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zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 助っ人、小悪魔!?

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「……もう駄目か……?此処までなのか……?」
 
……島もどんどん沈み掛けて行く……、ジャミルが諦めかけたその時……。
 
「ジャミルーーっ、リトルーーっ!掴まれーーっ!!」
 
「ア……、アル……!!」
 
「きゅぴーーっ!!」
 
上空からラーミアに乗ったアルベルトとチビがジャミル達に
向かって手を差し出す。
 
「無事だったのか、お前ら……!!」
 
「話は後だよっ、早くっ!!」
 
ジャミル達はアルベルトとチビ、ラーミアの機転でどうにかこうにか
危機を回避する事が出来たのであった……。
 
「……おーお、ラフレシアの重みで小島が沈んじまったりゅ、
すげーりゅ……」
 
高みの見物で小悪魔が沈んでいく地獄島を眺めた……。
 
「助かったぜ……、ホント、ありがとよ……、けど、お前らは
どうして……?」
 
「うん、……僕らも違う場所に漂流したんだけど……、チビが君達の
気配を感じ取ってこの島まで辿り着けたんだよ、本当に凄いね、チビは……」
 
「きゅぴ~、皆、無事でよかったよおお~…」
 
チビがジャミルと小悪魔にスリスリする。
 
「へへっ、お前らもな……、けど本当にすげえな……、
感謝するよ、チビ……」
 
「……きゅぴ~……」
 
「……ジ、ジンマシンがでりゅ……、けど、今日は特別りゅ、
も、もっとスリスリしてもいいのよ~、りゅ……」
 
「じゃあ、お鼻に爪入れてもいい?」
 
チビが爪を光らせ、目を輝かせる……。
 
「あたっ!な、何すりゅ!このバカチンめがーーっ!!」
 
「リトルはチビに任せて……、と、……おい、ダウドとアイシャは
大丈夫かな……」
 
心配そうにジャミルがアルベルトの方を見た。
 
「うん、大分憔悴してるけど、このぐらいの症状なら貧血みたいな
物だから……、暫く休ませてあげて様子を見てみよう……」
 
「あんまり時間もねえな……、早く女王の城に行かねえと……、
けど、どうしたら結界を破れるんだ……」
 
「……大丈夫だよお、何とかチビが頑張ってみる、チビが皆をお城の中まで
連れて行くよ……、あのね、何だか力が少しだけど……、自由に使える様に
なったみたい……」
 
小悪魔とじゃれていたチビが急にジャミル達の方を振り返り話す。
今までは無意識に発動していた潜在能力を段々と自覚し、目覚めてきた
様子であった。
 
「大丈夫なのか……?今回は大人数だぞ……」
 
「フン、リトルはメンドクせーから、ラーミアと地上でまってりゅ、
さっさと行って来いりゅ……、んなとこ行きたくもねーりゅ」
 
「……ま、いいか……、さっきも頑張って貰ったし……」
 
(約束も上手い具合に忘れてるみたいだしな……)
 
「うーん……、あれ?……私、どうしてたのかな……」
 
「ふぁあ、なーんか……、オイラ……、さっき起きた様な気が
したんだけど……、うっかりして又寝ちゃってた……?」
 
「アイシャ、ダウド……!!大丈夫か!?」
 
「ジャミル……、何とか平気みたい、……あ、あれ?どうして!?
アル、チビちゃん!無事だったのねっ!!」
 
「きゅぴー!アイシャ、ダウも!又会えてよかったよおー!!」
 
チビも喜んでアイシャに飛びつく。
 
「チビが俺らの危機を感じて、……居場所を探して充ててくれた
みたいなんだよ」
 
「ホントっ!?うわあ、チビちゃん凄いねえ!!ありがとうー!!」
 
「どういたしまして、きゅぴっ!!」
 
ダウドとチビは手を取り合って喜びあう。
 
「アル……、私も昨日、森で何かに操られたの……、凄く怖かったわ……、
ジャミルが助けてくれたけど……、それがラフレシアの精の力だったのか、
あの白髪頭の変な人の力だったのか分らないけれどね……」
 
