミルならそこにいるよ……」
 
「丁度良かった……、ジャミルちゃんにさあ、頼みたい事が
あってね……」
 
「げう……」
 
「ああ、これでいいなら貸すけど……?」
 
ファラがジャミルが逃走しない様、しっかり掴んで捕まえる……。
 
 
「♪きゅぴぴぴのぴい~」
 
「……きゃー!今はお歌うたっちゃ駄目だったら!」
 
 
「……」
 
「何だい?誰かお客さんでも来てるのかい?随分賑やかそうだけど……」
 
「何でもないんだよ、おばちゃん、今のはジャミルの鼻歌、鼻歌だよっ!」
 
「……おい……」
 
「そうなの、それでね、この町に井戸があるだろ?最近、其処に
変な人が住み込んでしまったらしくてね……、皆、気味悪がってねえ……」
 
「はあ……?井戸って、空井戸かい……?何でまた……」
 
「アホか、何で、んなとこにわざわざ……」
 
「それでね、勇者のジャミルちゃんに、井戸を調べて来て
貰いたいんだよ……」
 
「……はあっ!?何で俺が……」
 
「勇者のあんたなら、心配ないかなと……」
 
「俺は何でも屋じゃ……いてっ!!」
 
ファラがジャミルの足を踏んだ。
 
「わかったよ、おばちゃん、ジャミルを派遣させるから
心配いらないよ」
 
「……おいっ!!」