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zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 懐かしき人々と・2

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あまりもう心配させんなよ、こっちこそ心臓が止まるかと思った
じゃねえか……、たくよ……」
 
ジャミルがチビをよしよしする。しかし、その手はいつもと違い、
何かを感じたのか、何となく震えている様でもあった……。
 
「えへへー!チビ強い?ねえねえねえっ!!チビも勇者になるっ!!」
 
「……おーい、ならなくていいよ……、頼むから大人しくしててくれ……」
 
「やっ!ぎゅっぴ!!」
 
 
チビが不思議な力を発し、自身の姿を変化させた事はチビ自身も
覚えておらず……。……何はともあれ、チビは皆の元に再び戻って
きたのであった。
 
 
「……しかし、光の力が思ったよりも強くなっている様だね、……これは君も
本気でそろそろ力を取り戻さないとだよ……、うっかりすれば君の方が先に
消えてしまうのだからね……、しっかりしておくれよ、頼むから……、
……愛おしき僕の相棒君……」
 
「……グルルゥ……」


決意新たに

ナイトハルトのお使いを無事達成した4人は一路、今度はムオルへと
向かう。
 
「あそこの村でも結構、珍しい菓子食べさせてくれたからな、……今回も
期待するかな……」
 
「……ずるいわー、ジャミルばっかり……、ま、仕方ないけど……」
 
「ポポタも随分大きくなったんだろうね、楽しみだね」
 
「そうね、久しぶりにスラリンにも会えるのねー、本当、嬉しいわ!」
 
と、トリオがきゃっきゃと雑談をしている横で……。
 
「……はううう~……」
 
「何してんだよ、ダウド」
 
「ダウドもこっち来なさいよ、何一人で黄昏てるのよ」
 
「……みんな、よく落ち着いていられるね……、チビちゃん、又……、
狙われてんだよ……?」
 
「ダウドよお、焦ったって状況は変わんないのさ、どうにもなんないんだよ、
なる様にしかならねんだよ、分かるか……?」
 
ジャミルがダウドの肩にぽんと手を置いた。
 
「……だってさあ……、心配じゃないか……、ん、チビちゃん?」
 
「きゅっぴ!お腹すいた、今日の朝ごはんはなあに?」
 
「……な?」
 
「チ、チビちゃあ~ん、オイラがこんなに心配してるのに~……、
とほほ~……」
 
「ダウは何食べたい?チビはね、ツナがいっぱいでケチャップも
いっぱい掛った甘いたまご焼き!」
 
チビがダウドに抱かり、尻尾ふりふり、ダウドの顔を見上げた。
 
「……君が元気でいてくれるなら……、ま、いいか……」
 
そう言いながらダウドはチビの頭を優しく撫でた。
 
「きゅっぴ!」
 
そして、その日の夜、アイシャ、チビ、ダウドが寝てしまった頃、
アルベルトはジャミルを甲板に呼び出した。
 
「何だよ、話って……」
 
「うん、あのさ……」
 
「俺……、その手の趣味はねえからな!」
 
……警戒ポーズを取るジャミル。
 
「バカだな……、ったく、真面目に話聞かないと……、パンチングボックス
飛ばして、スリッパで叩くよ?」
 
「えーと、冗談は置いといて、で、何だ?」
 
「見えない新たな敵がチビを狙ってるって分った以上……、僕も
このままじゃ駄目だ……、一刻も早く魔力を取り戻したいんだよ、
どうにかして……」
 
ジャミルが見ると、アルベルトの顔はまた眉間に皺が寄っていた。
こんな状況になり、再び彼も焦り出した様でもあった……。
 
「……レーベの村の魔法玉じいさんに言われた事忘れたのか?
焦りが一番駄目だって言われたろう……、まあ、俺も一応
MP少ねえけど、多少は何とかなるし、アイシャもいるんだから
大丈夫だよ、心配すんな」
 
「有難う、……頭じゃ分ってるんだけどね……、もがけばもがく程……、
僕からどんどん魔法が遠ざかっていってしまう様な気がするんだ、
いっその事もう、転職した方がいいんじゃないかとこの頃思ったりもする……」
 
「そうだな……、ダーマに行ってみるのも手、かもな……」
 
「ジャミル?」
 
「あそこの神官に……、一度話を聞いて貰うか?何かお前にとって
いい方向に向かうかもしんねえし」
 
「でも、……寄り道が増えてしまうよ……、早くチビをまたお城に
連れて行かなければならないんだし……」
 
「その事で……、俺も考えてる事がある……」
 
「……えっ?」
 
 
翌朝、ジャミルの急な話を聞いたアイシャ達は甲板で大騒ぎであった……。
 
「どういう事なの?ジャミル……、チビちゃんを女王様のお城に
預けるのやめるって……」
 
「う、嬉しいけど……、どういう気の変り様……?」
 
「きゅぴ……?チビ……、お城に戻らなくて……、いいの?」
 
チビが驚いた顔で皆の顔を見た……。
 
「いや、いずれはちゃんとチビを返すつもりだ、けど……、
考えが変わったのさ……、チビは当分俺達の手元に置く……」
 
「だから、どうして……?」
 
戸惑いながらもアイシャがジャミルに聞き返す。
 
「またチビが危険に曝されてると判った以上、チビは俺達の
手で守る、そう決めた!正直、やっぱ心配なんだよな、あそこじゃさ……、
その、護衛が……」
 
「……僕もジャミルの意見に賛同しようと思う、僕達はチビの親なんだ、
全てが落ち着くまで、しっかりと僕らが守ってあげなくちゃ……」
 
ジャミルの意見にアルベルトも賛同し頷いた。
 
「じゃ、じゃあ……、お城……、行かないんだね……、チビちゃんは
オイラ達とずっと……」
 
ダウドが嬉しさのあまり、興奮して涙目になった……。
 
「……ちゃんと話聞けよ、だから……、城に行かないとは言ってねーの、
いずれはチビも城に返すって言ってんだろが……」
 
「あうう~……」
 
「城に行ってホビットのおっさん達と話し合いするのは最初から
決めてた事だろ、ちゃんとカタが付くまで、チビは俺らに預からせて
くれって事も話すんだよ……、急にチビが消えちまって向こうも
オロオロしてるだろうし……」
 
「……ま、それもいいか……、それなら向こうも安心で、了解の上、
オイラ達もチビちゃんと一緒にいられるもんね」
 
「チビ……、安心しな……、何があっても俺らが絶対チビを
守ってやるからな……」
 
「きゅぴっ!」
 
ジャミルがチビの頭をぐしぐし撫でた。チビも嬉しそうに返事をする。
 
「……うん、チビ、いつかはちゃんとお城に帰るよ……、でも、
一旦戻った後でももう少しだけジャミル達と一緒にいていいんだね……、
嬉しいよお~……」
 
「チビ……」
 
「チビちゃん!大丈夫よ、何も心配しなくていいんだからね!
そうだわ、今夜は卵焼きのケチャップ掛け作ってあげる!」
 
アイシャも……、チビともう暫く一緒にいられる状況に
変わったのが嬉しくて仕方ない様子だった。……再びチビと4人が
一緒にいられる時間を作った物が新たな脅威だとは……
それはジャミル達にとって複雑な心境でもあった……。
 
「取りあえずはムオルに顔出し、その後、レイアムランド……と、
回るか、まずは何処でも完全に回れる様、移動手段の心配を
無くさないとな」
 
「……やっぱりすぐ、要らなくなるね、この船……、ラーミアが戻ったらさ……」
 
「ダウド、仕方ないだろ、僕が例えルーラを使えたとしても……、