「そうだね……、もういつ何が起きても不思議じゃない……、
本当は僕もこのまま魔法が使えないままなのは凄く不安だよ……」
 
「大丈夫さ、なる様にしかなんねえ、そうだろ……?」
 
ジャミルが立ち上がってアイシャとアルベルトを見た。
 
「うん、そうね……、アル、魔法は私が頑張るから……、
心配しないで、ね?」
 
アイシャが微笑んでアルベルトの手を取った。
 
「オイラもいるよお、あてにならないとは思うケドさあ……、でも、
チビちゃんもいるし!」
 
「きゅっぴー!」
 
「ううん、そんな事ないよ、有難う、アイシャ、ダウド……、
チビもね……」
 
「リトルは何もしてやんねーりゅ、……お前ら、くせー馴れ合い
してねーでとっとと行けりゅ!」
 
「へえへえ、んじゃま、行きますかね……」
 
ジャミルの言葉に3人も頷き、上空を見上げた……。


消えた故郷

「……じゃあ、行くよお、皆、チビの傍に来てね……、
行きたい所を思い浮かべて気持ちを一つにしてね」
 
「おい、バカ猿、ちょっと待てりゅ……」
 
思い出したように小悪魔がジャミルを呼びとめる。
 
「な、何だよ……」
 
「約束、……忘れてないりゅよね……?リトルの夕ご飯……」
 
小悪魔が舌をペロペロ、……でかい顔をジャミルの顔に近づけてくる。
 
「分ったよ、……たく、急に思い出すなよ……」
 
「何の話だい……?」
 
アルベルトが小悪魔とジャミルを交互に見た。
 
「色々あるんだよ、人生は……、さあ、チビ、頼むぜ!」
 
「うんっ、……えいっ!!」
 
4人とチビの姿がその場からあっと言う間に消えた……。
 
 
「!!」
 
待ち構えていた最悪の光景の惨劇に4人は目を見張る……。
 
「畜生、……やっぱり間に合わなかったのかよ……」
 
「きゅぴ……、誰もいないよ、お城の中……、ぼろぼろだよお、
……チビが初めて此処に来た時の……、あの優しい匂いも、
もうしないよ……」
 
「チビちゃん……」
 
肩を落とし、震え始めたチビの背中をアイシャが支えて、そっと撫でた……。
 
「さ、探そうよ、まだ誰かいるかも……、でも、元々のお城の人数が……」
 
「ダウド、悪い方向に考えんな、さあ、城の中を探してみようぜ……」
 
ジャミルを先頭に4人は廃墟と化した城の中を歩き出した。
……誰か一人でも生き残っていて欲しいと願う思いに駆られながら……。
 
「……きゅぴ、お部屋……」
 
「あ?」
 
急にチビが立ち止まり、反応を示す。
 
「誰かいるのかい?何か感じたの!?」
 
アルベルトが急いで聞くと、チビがこっくりと頷く。
 
「うん、……この先のお部屋に……、まだ誰かの気配がするの……」
 
「多分、ホビットのおっさんだな、行ってみようぜ!」
 
「ちょ、でも……、あの変な危ないお兄さんかも知れないよお……」
 
「誰だろうと、とにかく確かめるっきゃねえんだよ!」
 
 
ジャミル達は急いで只管廊下の奥の部屋まで走る……。
 
「お、お……、おっさん……!!」
 
「……」
 
部屋の中に倒れていたのは……、ホビットの一人であった……。
ジャミルは慌ててホビットに駆け寄り、介護する。
 
「しっかりしろよ、今、べホマを掛けるからな!」
 
「その声は……、……うう、勇者様……、達……、ですね……?」
 
「そうだよ、もう大丈夫だ、安心しな!」