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zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 懐かしき人々と・1

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「……うっ、ううう……、私の赤ちゃん……、カルロス……、
どちらかなんて選べないわ……、無理よ……」
 
サブリナはベッドの上で、まるでどうしていいか分からない
幼児の様に泣きじゃくる……。
 
「……あああーっ!もうーっ!めんどくせー!俺がカルロスを
フン捕まえて此処まで連れて来てやらあ、んでもう一回ちゃんと
二人で話し合えよ、待ってろ!!」
 
「……あ、ジャミルっ!」
 
アイシャが声を掛けるが、あれこれ考えるのが苦手な単細胞
ジャミルはキーキー言いながら外に逃走、……あっと言う間に
走って行ってしまった……。
 
そして、数分後……。
 
「痛いですよ、ジャミルさん……、何するんですか……!いたたたた!
お願いですから、お尻を蹴らないで下さいよ……」
 
「うるせー!この野郎、おめーは黙ってりゃいいんだっ!」
 
「カルロス……?カルロスの声がするわ……」
 
泣いていたサブリナが泣き止む……。
 
「おーい、連れて来たぜー!後は二人で何とかしろー!」
 
「カルロス……」
 
ジャミルに脅迫されて連れて来られたカルロスが部屋に姿を現した……。
 
「サブリナ……」
 
「さあ、邪魔者は外出ようぜー、さー、出よ出よ」
 
ジャミルが他のメンバーにも部屋の外に出る様に声を掛ける。
 
「でも……」
 
「アイシャ、これはあいつらの問題だからな……、あの夫婦だけで
きちんと解決させるんだ」
 
「……きゅっぴ、チビ、うんち……、もりもり出そう……、
困ったぴい……」
 
さっきのミルクがお腹を刺激したのか、急にチビが催した様であった……。
 
「……うわ!アイシャーっ!!」
 
「サブリナさーんっ!おトイレお借りしまーすっ!きゃあーー!!」
 
「きゅぴぴぴーー!」
 
毎度の事で、アイシャが慌ててチビを抱えてトイレまで走る……。
そして、部屋にはサブリナとカルロス、……二人だけになり……。
 
「久しぶりだね……、元気だった……?」
 
「あなたの方こそ……、どうなの……?」
 
お互い、睨み合いながら、どうでもいい様なお約束の会話を交わした。
 
そして、此方もお約束で……、廊下でこっそりとジャミル達も
二人の話を立ち聞きしていた……。無事にウンチの済んだチビは
ダウドに預けて、一緒にポルトガをお散歩中。そして、暫くの時間が
過ぎた頃……。
 
「私、出来たのよ……、赤ちゃんが……」
 
「何だって……?」
 
遂にサブリナが、カルロスへ……、妊娠した事を打ち明けた……。
 
「……そりゃ、やる事やってりゃ、当たりま……、
いって……!」
 
アルベルトがジャミルの脇腹を抓った。
 
「静かにしててよ……」
 
口を3の次に尖らせ、不貞腐れてジャミルが黙る。
 
「私、あなたと離れてみて分かったの……、あなたがやっぱり
いないと私は駄目……、だから、私……、あなたの意志を尊重します、
この子を下ろすわ……」
 
サブリナが潤んだ瞳でカルロスを見つめ、涙を溢した……。
 
「サブリナ……、ごめんよ……」
 
「えっ……?カルロ……ス……?」
 
カルロスがサブリナに近づいていき、サブリナを抱きしめた。
 
「……僕は君が好きだ、もう好きで好きでどうしようもないんだ、
今だって……、本当は独り占めしたいぐらいだ……、……でも、
これからはその愛情を僕の子供にも……、捧げようと思う……」
 
「カルロス……」
 
カルロスがサブリナを見つめ、小さな笑みを浮かべた。
 
「……カルロス……、ああ……、ありがとう……、赤ちゃん産んで
いいのね……?嬉しい……」
 
「辛い思いさせたね、僕の独りよがりで……、僕も君と離れている間、
とても辛かったよ……、僕だって本当は……、どれだけこの日を待ち焦がれて
いた事か……、そうだね、僕も遂に父親になるんだね……」

「カルロス……、有り難う……」
 
二人は抱き合って愛情を再確認し、漸く仲直りする……。
 
「あふあふ……」
 
そして、廊下でずっと話を聞いていたジャミルが欠伸した……。
 
「ジャミルったら……、もうっ!」
 
「……結局、お互いの意地の張り合いで遠回りしただけじゃねえか……、
たくよ……、カルロスのアホも子供が欲しいなら欲しいって最初から
はっきり言えっつーの……」
 
そう言ってジャミルが再び大口を開けた……、処にダウドとチビが
散歩から戻って来た。
 
「野生のカバ発見……!」
 
「きゅぴぴぴー!」
 
「……誰がカバかっ!このっ……!」
 
と、ジャミルがダウドにゲンコツをお見舞いしようとした処で、
カルロスが部屋のドアを開け、後ろからサブリナも顔を出した。
 
「すみません、お騒がせ致しまして……、ですがもう大丈夫です、
僕も晴れて父親になる決意を決めました……、もうサブリナは
僕だけの物じゃない……、ね?」
 
そう言いながらカルロスがサブリナのお腹を見つめた。
 
「良かった~、ちゃんと仲直り出来たのね?」
 
アイシャも嬉しそうに二人を見つめる。
 
「はい……、皆さんには本当に……、初めてお会いした時から
何もかも助けて頂いて……、本当にどうお礼を言ったらいいのか……、
感謝しても感謝仕切れませんわ……」
 
サブリナが顔を覆って再び涙を流した。
 
「……まあな、俺ら別名、お節介解決屋だからな……」
 
「それが僕らの副業だもの……、ね?」
 
「フン……、どいつもこいつも、たく……」
 
アルベルトがそう言うと、照れ臭そうにジャミルが横を向いて
鼻を鳴らした。

新しき船旅

無事、カルロスとサブリナを仲直りさせた4人は本来の目的である
此処ポルトガ城へとやって来た。
 
「……はあ~……」
 
城門を目の前にし、アルベルトが立ち止まる。
 
「アル、どうしたのかしら……」
 
「何してんだよ、お前は……」
 
「何だか久しぶりに殿下にお会いするのに緊張して……、それに
前回お借りした船をお返し出来ないのに、それで又……、違う船を
お借りしたいだなんて……、ちょっと虫が良すぎないかな……」
 
「仕方ねえだろ、こっちにはこっちの急ぎの事情があったんだからよ、
この世界の奴らは俺達の他にアリアハンのテオドールとファラ以外に
ゾーマの事を知らねんだからさ、後で纏めて船引っ張って返しに来りゃ
いいんだよ!」
 
「……はあ、君は本当にお気楽だね……、時々羨ましくなるよ……」
 
「何か引っかかる言い方だな……?」
 
ジャミルがアルベルトの方を見た……。
 
「あのさ、オイラ、チビちゃんを連れて又少しお散歩してくるよ……、
待たせて貰っていいかな?」
 
「そうね、その方がいいかもね、ダウド、チビちゃんをお願いするわ……」
 
「うん、チビちゃん行こう、お散歩だよおー!船借りてきてねー!」
 
「きゅぴー!今日はお散歩がいっぱいだね!」
 
ダウドがバッグを下げて町の中に消えていく。
 
「交換条件で又……、船を貸す代わりに何か頼まれるかもな……」
 
「それでもいいよ、それぐらいさせて頂かないと……、
殿下に申し訳ない……」
 
「……」
 
トリオは城の門番に案内され、城内へと……、入る。