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zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 光と闇

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……良かった……、本当に……、身体も、もう消え掛けてない……、
うん……、チビちゃん……」
 
ファラは涙を流し、チビにすり寄る……。
 
「フン、……全く、心配掛けてばっかり……、……べ、別に心配なんか
してないからね!!」
 
リィトは顔を赤くし、明後日の方向を向いた。
 
「……リィト、お願いがあるの……」
 
「な、何だよ……」
 
「チビをみんなの所に連れて行って……、身体がまだふらふらしてて……、
……チビだけじゃ動けないの……」
 
「何言ってるんだよ!やっと目を覚ましたって言うのに!危険な場所に
また連れて行こうものなら、……僕が怒られるだろ!!」
 
「大丈夫……、ルビス様がチビに送ってくれた……、聖なる力……、
皆にも届けなきゃ……、リィト、ねえ、お願い……」
 
「何を言ってるのか……、僕にはさっぱり分からないよ……」
 
「……リィト、あたいからもお願い……、チビちゃんは大丈夫だよ……、
チビちゃんを信じてあげて……」
 
「きゅぴ……」
 
「分ったよ、その代り、僕は何があっても責任取らないよ、
……もう知ったこっちゃねえりゅーっ!!」
 
リィトは小悪魔に戻るとチビを抱いて一目散に外に飛び出すと、
空を飛び、暗い雨の中、再び皆の所を目指す。
 
「お前、重いなりゅーーっ!!食べ過ぎりゅーっ!!」
 
「きゅぴ、ごめんなさい……」
 
「チビちゃん、ジャミル……、皆……、お願いだよ、本当に……、早く、
早く帰って来て……」
 
両手を胸の前で組み、ファラは一心不乱に祈るのだった……。


闇と光と……

一方、アルベルトの魔法力が復活したものの、どうしても完全に
ダークドラゴンに止めを刺せず、3人は後一歩が踏み出せないでいた……。
 
「やばいな、このままだと、幾ら僕に魔法力が戻っても……、早く
カタをつけなければ……、全滅だ……」
 
「やっぱりオイラ達だけじゃ……、ジャミルがいないと……、
無理だよお……」
 
「……あっ……」
 
「アイシャっ!!……うっ、くうっ!」
 
MPがもう完全につき掛け、再度ダークドラゴンに弾き飛ばされそうに
なったアイシャをアルベルトが支え、受け止める。
 
「アル……、ごめんなさい……」
 
「いいんだよ、気にしないで……」
 
「でも……、私達……、やっぱり……、もう此処までなのかなあ……」
 
気力を無くし……、アイシャが俯いて言葉を濁した。
 
「どうしたんだよ……、アイシャらしくないよ……」
 
「でも……、もう……」
 
「りゅーーっ!うるせーお届け物りゅよーーっ!!」
 
「……リトル……?……!?」
 
「チビちゃん……!!まさか……、意識が戻ったの……!?」
 
チビを抱いた小悪魔が此方に向かって真っ直ぐに飛んで来る。
 
「だ、駄目だよお……!チビちゃん!!こんな処に……!危な……」
 
「きゅぴ……、……チビ、ルビス様に……ルビス様の大切な命を
託して貰ったんだよ……」
 
「ルビス様が……、チビに……?」
 
「え?どゆこと?……ルビス様がチビちゃんに……、命を託したって
事は……、ま、まさか……、ルビス様が……」
 
「ダウド……、今は目の前の敵を全力で倒す事を考えよう……」
 
「う、うん……、そうだね……」
 
「……そして、ルビス様が聖なる力もチビに託してくれたの……、
どうか受け取ってー!!」
 
チビが3人に向け、輝きを放つと……。
 
「きゅぴーーーっ!!」
 
3人の容姿が変化し……、最強装備を纏った姿に変わる……。
そして、暗かった周囲に微かに光が戻り、皆を照らす……。
 
「……これは……?」
 
「な、何……?オイラのこの格好……」
 
「私もだわ……、どうなってるの……?」
 
アルベルトはドラゴンローブ、アイシャは光のドレス、
ダウドは闇の衣を纏った姿にそれぞれ変わった……。
 
「不思議だわ……、MPが全部回復したみたい……」
 
「僕もだよ……」
 
「オイラ達……、皆、傷も癒えてるね……」
 
「大丈夫、これならもう少し戦えるわ!……何だか少し周りも
明るくなったみたい……」
 
「……ガアアアアーーっ!!」
 
「アイシャっ!!危ないっ!!」
 
ダークドラゴンがアイシャに向けて炎のブレスを放つが……。
 
「平気……、このドレス……、炎のダメージを半減してくれるの、凄いわ!
……今度はこっちからお返しよっ!!メラゾーマっ!!」
 
「グガアアアアーーっ!!」
 
「魔法の威力も通常より上がっている気がするわ……」
 
「よしっ、僕らもっ、ダウド、一気に攻めるよっ!」
 
「うん、アルっ!」
 
3人は見事な連係プレイでダークドラゴンを追い詰め、立場を

逆転させていく……。
 
 
「……何故です……?どうして……、僕は何故……、あなたに勝つ事が
出来ないのです……?その装備とやらの所為……ですか……?うっ……」
 
ダークドラゴンから再び人型へと戻った闇の国の使者は肩を押さえ呻く……。
 
「違うよ……、どうしても皆の所へ戻りたかった、その気持ちだけが……、
俺にもう一度戦う力をくれた、それだけだ……」
 
ジャミルはそう言うと、王者の剣を静かに鞘にしまった。
 
「フン、下らない……、……何ですか、僕にはもう何の力も
残っていませんよ、その憐れんだ目で見られるのは反吐が出ます、
早く殺すなら殺しなさいよ……」
 
ジャミルは溜息をつき、闇の国の使者を改めて見た。
 
「……そう言えば、僕とゾーマの関係を聞きたいんでしたね?
いいですよ、話してあげましょう……、惨めで哀れな僕の話を
聞きなさいよ……」
 
「……」
 
「僕は、誕生した時……、何の力も持たない唯の弱いドラゴンでした、
物心ついた時には親もおらず……、一匹でいつも徘徊していました……、
そしてある日……、心無い人間に捕まり、見世物小屋に売り飛ばされ……
殴る蹴られるは日常茶飯事……、命からがら見世物小屋から逃げ出した後も
又、いつ……人間に見つかって殺されるか……、生きる事が地獄でしたよ、
本当に……」
 
「……お前……」
 
闇の国の使者はジャミルの顔を見ると思い出した様に遠い目をした。
 
「……そんな僕を絶望から救いだしてくれたのが、ゾーマでした……、
スカウトされたのですよ、我の下部になれば絶大な力を与えてやると……
……そして……、何の力も持たなかったこの僕が……、強大な闇の力を持つ
ダークドラゴンへと変貌を遂げたのです……、ですが……、僕はゾーマと違い、
人間を滅ぼす事には興味がありませんでした……、むしろ、僕を馬鹿にした
人間共を支配下に置き、……闇の世界を作る事……、人類を憐みの絶望の淵に
立たせてやりたい……、それが究極の闇の力を得た僕の望みです……」
 
「……もう気が済んだろ?早く自分の国に帰れよ……、唯……、あの
ドラゴンだけは……、どうしてもカタを付けさせてもらうよ……、
この世界の為に……、チビの為に……」
 
「……そうはいきません……、何がなんでも……、……あの子だけは……、
失う訳にはいかない……、くっ……」
 
「!?おい、……ちょっと待てや……!」