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zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 懐かしき人々と・2

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チビは初めて見るラーミアに興味深々だった。
 
「ラーミア、どうしたの……、返事して……」
 
「……」
 
「病気なのかなあ……」
 
アイシャが優しく撫で、呼びかけるがラーミアは反応しない。
ダウドも心配そうにラーミアを見守る……。
 
「一体、いつからラーミアはこんな状態に……?」
 
アルベルトが聞くと巫女さん達は揃って顔を曇らせた。
 
「……4、5日前でしょうか……、急に何も口にしなくなってしまい、
あそこでずっと眠ったままなのです……」
 
「んな、困らあ……、おい、ラーミア、起きろよ……」
 
「きゅぴ……、おっきな鳥さん……、ご飯食べなきゃ駄目だよお……」
 
チビがパタパタ、ラーミアの側に飛んで行く。……その途端……。
 
 
「……消えよ、邪魔な小賢しい光めが…… 」
 
 
「きゅぴっ?」
 
突然、ラーミアが言葉を発したかと思うと、身体から黒いオーラを
放ちだす……。
 
「ラーミア……?」
 
「……キアアアアアアッ!!」
 
ラーミアは雄叫びを上げ、牙を剥き、側にいたチビに
襲い掛かろうとする……。
 
「……チビっ!危ねっ!!」
 
「きゅぴ~……」
 
咄嗟にジャミルがすぐに動いてチビを庇い助けた。
 
「ぴ~、ありがとう、ジャミル……」
 
「はあ、危なかった、けど……、どうしてだ……?」
 
「……ジャミル、ラーミアは何者かに操られてる……」
 
チビをいつでも守れる様、アルベルトも防御態勢モードに入る。
 
「そういや、目も何か変だな……、クソッ……」
 
 
「……光、すべての邪魔な光はこの世界から消滅せよ……」
 
 
「……きゅぴ~……?」
 
……操られたラーミアは目線を反らさず、じっとチビの方を睨んでいる。
 
「どうしようっ!ラーミアはチビちゃんを狙ってるよお!」
 
「アイシャ、チビを頼む……!」
 
「ええ、ジャミル、分ってるわ!……チビちゃんっ!!」
 
アイシャがチビを抱え、ぎゅっと抱きしめた。
 
「そうか、またチビを狙う刺客の悪巧みかよ……、ハン、
わざわざ先回りしてラーミアに手を出したって訳か、
ご苦労なこった……」
 
「オ、オイラ達の足取りとか……、皆、分っちゃうのかなあ……、
怖いよお……」
 
「……ラーミア、お願い……、チビちゃんには手を出さないで……、
この子は何も悪い事はしていないのよ……、どうして…?」
 
アイシャが必死でチビを庇い、震えながらラーミアに訴える……。
 
「なあ、何とかしてこいつの洗脳を解く方法はないのかい?」
 
ジャミルが巫女さん達に聞いてみるが……。
 
「……私達には……」
 
「…どうする事も……」
 
 
「……早く光を渡せ……、さもなくばお前達は此処で
全員消滅する事となる……」
 
 
「……っ!!」
 
ラーミアがジャミル達に向け、黒い波動を放つ……。
 
「何だこれ……、身体が……、う、……力が……」
 
「きゅぴっ!みんなっ!!」
 
「……チビちゃん……、あ、あああ……」
 
「ぴいっ!?アイシャっ、大丈夫!?しっかりして!」
 
チビを強く抱きしめていたアイシャから力が抜け、
チビを手放してしまう……。
 
 
……ククク、本当に君はおバカさんだね、君がちゃんと言う事を
聞かないから、こうなるんだよ……、全て君がバカな所為だよ……
 
 
「この声……、また?」
 
それは、チビが悪夢の中で聞いた声と全く声であった。
 
「チビ……?だ、誰と……喋っ……、て……」
 
「誰なのっ、隠れてないで姿を見せてよっ!!」
 
 
……だから、君が大人しく僕のいう事を聞けばいいんだよ、
さあ、おいで……
 
 
「……いや、いやっ!!誰だか分かんないけど、……お前のいう事なんか
聞かないっ!!」
 
 
フン、ならばそこで指を銜えて見ていたまえ、君の大好きなパパと
ママやらが死ぬ処を……
 
 
「……だ、だめっ……」
 
 
さあ、やるんだ、ラーミア……
 
 
「ギュアアア……」
 
操られたラーミアが動けないジャミル達に再び牙を剥ける。
 
「……駄目……やめてよおおおっ!!……きゅぴーっ!!」
 
 
「……チビ……」
 
「チビちゃん……」
 
チビが光の波動を放ち、それはラーミアの邪気を打ち消す……。
 
「……キュウウウウッ!!」
 
「ああ、ラーミアが……」
 
「正気に戻りましたわ……」
 
 
……くっ、生意気な……、何処までこしゃくな光なんだ……
 
 
「あれ?俺らも動けるぞ……?」
 
「本当だ、身体が自由になったよお……」
 
「きゅぴ……」
 
「!チビちゃんっ!!」
 
気を失って落下しそうになったチビをアイシャが慌てて受け止めた。
 
「アイシャ、チビは大丈夫かっ!?」
 
ジャミル達も慌てて駆け寄る。
 
「大丈夫よ、気絶してるだけよ……、ああ、良かった……、
チビちゃん……」
 
「ピィーーっ!!」
 
「……ラーミアも、大丈夫の様です……」
 
「正気を取り戻しました……」
 
「……ハア、もう勘弁してくれや…、冗談じゃねえよ…」
 
流れ出る冷や汗を拭いながらジャミルはその場に座り込む……。
 
 
「……フフフ、あはははははっ!!」
 
 
「……何だよ、アル……、んな時にバカ笑いしてんなよ……」
 
ややヤケクソ気味にジャミルがアルベルトの方を見るが、
アルベルトは慌てて否定する。
 
「!ちょっと待ってよ、……何で僕になるのっ!!」
 
「じゃあ、ダウド、お前かよ……」
 
「ちょ、オイラじゃないよっ!!」
 
 
「……君達は本当に面白いね……、僕もそろそろお披露目の時かな……?」
 
 
「この声……?マジでどっから……?気味わりィなあ……」
 
「……あっ、ああっ!!」
 
チビを抱きしめるアイシャの手が震えだした……。
 
「……初めまして、皆さん……、お嬢さんには一度、ラダトームで
お会いしていますね……、覚えていらっしゃいますでしょうか……、フフフ……」
 
「何だよ、アイシャ……、知ってんのか……?」
 
「覚えているわ……、ラダトームで……、落としたスラ太郎を拾ってくれた……」
 
ジャミル達の前に突如現れた、黒いコートを纏った白髪の男……、
紛れもなくアイシャがラダトームで出会った青年だった……。
 
「僕も皆さんとお話がしたくて、こうして等々姿を現しました……、
闇よりの遣い……?とでも呼んで下さい、どうぞ宜しく……」
 
青年は礼儀正しく気取ったポーズを取り、ジャミル達に挨拶した……。
 
「……気を付けて下さいっ……!!」
 
「この男、只ならぬ邪悪な気配を感じます!!」
 
いつもは大人しい巫女さん達が必死でジャミル達に向かって
注意を呼びかけ必死に叫んだ。
 
「そうか……、ラーミアを操ったのもテメエか……?」
 
「そんなに怖い顔をなさらないで下さい、今日はご挨拶代わりに
皆さんにお見せしたい人……では、ないですが、連れてまいりました……」
 
「ふざけてんじゃねえぞ、この野郎……!!」
 
ジャミル達はチビを庇いながら強く青年を睨む……。