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zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 懐かしき人々と・2

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「……弥生さん、あんたマジ女神さまだわ……、腹減った……」
 
「ジャミルのバカっ!くいしんぼ!」
 
そして、すぐにアイシャが反応する……。4人は弥生が作ってくれた
焼きたてのお焼きに舌鼓を打つ。
 
「……あちっ、おいひーい、何枚でも食べられそうだよお!」
 
「また、腹壊すぞ?ダウド」
 
「……ジャミルに言われたくないよっ!」
 
ダウドはブリブリ怒りながらそれでもお焼きを口に入れる。
 
「二人とも加減しなよ……、恥ずかしいのはこっちなんだからね……」
 
「て、言ってるけど……、お前のその皿のは何だ?」
 
ジャミルがアルベルトの山盛りのお焼きを指差す。
 
「え?や、やだなあ~、僕とした事が……、あは、あは……、
あはは……、いつの間にか……、チビ、食べるかい?ほらほら!」
 
アルベルトが慌てて盛り過ぎた自分の分をチビに分けようとする。
 
「きゅっぴ!やーき、やーき!」
 
「やー、やー!」
 
意味も分からず、トウマも一緒に燥ぎだした。
 
「……良かったな、誤魔化しが効いてよ……」
 
「うるさいなっ、馬鹿ジャミル!!」
 
顔を赤くしてアルベルトが大声を上げた。
 
「皆、食いしん坊さんなのは同じなんだから、意地張らなくても
いいのにね」
 
アイシャがチビに笑い掛けた。
 
「きゅぴ!チビ達、食いしんぼ仲間!おいしいの大好き!アイシャも
まいう~の食いしんぼだよね!」
 
「……チ、チビちゃんたら……、もう~……、まいう~なんて、そんなの
何処で覚えたのよ……」
 
そして、おやつも食べ終わり、ジャミルは一人家の外に出て、
食後の空気を吸った。
 
「……はあ~、何か最近食いまくりだなあ……、色んなとこで
美味いもん食えるのはいいけど……、少し制限しないとやばいかな、
いや、無理だ……」
 
……心配そうにジャミルが自分のお腹を撫でた。
 
「ジャミルさん……、お焼きの味はどうでした?」
 
弥生がジャミルの後を追って外に出て来る。
 
「あ、すごくうまかったよ、又料理の腕が上がったかい?」
 
「恥ずかしいですけど……、そう言って貰えると嬉しいです……」
 
顔を赤くして照れながら弥生が呟いた。
 
「お世辞じゃねえよ、俺、本当の事しか言わねえからさ……」
 
「ジャミルさん、ありがとう……」
 
風に吹かれて弥生の長い黒髪がふわっと揺れた……。
 
(この人は本当に変わらないわ……、素直な処も……、
真っ直ぐな処も……、大好きよ、ずっと……)
 
「お菓子が出来たら……、もう行ってしまわれるの……ですね……」
 
「ああ、話聞いたら、生モンみたいだからな……、届ける所もあるし……」
 
(くっそ……、勿体ねえ……)
 
ヨウカンは自分達で食べる事が出来ない為、ややジャミルは不満が
残るようであった。
 
「あの……、又……いつかお会いできますか……?」
 
「弥生さん……」
 
弥生がジャミルの瞳を見つめ、そう言った……。
 
「う~ん……、そう頻繁には来れないけど……、そうだな、数年に一度、
会いに来れたらいいなあ、ここん家のチビの成長も楽しみだしな!」
 
「はい……、是非!そうして下さいまし!皆でお待ちしております!」
 
弥生がそっとジャミルの手を握った。
 
「……え、え~と……」
 
ドギマギしながらジャミルが自分の頬をぽりぽり掻く。
 
「この国も外交が始まり、余所の国の文化を取り入れたり、色々と
少しずつ流れが変わって来ています……、きっと次にジャミルさん達が
この村を訪れて下さる時にはもっと変っているかも知れませんね……」
 
「弥生さん達もいつかさあ、俺らのとこ、遊びに来いよ!」
 
「わ、私達がですか……?……行けるかしら……」
 
弥生はジャミルの思わずな発言に首を傾げるが、直ぐに笑顔になる。
 
「大丈夫だよ!」
 
「そうですね……、いつの日か、きっと……、私達も皆さんの所まで、
……行けたらいいですね、必ず遊びに参りますわ……」
 
「ああ、待ってるよ!」
 
ジャミルと弥生は二人で笑い合う。そして、無事ヨウカンも受け取り、
再びジパングと別れの時が来たが弥生も心からの笑顔で4人を
見送る事が出来たのだった。
 
……いつの日か、又再び会える日を信じて……。

黒い闇に覆われて

「……さて、このヨウカンを腹黒……、じゃなかった、……電荷、の
所に届けないとな、よし、キメラの翼使うか!」
 
どうにも、殿下とは言いにくいジャミルであった……。
 
「……ねえ、何だか空が黒い様な感じがするんだけどさ……」
 
空を見上げ、ダウドが急に心配しだす。
 
「嵐でも来るのかな……、殿下にお届け物を済ませたら、
又ポルトガで休もうか?」
 
「とか何とか言ってよ、本音はナイトハルトの側にいたいだけじゃね……?」
 
「……馬鹿っ、ちゃんと殿下って言うんだよっ、……そうかもしれない……」
 
アルベルトが又顔を赤くした……。
 
「皆……、何かこの船、変じゃない……?」
 
船室で休んでいたアイシャがチビを連れて甲板まで上がって来た
 
「何がだよ、何かおかしいか?」
 
「うん、さっきから……、海を全然進んでいない様な気がするのよ……、
気の所為かしら……」
 
「船が止まっちまったっていうのか?……あ?」
 
ジャミルが慌てて船首まで走って行き、周囲を見渡す。
 
「アル……、この黒いの何だ……?船をすっぽり囲んじまってる……」
 
「本当だ、今言われて気づいたよ……、不気味な結界みたいなのは
一体……」
 
「こ、怖いよおお!!空じゃなくて、この船の周り全体がおかしかったんだね……」
 
「とにかく、ポルトガまで行こう……、それっ!」
 
ジャミルがキメラの翼を空中にほおり投げた。
 
「……ありゃ?」
 
が、翼は効果を発揮せず、そのままポトッと甲板に落ちた。
 
「どうなってんだよ、これ……」
 
「欠陥品なんじゃないの?」
 
「バカダウド、んな事有るかよ……、もう一度……」
 
その後、ジャミルは何度もキメラの翼を投げてみるものの、
効力を発揮せず……。
 
「仕方ねえ、魔法使うか……、……ルーラっ!」
 
「……?」
 
「移動出来てないよお……」
 
「おかしいな、何がどうなって……」
 
「……きゅ、ぴい……」
 
「チビちゃん……?」
 
アイシャに抱かれていたチビの様子が突如急変仕出す……。
 
「……きゅぴ……、熱い……よお……、苦しい……」
 
「チビ……、どうしたっ!!」
 
「……す、凄い熱よ……、この前と同じだわ……」
 
……アイシャが悲痛な表情になり、チビを抱いていた手が
震えだした……。
 
「……う、うわああああー!チビちゃん、チビちゃんーーっ!!
どうしたのさあーーっ!!死んじゃやだよおーーっ!」
 
「ダウドも皆も落ち着いて!……とにかく船室へ運ぼう……」
 
 
4人はチビを船室で寝かせるが、不安は消えず……。
 
「……チビちゃん、大丈夫よ……、皆が付いてるからね……」
 
アイシャがしっかりとチビの手を握り励ますが、身体からは熱を発し、
呼吸は荒い……。